昨日観た、東京国際映画祭作品の感想を書きますね。
「5分間の天国」
ストーリーは、
1975年、北アイルランドのラーガン。市民戦争のさなか、激しい憤りを覚え、アイデンティティを主張する16歳の少年アリスター・リトルは、報復とIRAへの警告としてカトリック教徒の男を殺害する。一方、被害者の弟ジョー・グリフィンはこの惨劇を目撃してしまう。アリスターは服役し、30年後、テレビ局が被害者と加害者を同席させようと画策する。ジョーは、生放送の現場でアリスターにナイフを突き立てようと咄嗟に思い付くが、アリスター自身も過去の記憶に苦しみ続けていた。ふたりは自分たちの間に残る深い葛藤に向き合うため、すでに廃墟となった殺害現場を訪れる。というお話です。

この映画、出ている人は、結構良いのですが、会話の場面などが多くて、眠くなりました。アイルランド紛争時に起きた事件の復習劇だけど、なんだか、疲れました。期待していたわりに、あまり盛り上がらなかったので、ちょっと残念。加害者も被害者も、どちらも不幸になるということを描いていて、それは、とても良く伝わってきたし、紛争などがあると、昨日まで友達だった人たちが敵になることもあって、本当に辛いことだなぁということを感じました。暗い映画だけど、伝えたいことはちゃんと伝わってくるので、演技力がすごいのだと思います。リーアムさん、カッコいいですl

この映画は、日本公開、無いかもしれないなぁ・・・。紛争などの恐怖を知らない日本人には判りにくいかも。
「ACACIA」
辻仁成監督、アントニオ猪木主演の注目作です。
ストーリーは、
樹々の揺らめく美しい初夏の港町。その片隅、さびれた団地の用心棒を務める心優しい元プロレスラー、大魔神。彼はかつて息子に充分な愛を注げなかった悔いを胸の底に秘めて生きていた。そんな彼の家に転がり込んだ孤独な少年タクロウ。周囲に心を許さず頑なで生意気なタクロウが、大魔神の前ではなぜか素直でいられた。年老いているが温かな住人仲間たちに見守られ、束の間、親子のように暮らす日々。かけがえのない時を重ねるうちに、互いの存在に励まされたふたりは、それぞれが本当の家族と再会し、これまで向き合えなかった現実を受けとめ、過去の痛みを乗り越える勇気をいつしか手にしてゆく。嘘のない絆と愛情がそこにはあった。
というお話です。
アントニオ猪木さんが主演とのことで、どんな風になっているのかなぁって思っていましたが、いやいや、良い雰囲気が出ていました。俳優さんではないので、決して上手い訳では無いのですが、すごく味があるんです。なんか、こんなおじさん、いるよなぁって感じで、不器用なおじさん役を見事に演じています。
本当に、思っていたより、数倍良かったです。途中、ところどころで涙ぐんでしまいました。家族のあり方、人間のあり方を、静かに表現していて、感動しますよ。お勧め作品だと思いました。
来年公開されるそうです。
「ゼロの焦点」
松本清張さんの生誕100周年記念作品です。
ストーリーは、
結婚式から7日後。仕事の引継ぎのため、以前の勤務地である金沢に戻った夫・鵜原憲一は、そのまま帰ってこなかった。お見合い結婚ゆえに、夫の過去をほとんど知らない禎子は、彼が失踪した理由の見当もつかない。憲一の足跡をたどって北陸・金沢へと旅立った禎子は、室田佐知子と田沼久子という、ふたりの女に出会った。決して交わるはずのなかった3人の女の運命が、事件がもとで複雑に絡み合ってゆく。
一方、憲一の失踪と時を同じくして起こった連続殺人事件に、ある共通の事実が判明した。事件の被害者はすべて、憲一に関わりのある人間だったのだ。夫の失踪の理由とは? 連続殺人事件の犯人は? やがて衝撃の真相が禎子を待ち受けていた。
というお話です。
この作品は、何度も映画化されているようですが、私は、初めて観ました。原作も読んでいないので、どんな話なのかなぁって楽しみにしていたのですが、とても松本清張作品っぽいというか、王道を行っている作品だなぁと思いました。サスペンスの王道です。主演の3人の女性がとても美しくて、サスペンスの面白さプラス、女性の美しさ、悲しさが表現されていて、とても面白いと思いました。これは、日本で映画好きな人は、ぜひ、観ておいた方が良いんじゃないかしら。やっぱり、王道を行くものは、押さえておいたほうが良いですよね。
面白いです。そして、美しいです。女性も映像も、すべて、美しいです。
公開を楽しみにしてください。
「イースタンプレイ」
ストーリーは、
音信不通だったふたりの兄弟が再会を果たすが、人種差別をめぐってそれぞれ正反対の立場にあった。最近ネオナチ集団に入ったばかりの弟ゲオルギは暴動に参加、一方兄イツォはトルコ人家族を救出する。その後、大きな集会へ誘われたゲオルギは、活動への関わりに疑問を抱き始める。またイツォは、助けた美しいトルコ人少女が、自分の孤独な人生を終わらせてくれる存在になるのではないかと幻想を抱いている。兄弟としてもう一度やり直すことで、彼らは人生における希望を見出すことになるのだろうか。
というお話です。
この作品は、主演しているフリストさんの自伝的なストーリーで、フリストさんの友達だった監督が制作しています。この映画の最後の撮影日の前日、事故で主演のフリストさんは亡くなりました。ドラッグでの事故だそうです。なんとも辛い話ですが、変わっていく東欧世界で、どのように生きていけばよいのか見失ってしまった彼らの悲しみや不安などがこの映像に良く現れています。
とても暗い映画なので、日本公開は、難しいかも知れませんが、もし、機会があったら、観てみてほしいです。
と言う訳で、22日は、4作品観ました。
この後、映画人の視点 真田広之の世界 を観ました。24:00~なので、オールナイトです。
さすがに疲れました・・・。これから寝て、夜、また映画祭に行ってきます。早めにこの感想もアップしたいなぁ。頑張ります~。
