ポーランドにて:ヴィヴァルディモテット「いと公正なる怒りの激しさに」 | Be☆ambitious!!

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こんにちは太陽

フェスティバルで演奏するため、ポーランドのParadyzという小さな村に来ています。

ポズナンから車で1、2時間くらいのところでしょうか。元修道院の大きな建物があり、その中で出演者、スタッフ全員が宿泊し、教会で毎日3つ(!!)コンサートが行われます。

今日はマリア被昇天の日のため、とってもカトリックなポーランドは休日。コンサートもお休みです流れ星

 

このフェスティバルは少し変わった趣向で、アンサンブルメンバーやオーケストラメンバーとして集まった音楽家が、通常の構成員の枠を超えて、さまざまなコラボレーションをします。

私も中世音楽アンサンブルLa morraのメンバーとしてここへ来ましたが、昨日は個人のソリストとして、オーケストラメンバーとコンサートを演奏させていただきました。

(ちなみにLa morraはミハウ・ゴンコと先日来日していたコリーナ・マルティ率いるアンサンブルです。私もちょこちょこ参加させていただいています。)

 

昨日は日曜日で、平日のコンサートではちらほら目立った空席が完全に満席。都会から離れた小さな村の大きな教会に、どこから来たのだというくらい多くの人が聞きに来ていて、立ち見まで出ていました。日曜日に組まれるコンサートが、このフェスティバルの目玉であることを感じました。

 

私が出演したのは、Koreオーケストラのオール・ヴィヴァルディプログラム。

その後にLa morraの中世コンサートが続き(このプログラムでは私は不参加)、最後に素晴らしい2人のテノール歌手とチェンバロ、ガンバのコンサートでした。

 

コンサートの開演前にラジオのサウンドチェックがあり、本番はラジオがライブでストリーム放送されたそうで、さらにフェスティバルが後日アップするというビデオのためにカメラが何台も設置されていました。

 

Koreオーケストラは年中共に演奏しているわけではなくこのフェスティバルのために毎年組まれるものだそうですが、ヨーロッパ各地から腕のいい奏者たちが集まっているようで、素晴らしい音が鳴ります。キャラクターの異なるメンバーたちですが、それぞれが合わさったときの響きとエネルギーは素晴らしいです。

昨夜のプログラムではヴィヴァルディのコンチェルトが4つ演奏され、その合間とプログラムの一番最後に声楽作品を織り交ぜたものでした。

私が演奏したのは、オペラ「忠実な羊飼い」よりアリア"Il mio core"と、憧れの大曲だったモテット"In furore iustissime irae いと公正なる怒りの激しさに"です。

先日Twitterでもちょろっとつぶやきましたが、、普段緊張はしないタイプなのですけど、この曲に関してはオーケストラリハーサルの段階で緊張していましたかお

 

この曲を、こんなにいいメンバーと共に、満員の温かい聴衆と共にできるなんて・・と、開演前あまりの恩恵に涙ぐんでしまいました。

 

かなりヴィルトゥオーゾな曲で、コロラトゥーラやディミヌーションによるハイCが続きます。

もしテクニックにこだわってしまえば、緊張の中とたんに体に力が入り、それにより声のコントロールが効かなくなります。人に見せるように歌うのではなく、神聖な音楽に忠実に、音楽と表現のことだけを考えるよう努めました。

・・・とはいえやっぱり緊張はして、口の中は乾くのでした。笑

 

反省点はもちろんありますし、テクニック的にも今後の長期的な課題となった点がありますが、本番で集中することができて、オーケストラのメンバー、聴衆と”音楽を共有している”という感覚がすごくあって、とてもいいコンサートになったのではないかと思います。

メンバーや聴衆の方々からもたくさんのあたたかいコメントをいただきました。

 

終演後は急いで軽食をとって、続く2つのコンサートへ。

2つめのコンサートの後は、ラジオ局に見つかってしまい(笑)インタビューを受けました。

英語でのインタビューが録音されていて、それがポーランドで流れると思うと・・コンサートほどではありませんでしたが、ちょっと緊張しました。(´-┃

 

その後3つ目のコンサートへ。

テノールのReinoud van MechelenとMarc Mauillonの二人は、ヨーロッパではちょっと名の通った歌手です。二人とも声、ディクションのコントロールが素晴らしく、特にレイノードの表現力は圧巻でした。

出演者はコンサートのためのチケットを買う必要がないので、連日素晴らしいコンサートを聴き放題!!笑

ラジオのインタビューで「このフェスティバルを何かに比べることはできますか?こんなフェスティバルはなかなかないですよね?!」と聞かれたとき、何かいいことを言わねばと(笑)「五つ星ホテルのビュッフェみたいですね!」などとチープなことを言ってしまったのですが(笑)その比喩もあながち悪くないかなと思っているのですが、いかがでしょう?笑

 

では、明日以降つづく4つの異なるプログラムのコンサートのため、リハーサルに行ってまいります~うさぎ