今日は、ヤフーのレビュアー試写に当たって、"ディア・ドクター"を観てきました。
ある村の医者が行方不明になり、警察が調査をしていくと、ある嘘が浮かび上がってきた。神より頼りにされていた医者の嘘とは…。
いや~やっぱり、西川監督作品は、良いっ面白い
感動し、考えさせられました。皆さん、予想はつくと思いますが、こういうニュース、実際、有りましたよね。ホントに考えさせられました。資格免許を持ってる人が偉いのか、免許は無いけどやる資格がある人が偉いのか、本当はどうなのでしょう。
私も資格商売なので、結構、この映画の内容は、心に響きました。一級建築士も姉歯の事件があったように、免許を持っていてもやる資格の無い人間が結構いるのです。警告を発したくても、仲間を告発出来ないような風潮があるし、辛いんです。
この映画、人間の心理をとってもよく捉えていて、どの役の心情も共感出来ます。ドクター役の鶴瓶さん、とてもぴったりでした。
ちょっとした嘘のつもりが、どんどん大きくなってしまい、その嘘にがんじがらめにされてしまう典型のように見えました。嘘をつくのも悪いし、信用しすぎて期待しすぎてしまうのもいけませんよね。
人間の期待が、人を変えてしまうっていうのは、良くも悪くも、色々あります。良い方に変わっていくならば、期待してあげるのって必要だと思うのですが、その期待で、潰れてしまう人間や息苦しく感じてしまう人間も居るのだということを、認識することが必要だと思いました。
もっともっと語りたいけど、映画を観て貰うのが一番です。
お勧め映画です。色々な方に観て戴きたいですね。
ティーチインで、西川監督がいらして、質問に答えてくださいました。初めてお会いしたのですが、とてもキレイでかわいい方なんだなぁって思いました。あの小さな身体にすごいパワーが宿っているのだと、感動でした。
監督のお話は、以下です。
この映画は、最初、偽者の男の話を作りたかった。前作の”ゆれる”で、自分が注目されてしまい、褒められすぎて不安になりました。自分の映画が本物なのか偽物なのかの不安から、この話になりました。でも、医者にするかは、決めていなくて、練っていくうちに、医者が一番描きやすいかなということで、この作品になりました。キャスティングは、鶴瓶さんはイメージしてなかったんですが、先輩の監督が鶴瓶さんを進めてくれて、お願いしてみました。お忙しい方なので、無理かなーと思っていたのですが、快く引き受けてくれました。最初にキャスティングしたのは、瑛太さんです。難しい役だったと思いますが、頑張ってくれました。
川島雄三監督が好きで、幕末太陽傅の居残り佐平次から、主役の伊野という名前を付けました。
ディア・ドクターという題名は、手紙の冒頭の親愛なるという感じで、患者である未亡人から医者への手紙とも思えるし、万人から医者へということもあるし、色々です。ローリング・ストーンの曲にこの題名があって、製作中、ずっと聞いていました。
とのこと。
本当に、これからも西川監督作品、観たいです。あまり期待しちゃうと才能を潰してしまうこともあるから、いけないと思いながらも、期待しちゃいますね。
前作の”ゆれる”同様、”ディア・ドクター”も、大好きな作品の一つに入りました。