ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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勝手映画評及び舞台評です。自分の思ったことを脳から直接指先に排出しているので、制御が効きません。音譜


映画館、試写会での鑑賞の他に、映画祭の記事も載せています。他に、舞台なども好きなので、そちらも読んでください。私の趣味満載のブログです。文句などがあっても、お手柔らかに。コメントなど、反映に長くて1日かかる場合がございます。申し訳ありません。待っていて下さいね。カメ

ペタを一時中断させていただいています。スミマセン。

 

「ひゃくえむ。」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

生まれつき足が速く、優遇されてきたトガシと、つらい現実を忘れるため走り続けていた転校生の小宮。二人は放課後に練習を重ねていく。いつしか2人は100メートル走を通じてライバルとも親友ともいえる関係となる。

というお話です。

 

 

生まれつき足が速く、「友達」も「居場所」も手に入れてきたトガシと、辛い現実を忘れるため、ただがむしゃらに走っていた転校生の小宮。トガシは、そんな小宮に速く走る方法を教え、放課後2 人で練習を重ねる。しかし小宮は突然に親の都合で転校してしまい、トガシとはそのまま別れてしまう。

中学でも陸上を続けていたトガシだが、プレッシャーから記録が出なくなり、高校入学と同時に陸上から遠ざかってしまう。そんな時、廃部寸前の陸上部から誘いがあり、走る楽しさを思い出してまた走ることに。



 

一方、打ち込むものを見つけ100m走で貪欲に記録を追うようになる小宮。一般から陸上の強豪校に入学し、陸上部に入部した小宮は直ぐに注目を浴び、一躍スターとなっていく。

それぞれがそれぞれの道を歩み始め、次第に2人は100m走を通して、ライバルとも親友ともいえる関係になっていった。数年後、天才スプリンターとして名を馳せるも、勝ち続けなければいけない恐怖に怯えるトガシの前にトップスプリンターの一人となった小宮が現れる。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、そんなに色々な出来事がある訳じゃなく、100m短距離を走ることだけを描いていくお話なのですが、その100mで記録を出すためにどれだけの努力と考察を重ねるかというのが凄いんです。陸上選手って、こんなにも考えて走っているんですね。

 

ちょうど世界陸上をやっていて、選手たちがストイックに練習して戦いに挑んでいく姿もを見ていたので、この映画で描かれることが現実と相まって、観ながら凄い感動してしまいました。陸上選手と言っても色々なタイプの人間がいて、感情を出す人出さない人など、それぞれが違うんです。

 

 

この映画では、トガシという天才肌の少年が大人になるまでが描かれるのですが、彼はとても真面目だけど強いがゆえに負けることを怖がっていてプレッシャーに押しつぶされていくんです。一方、小宮は走り方も知らなくてトガシに教えて貰い、努力だけで上がってきた選手なんです。この対比が面白かった。

 

このトガシは本当に真面目で”良い子”なので、いつも穏やかで怒ったり悔しがったりという感情を表に出さないんです。感情が動かされることを怖がっているので、負けたくない、いつも勝って記録を出していたいと思っているんです。なのでプレッシャーに押しつぶされて高校で陸上から離れるんです。

 

 

この気持ちは解るんだけど、辞める勇気があるなら続けて負ければいいのにって私は思いました。一度、負けてみると、自分の記録が伸びない理由も解るかもしれないし、負けて悔しいという感情を出してみれば、案外それも未来に繋がるんじゃないかな。悔しいっていう気持ちは、どんな原動力よりも強いと思うんです。きっとプラスになると思うんだけどな

 

世界陸上で110mハードルの村竹さんが負けて悔しいと感情を出していて、素晴らしい子が出て来たなと思ったのですが、昔の日本人選手って、勝っても負けても落ち着いて優等生タイプの返答が多かったでしょ。それじゃ未来に繋がらないよ。やっぱり悔しがって次こそはって思うような選手が一番だと思うんです。

 

 

この映画でトガシはいつも淡々としていて、年を取ってトップから落ちた時には諦めが出ていて、もう一度戦おうという気力が無いんです。でも、他の選手の中には年を取っても悔しいという感情を出して戦っている人もいて、そんな姿を見て、トガシも思い返すんですよ。そこでやっと、何で走ってきたんだということを考えたんじゃないかな。シンプルだけど走るって深いんです。

 

トガシに対して小宮は記録を出すことだけを目標としてきて、トガシがトップから落ちても小宮はトップにいるんです。ここで天才と努力家だと最後はどちらが勝つのかという答えが出てるんじゃないかな。トガシが努力していないとは言わないけど、プライドを捨ててでも勝ちに行くという貪欲さが無いんですよね。

 

 

今の世の中で生きていく上で、何をしていても勝負はあるし、最後に勝つのはどこまで頑張れるか、貪欲になれるかだと思うんです。勝ちたいという思いが強ければ強いほどきっと勝てるし、勝った時の喜びは大きいし、その後の高揚感は素晴らしいんです。それを一度でも味わった人間は、人間としても大きくなるし、本当のしあわせを手に入れることが出来るんじゃないかな。

 

もし勝てなくても、自分の最大限の力を出し切って昇華することが出来れば、勝ったと同じ気持ちが味わえると思います。それは人との勝負じゃなくて、自分との勝負なんだよね。自分をそこまで追い込めたという意味で勝ちなんですよね。みんなにそんな気持ちを味わって欲しい。そうすると人間って優しくなれるよね。

 

 

トガシを松坂さん、小宮を染谷さんが声を当てていて、二人の葛藤がよく表れていたと思います。私は好きでした。

 

私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。陸上競技の中でも短距離100m走って、凄く深いんだなと改めて感じました。よく描いてくれたと思います。魚豊さんの原作は読んでいないので、これから手に入れようと思っています。映画は素晴らしいので、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ひゃくえむ。」