現在もうひとり、日本人ライダーがマンモスに残って滑っています。
相川隆喜(あいかわたかき)13歳。
ハーフパイプとスロープスタイルでアメリカのシリーズ戦に出ている東京生まれの男の子です。
 
 

タカキと初めてここマンモスで会ったのは3年前の春。まだ背も小さくて周りの子供ライダーたちの中でもひときわ幼いイメージでした。
それが、いつのまに見上げる身長になってしまった。
 
当時一緒に来ていたお母さんに、どうやったらアメリカの大会に出場できるのかと尋ねられたことがあります。
私は自分のわかる情報はお伝えしましたが、気づくとその翌年にコロラドの大会で優勝している姿を発見しました。
(ああ、本当に動いて挑戦したんだ。)と何だか面白くなりました。
 
 

日本人スノーボーダーが大勢やってくる春になると再会していたタカキが、今シーズンは真っ只中の2月にやってきました。

大会出場に来ていた日本人選手達が去った後も「この時期こんなにいいと思わなかった!」と毎日休まず滑っているタカキ。
トラと一緒にUSASAの大会にも出場しました。
 
 

日本人グループの中で一番小さかったはずのタカキにはアメリカ人の友達も増えていて、大会の説明もコーチたちとのやりとりも自分の英語で意思疎通できるようになっていました。
 
それでもまだ13歳のタカキ。体の大きさはこんなに違うけど、トラと近い存在です。
言葉の通じない異国の場で揉まれて来たんだろうなと思います。



今回のハーフパイプの大会、タカキは同世代のグループの中で1戦目は優勝。2戦目は3位。優勝する気満々でしたから、大きな悔しさと課題の残った3位だったと思います。
だけど、ここへ来てなかったらその悔しさも課題も感じることはなかったはず。
動いて得たその悔しさは、きっと今後の糧にできるだろうと思います。
 


今はお母さんと一緒に常に海外遠征しているタカキだけれど、大会のレジストレーションも練習も、自分に必要なことは自身で行動している姿がありました。

そして、海外遠征中の夕食はほとんど彼が作っていたみたいです。手慣れていました。
 
 
タカキが作ってくれたカプレーゼとパスタ。めちゃくちゃ美味しかった!
 
 
 
玉ねぎ切るときはこんな感じになってましたが(笑)
 
 
途中まで一緒にいたやまちゃん(工藤大和)と生地をこねこね、手作りピッツア。トラがトッピングして凄いことになってたけどw
 
 
英語力も料理の腕も、今後の彼の人生に大きく役立っていくのだろうな。
 
 

日本を飛び出してアメリカにやってくる若きスノーボーダーたち。

スノーボードの上達はもちろんのこと、言葉の違う異国の生活で外国人の中に飛び込んで、どれだけのことを得られるのか。それは人それぞれだと思います。
 
 

海外に来るなら是非、視野を広げてみて欲しいなと思います。そこにはものすごい可能性があるんです。
 
未成年の子たちは、親に協力してもらったり大人のコーチやアテンドに付き添ってもらったりしているけれど。
その中で自分自身がどれだけの成果を残せるか。せっかくのチャンスを、どれだけ大事に過ごせるか。

若くてスポンジみたいに柔らかな柔軟性を持っている時期だからこそ、是非スノーボードを頑張ることにおまけでくっ付けられる大きな可能性を見出してみて下さい!