ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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勝手映画評及び舞台評です。自分の思ったことを脳から直接指先に排出しているので、制御が効きません。音譜


映画館、試写会での鑑賞の他に、映画祭の記事も載せています。他に、舞台なども好きなので、そちらも読んでください。私の趣味満載のブログです。文句などがあっても、お手柔らかに。コメントなど、反映に長くて1日かかる場合がございます。申し訳ありません。待っていて下さいね。カメ

ペタを一時中断させていただいています。スミマセン。

 

「ラストマイル」

 

を観てきました。やっぱり今日はこの映画の感想を書かなきゃね。

 

ストーリーは、

流通業界最大のイベントである11月のブラックフライデー前夜、世界規模のショッピングサイトの関東センターから配送された段ボール箱が爆発する事件が発生。関東センター長に着任したばかりの舟渡エレナは、チームマネージャーの梨本孔とともに事態の収拾にあたるが。

というお話です。

 

 

11月、流通業界最大のイベントのひとつ”ブラックフライデー”の前夜、世界規模のショッピングサイト”DAILY FAST(デイリーファスト)社”から配送された段ボール箱が爆発する事件が発生する。それは配達された直後、開封された時に爆発したようだ。警察の鑑識の調べによると化学薬品の反応による爆発で、開封時にスイッチが入り離した時点で薬品が混ざり合い爆発するらしい。

巨大物流倉庫のセンター長に着任したばかりの舟渡エレナは、チームマネージャーの梨本孔と共に、未曾有の事態の収拾にあたる。誰が、何のために爆弾を仕掛けたのか?残りの爆弾は幾つで、今どこにあるのか?どう考えても品物に爆弾を仕掛けられる穴が無い。多くの品物を動かしてはいるが、完璧に管理されていて仕掛けられる隙が無いのだ。



 

警察が品物を差押えという中、エレナは警察にセンター内で検査をするように誘導し、検査後すぐに発送するという荒業に出る。警察捜査で容疑者が絞られていく中、デイリーファスト社で以前に起きた事件が掘り返される。エレナの不自然な動きが気になる梨本に本部長の五十嵐から、彼女が福岡支店から転勤のセンター長とは違う人間だと連絡が入る。エレナはどこから来た誰なのか。

決して止める事の出来ない現代社会の生命線。世界に張り巡らされたこの血管を止めずに、いかにして、連続爆破を止めることができるのか。すべての謎が解き明かされるとき、この世界の隠された姿が浮かび上がる。後は、映画を観てくださいね。


 

いやぁ~、面白かった。すっごく面白かった。満島さんさすがでした。やっぱり脚本が上手いなぁ。沢山の伏線があるんだけど、最後までに回収してましたもんね。おおっと思ったのは、最初に爆発した家に沢山のダンボールが置いてあったこと。これ、凄く重要だったんですね。それにエレナの行動にも理由があったということが最後の場面で明かされるとか、考えれば”あー!!”という部分が沢山ありました。楽しかったなぁ。

 

デイリーファスト社の荷物に爆弾という事件、実際ならアマゾンや楽天の荷物に入っているってことですよね。まぁ、映画の中でも描かれますが爆弾を入れる余地が無いんです。システムでガッチリ組まれているので、人間が手を加えると直ぐに解ってしまうように出来ているので凄いシステムだなぁと驚きました。ここまでやっているから安全と言えるんだろうけど、融通は利かないよなぁ。

 

 

そんなシステムに管理される人間たち。システムが活動するために人間が利用されているように見えてしまう。人間の意思など関係なく流れていくベルトコンベア。人間も機械の一つの部品のようになってしまっているんです。エレナはセンター長となって、システムが止まらないように管理し、会社の12条の理念に基づき行動していく。しかしそこには裏の考え方が。

 

会社って綺麗ごとを並べるのが上手いけど、そこには必ず裏がありますよね。自分たちが責任を取らなくて良い様に逃げ道を作っている。汚いと思うけど、そうしなければ会社は存続していけません。会社が潰れたら沢山の人々が露頭に迷うけど、誰か一人に責任を押し付ければ、その人一人で済みますからね。一人を生贄にするんです。それは現代のどこの会社でもやられていること。私はそれを許しちゃいけないと思うけど、自分が当事者となったらやるかもしれません。大きな力を持つという事は責任も大きいんだけど、責任を取りますなんて言う経営者も政治家もいませんよね。世界は悪い方向に動いているんです。

 

 

センター長のエレナはとても頭が良く行動力もある人物ですが、何かを隠しているようなんです。梨本はそれに気が付き、一緒に事件を暴こうと行動しながらも、エレナの事を探っているんです。そんな状態なので、誰が犯人なのか全く分からなくなっていくんです。誰もが怪しけど、動機が解らない。何が起きているのか、何が原因なのか、それを追っていく過程がとても面白かったです。

 

そうそう驚いたのが、エレナが物流を上手く動かすために、海外から赤外線荷物検査装置をポチッと取り寄せるんです。海外のデイリーファスト社には売っていたらしいんです。それが海外から1日で届くというのですから恐ろしい時代です。赤外線荷物検査機って大きいのにねぇ。海外のアマゾンではそんなの売っているのかしら。凄いですね。

 

 

シェアード・ユニバースで、アンナチュラル部隊とMIU404部隊が合流していました。でも、もちろんメインのお話が中心なので、本当に少しだけの出演でした。MIU404関係は警察の初動捜査として出てきていて活躍していましたよ。アンナチュラル関係は爆発で亡くなった方々の身元などを調べていました。六郎くんはデイリーファスト社からメディカル便が届かずに手術が出来ない病院の研修医として出ていました。これ、本当に止まったらと思うと怖いですよね。

 

思ったんだけどこのストーリー、爆弾事件じゃないとしても物流が止まったらどうなるという現実的な恐怖を描いていたと思いました。これだけ便利になると余裕を持って買っておくことをしなくなるでしょ。なので突然に止まったら動きが取れなくなる人が沢山出ちゃうんじゃないかな。メディカル便は命に係わるし、ビジネス便は仕事が止まっちゃうでしょ。会社に損失が出るってことは株価に影響が出るから経済がボロボロになります。

 

 

それを考えると、ワザと通販会社を攻撃して株価操作をしようとする人間が出てきてもおかしくないし、テロも人が多いところを攻撃するよりも経済を潰すという目的で物流を狙うという事も出てくるんじゃないの?考えれば考えるほど怖くなっていきます。そう思うと、物流を支えている運送業の方々を大切にしないといけないよね。この映画でも運送業の人を大切にという事も描かれていました。

 

羊急便のヤギさんを阿部さんが演じていて、きっと実際に働いている方々も、こんな風に困って怒っているんだろうなということを感じました。この暑い中、荷物をもって走っていらっしゃる姿を見るとありがたいと思いますもん。不在だと本当に申し訳ないと思うんだけどずっと家に居られないし、置き配のシステムが上手く使えるようになると良いですね。

 

 

この映画、キャストが素晴らしかったです。アベンジャーズって言ってたけど、ホントそうだったよね。今回、私がこれはと思ったのは満島さんが演じるエレナ。こんなに頭脳明晰で決断力もあり、責任を取りますと言える女性ってカッコいいです。この世界の中に燦然と輝くアルテミスみたいな人。

 

これ満島さんが演じるエレナで、アガサ・クリスティーの「ミス・マーブル」的な推理シリーズが作れるでしょ。飛び抜けた推理力と遠慮ない突撃力はとても印象的でした。大変なことが起こっても次々と対処法を考えて行動していくエレナという人物は本当に面白い。これからの女性の理想像です。

 

 

こんな面白いキャラクターをこれだけで終わらせて欲しくないと思いました。エレナ発でシェアード・ユニバース全体が動き出す話がいくらでも作れそうじゃないですか。彼女なら中堂さんに”クソが!”って言われても正面から返せそうだし、伊吹と志摩を上手く動かせそうですもん。

 

そして梨本くん。彼の特技はネタバレになるから言えないけど、エレナの片腕となれば百人力なんじゃないの?この2人なら探偵事務所でも何でも警察お抱えの何でも屋でも出来そうです。もー、エレナがパトカーで寝てる姿を見たら、先の事が想像出来てしまいました。こんな魅力的なキャラクターが出てきて嬉しいです。

 

 

私はこの映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。私は本当に楽しめました。粗を探せばいくらでも出てくるのかもしれないけど、そんな事したくない。素直に楽しみたい作品でした。ああー、アンナチュラルもMIU404もまた観てみたいし、ラストマイルの続きも観てみたい。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ラストマイル」