スキー場が閉鎖してから、もう5週間が経ちました。

元々7月までオープン予定の山は、4月後半の今もたっぷりの雪で覆われています。


ハーフパイプもメインパークのジャンプもそのまま、雪をかぶって静かにそこにありました。


山頂の斜面もとても綺麗。


ひとつ下のベースMILL も我が家から数分の町中のベースEAGLE LODGEも、下までしっかり雪がついています。

ハイシーズンと同じ雪の状況です。


あっという間に閉鎖に踏み切った、北米のスキーリゾート。


この山のようにオープンする期間の長いリゾートも、いつ再開するかは全く告知しませんでした。
あくまでも、「次にアナウンスするまで」と。




スキー場を閉鎖したのは休校と在宅ワークの要請とほぼ同時だったので、まだ外出禁止令が出る前でした。


まだ雪があるのにもったいない。
という前に、もしスキーリゾートで感染が広がったら大変なことになる、という意識の方が高かったのだと思います。

リゾートの閉鎖で町のほとんどの人が仕事をなくす。
それよりも、町の人の命を守るために感染を広げやすいスキー場を閉鎖することを即座に決めていました。北米の全てのスキー場が。




感染者はひとりもいなかったこの町。
レストハウスやゴンドラはやめて、リフトだけなら外だし大丈夫じゃない?なんて思っていた私。
その考えは甘く、あの時点で閉鎖してくれて本当に良かったと今は思います。


突然次々と決まっていって、あの時は(対応が遅すぎる)なんて思っていなかったけれど、結局これだけ閉鎖して外出禁止令も出したのに、その後の2週間で町の感染者はどんどん増えていきました。

それは、閉鎖する前にこの町にやってきたウィルスでした。

スキー場や町の閉鎖がもっと遅ければもっと広がっていたはずでした。




昨日、この町の病院の看護師さんと散歩中にばったり会いました。

犬を連れながらその看護師さんは、和かに話してくれました。


今は病院に来る人がずっと減っていて、一時は60人押し寄せて来たのが今はひとりかふたりなんだよ、と。


感染者の数はこの1週間増えていません。
死者も。
まだ気を許せないけれど、どうかこのまま収まって欲しいと願うばかりです。





あれから、誰もこの山を滑っていません。

散歩としてスキーやスノーボードは禁止されていないので町の人たちは健康のためにも裏山やトレイルで板を履いているけれど。


外出禁止令が出てもスキー場がオープンしていたら、やっぱり人は来てしまっていただろうなと思います。


だから、閉鎖してくれたことに今は感謝しています。