皆様こんにちは! スペインバスク在住のユミコです。
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以前、日本で開業助産師さんにインタビューさせていただいた時、
そのお一人がこうおっしゃったんです。
お産は自然なもの。
それを忘れず, 「苦しい」ではなく
「楽しい」ものと伝える義務が、
助産師にはある。
素敵なメッセージだと思います。
助産師さん先頭に、ぜひ伝えてほしい。
でも、そう伝える義務がある、と感じていらっしゃるということは、
お産は色々なことが原因で
「苦しい」と思う方が多く、
「お産って楽しいよ!」と言ってくれる人
(医療者なりお母さんなり)が少ない、
といえるのかもしれない。
そして、助産師さんの義務だなんて、荷が重すぎる。
そうなったのは、助産師さんの活動による結果ではないからです。
月経やセックス、妊娠と出産、授乳。
生れたことを喜び成長を祝い、
生きるための知恵を伝え、巣立ちの準備をする。
そして、命が生まれる喜びを体感してほしいと願う。
全部、子供にとっても大人にとっても性教育ですよね。
ところが「出産と育児」以外は、なんだかオープンに話しずらい。
これから生まれてくる子供たちに、私たちは何を伝えたいだろう。
子供を授かると、
こんな風に生まれてほしいとか、こんな親になりたい、
このような家庭環境で育てたい、こんな人生を送ってほしい…。
それぞれが色々考えながら、様々な感情と向き合い、
健康に気を付け、我が子の誕生を心待ちにします。
でも、「子供を授かりたい」と願うずっと前から、
実はその我が子への教育は始まっています。
受け継いできた価値観や、身体に刻まれた記憶
というものがあります。
女性として生まれたその身体に自然に備わっている、
生理的機能である月経は、「痛い」とか「面倒くさい」、
「ばれたくない」などなど、ネガティブなものとして受け取られ、
妊娠したいと願った時、「いつ排卵するのか」ということは重要だし、
出産という素晴らしい経験は、皆にお祝いされるけれども、
また産後に生理が始まると、面倒くさい存在に後戻り。
なぜ、命を育み生み出すこと自体は素晴らしいのに、
パワフルで創造的な私たちの身体は、痛かったり苦しいのでしょうか。
なぜ、出産という素晴らしい出来事が体験できる、
私たちの身体で数十年間続く月経は「面倒くさい」と思うのでしょうか。
初めて生理が来る前から、ネガティブなものとして教わったら、
自分の身体を、女性という存在を、喜んで受け入れることの妨げとなったり、
自分のありのままを、愛することができないことに繋がるかもしれない。
将来、子を授かったり産む時のために、身体が望むことを「選ぶ」力が
育たないかもしれない。
それが、身体の奥の記憶として刻まれ、代々引き継がれているとしたら。
やはり自分の子供や孫、ひ孫のためにも、変えたい。
しつこいようですが、
月経周期を知ることは、自分と向き合い、自分を知り、
自分を大切にするためのヒントになる、術の一つだ、と私は信じています。
すぐできることではありません。 えらく時間がかかります。
でも、少なくとも、妊娠出産という人生の大切な出来事の前に、
「月経とは恥ずかしいものではないんだよ」
「痛いのは当たり前ではないんだよ」、と教えてほしかった。
セックスに対する考えや周囲の女性との関係、自分への評価、
女性であるがために受ける態度…
色んな事に対する意識を自分から変えていくカギを、
「自分で」自然に手に入れていたかもしれない。
無理に自分をつくろうという、変な努力をしなくて良かったかもしれない。
変わらなきゃ、と思わなくて良かったかもしれない。
自分が悪かった、間違っていた、と思わなくて良かったかもしれない。
今の社会のあり方や教育が、「痛い」のでは。
こうあるべき、行動するべき、という規範が「苦しい」のでは。
それを理解すれば、少しづつ変えていくことは、できる。
自分の身体がどんなに豊かなものなのかを知り、受け入れた時、
それまで大切だと思っていた色んな事は、その価値を失っていき、
自分の暮らしがもっとシンプルになっていく。
人生で大切なものが、もっとオーセンティックな、
でも当たり前なことに絞られていく。
そうありたい望みが、身体の奥から生まれてくる感覚があります。
他の数々な体験もそう導いてくれたのだろうし、
これに限らず「自分を発見する」ということは、
いくつになっても遅くはないし、必要なケアなんだなと思います。
そして、せっかく与えられたこの身体の主人公になりたい。
身体に起こることを、理解して納得したい。
これから命を産み育てていく世代に、
女性として見せたい姿は、どんな姿だろう?
どんな女性、どんな大人として、子供たちの目に映りたいと願いますか?
女性は、産む前でも産んだ後でも、
新しい命を育てることが出来る、素晴らしい身体と知恵の持ち主なんです。
だから、
「私達の身体を もっともっと大切にして!!!」
と言っていいと思う。
男性がいるから命が生まれる。もちろんです。
お互い同じように大切な命で、必要な存在です!
でも赤ちゃんは、女性の身体を通して生まれてくるのだから、
女性が、心から「産みたい」という環境にいなければ、
今回も、お読みいただきありがとうございました。
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まもなく、
「月経とのお付き合い講座」 を始めます。