『Jシップス』インタビュー記事(波瀾万丈~77期) | ぱんつぶ。

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笹幸恵のブログ。

現在発売中の『Jシップス』2月号に掲載されている

「サイレント・ネイビー」で取材執筆を担当。

今回ご登場いただいたのは、77期の田中さん。

この方、戦後の混乱期はまさに波瀾万丈。

家族が外地にいたため、港町をあちこちふらつき

密航船を探す日々。

たどり着いた下関で掃海業務に従事。

のちに外語大に進学して高校教師となりました。

 

お話を伺っていて感じたのは、

根性の座り方がハンパない!!! ということ。

穏やかな面持ちとは裏腹に、

決して折れない芯の強さが感じられます。

しかも長年、教師でいらしたこともあってか、

話が非常に上手なのです。

多くの理不尽に耐えたはずの兵学校時代のお話も、

どこかユーモラス。

そして、戦後すぐの掃海業務を知る

数少ない一人でもあります。

時間があっという間に過ぎてしまいました。

しかも90歳を過ぎているとはとても思えないスマートさ。

背筋がピシッと伸びていて、じつに凛々しく若々しい。

 

撮影の帰り、靖国神社の話になりました。

「私は毎年、8月15日になると靖国神社に行くんです」

と、田中さんはおっしゃいました。

「ただ、最近はちょっと雰囲気が昔と変わってね。

私としては違うと思っているんです」

 

何が違うか。

その答えに、私はシビれました。

街宣車を走らせてがなり立てるのでもなく、

軍服コスプレをするのでもなく、

国の弥栄を祈るのでもなく、

じつはもっとシンプル。

田中さんは兵学校に4ヵ月しか在籍していませんが、

これぞ元軍人の発想であり、これこそが「リアリティ」

なのだろうと思います。

 

その答えを、私はもう少し自分だけの胸の内に

とっておきたい。

 

ので、ナイショにしとこ。