犬が好きな方には、なんて無責任なんだと反感を買うかもしれないなと思いながらも、気づくと応援してくれたり心配してくれる声に励まされていました。
そしてこの犬がこんなに私達にいろんな気持ちをもたらせてくれるとは思いませんでした。
ほんの6日間という時間だったけど、一緒のお家にいて朝から晩まで気にかけていた小さな存在。
トラは、犬が来た夜に寝言で「スカイ…」と言ってて。
そして最後の日の明け方、「ああ、夢だったのか、よかった。」と。
「スカイが大きなものに連れて行かれて、キューって絞られたらメッチャ小さくなっちゃったんだ!」と。どれだけこの子のことを考えていたんだろう。
そして多くは語らないけれど、大きな手で愛しそうに抱っこしていた夫。
家族みんなに愛をくれた気がします。
6日目、メキシカンファミリーの元へ返して来ました。
同じ公園で。
最後に手渡す瞬間にトラは、「離したくない」と言いスカイを抱きしめました。
でもすぐに、優しいお兄ちゃんに手渡しました。
涙を流しながら顔を背け、私の手を握り歩き去って行きました。
後ろからメキシカンの家族が、bye! と叫んで来たのに対し、涙を拭いて笑顔で大きな声でbye! と叫び返して、またその後顔をクシャクシャにして泣きながら歩き去ったトラ。
メキシカンの家族たちも、トラが泣いてることに気づいていたと思います。
優しいファミリーで、きっとスカイはまた可愛がってもらえるはずだと、私もトラも思いました。
私たちの元へ来たことで、あの子は受けるはずのなかったワクチンを何種類か受けて、健康診断も出来て、ノミダニの薬を飲みました。
メキシカンには、まだこの後2週間後に受けられるワクチンがあると伝え、すでに私たちが払い終えたレシートを渡して、ここに連れてって受けさせてあげてねと伝えました。
そしてきっと、それまでもこの先も彼らは買えないかもしれない子犬用のドッグフードの大袋を授け、オシッコシートや気に入っていたクッション、ボール、ご飯用のお皿など授けました。
メキシカンはビックリして本当にありがとう!と言ってました。
それだけでも、この数日私たちの元へ来てくれた意味が少しあったのかなって、少しだけ嬉しくなりました。
貧しくても、この子を可愛がってくれる子供達がいて、大家族で賑やかに過ごしてくれるなら、それで良かったねって。
トラも納得していたと思います。
そして出会った公園で別れ、帰りの車で私たちはふたりで声を上げて泣きました。
私はなぜかこの写真が一番好きです。
この時は、外を見つめて前の家族を思い出してるのかなって思ってたけど、もしかしたら少しだけ私たちのこともこんな風に思い出してくれてるかもしれないなって…。
私たち家族が、私自身が犬を飼うのは、きっとこのスカイが最初で最後だったから。
私たちの家族になった犬としてずっと大切な思い出として取っておきます。
元気でね。