1週間前、救急病棟へ運んだ夫。
数日続いていた腰の痛みが激痛に変わり…。
あの時はまだそれほど大変なことにはならず、まあこれでレイジーな夫もいい加減ストレッチやアフターケアをするようになるだろうと踏んでいました。
先が見えなくなったのは、それから数日後。
病院に入院してるのに一向に良くならない。むしろ酷くなっているようで。
様子を見に行くたび、もの凄く体格のいい夫が小さくなってゆくようでした。
普段は薬を一切飲みたがらない夫が、病院で薬漬けになってゆき、寝たきりで動けない日々が続きました。立ち上がることも寝返りを打つことも出来なくなりました。
家にも帰って来れませんでした。
むしろ家にいても助けてあげられる自信がないから、病院に居させてもらう方が安心だと思い、過ごしていました。
夫は病院で毎日何度もリハビリし、立ち上がる練習をして、昨日退院となりました。だけど本当にこれで退院してしまうの?って思うほど、まだ全然動けなくて…
病室のベッドから車に移動しようとしても、車椅子に乗ることすら出来ませんでした。
結局病院のベッドに寝たまま看護婦さんが外へ運び、救急病棟の前に停めた車の後部座席に乗せました。
どうやって降ろすんだろう。
どうやって家に運べばいいんだろう。
家ではどうしたらいいんだろう。
後部座席でうずくまる夫を見ながら、不安でいっぱいでした。
そんな私に、看護婦さんが、「がんばってね」とハグしてくれました。
その瞬間、私の中でずっと張り詰めていたものが途切れて、車を運転しながら涙が溢れてきました。
どうしよう…これから。
車に乗せて家に連れて帰っても、どう考えても車から家の中まで移動できる気がしない。
私の力ではどうにもならない。
咄嗟に、仲間のデイブに電話をしました。夫の長年の友であり、ここへ移住してきた時にすぐに寿司職人の仕事を与えてくれたボスでもあるデイブ。
でっかいアメリカ人です。
「今すぐにそっちへ行く!」と家の前で待っていてくれたデイブ。
何と彼も傷だらけ!?!
「今日デカいジャンプ飛んだんだ。3つ目でやられた… 笑」
舌を噛んだらしく、喋り方もおかしいし、腕から血が滲んで背中も擦りむいてる。
デイブは「1つ目と2つ目飛んでる時、俺は若返った気がしたよ!」と、笑っていました。私たちも笑いました。
夫は何度も叫んで休みながら、擦り傷だらけのデイブの力で家の中にたどり着きました。
いつも当たり前に登っていた階段でした。
他にも、タノア、近所の仲間たち、ローカルのいろんな人が頭に浮かびました。
私たち、家族のいないこの町に引っ越して来たばかりなのに、ここには助けてくれる仲間が沢山いると気づきました。
これまでも夫は何度も腰をやられていたので、ちゃんと調べなって言って来たけど、なんやかんや良くなればすぐ激しくスケートしたりスノーボードしたりしていました。
今回はとうとう爆発したんだと思います。
MRIの結果は、予想通りヘルニアでした。
続く