アメリカで手術しようか日本で手術しようか究極に悩んでいました。
息子が3歳になる直前の時期、アメリカに主人がいて私は息子連れの日本での怪我でした。
《前十字靭帯断裂・半月板損傷》
手術方法、費用、いろんなことがアメリカと日本とで全然違いました。
当時悩みながらとことん調べて決断したアメリカでの手術。
今となって改めて、正解だったと思っています。
でもそこには大きな注意点などもあります。
当時の葛藤や状況はまだアメブロを始める前にエキサイトブログやフェイスブックに書き残してきたけれど、「3年前の今日」という情報で私がアメリカでの手術を受けようとやっと心を決めたことを思い出し、今になってわかる重要な注意点やメリットを書いておこうと思います。
①手術方法
②リハビリ(入院期間)
③費用
大きく分けてこの3つが全然違います。
①と②により、治癒力も復帰の時期も大きく変わることとなりました。
①手術方法
アメリカではドナーの靭帯を移植するAllograft(アローグラフト)と、日本で行われている自分の腱を取って移植する Autograft(オートグラフト)が主流です。
その中でもドナーの靭帯を使う方がこの10年以上は主流になってきているそうですが、日本では違法なのでこの手術方法は行われていません。
私は不安だらけの中、調べるうちにこの情報を見ました。
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世界トップレベルのフリースタイルスキーヤーKaya turskiという女の子の選手とこの手術方法の記事が載っていました。
調べてみると、彼女はソチオリンピックの6ヶ月前の8月にマウントフッドで怪我をし、オリンピックまでに復帰するために検討した結果、このドナー靭帯移植手術方法で9月に手術。3ヶ月後の12月にはマンモスマウンテンでパークを滑り、1月にはコロラドで行われたX GAMESで優勝したとのこと。手術からたった4ヶ月で、しかもジャンプがメインのスロープスタイルで。
彼女の場合前十字靭帯断裂が3度目ということもあり、この方法がベストだったという事もあったようですが、今回の方法が一番早い復帰になったと言います。
色々調べたところ、二十歳前後、それ以下の若い人だったら長い目で見て自分の腱を移植した方が長期的な結果は良いと思いました。
でもドナーの靭帯を移植することでのメリットは、手術時間の短さや自分の腱を取らずに済むという点が大きいと思います。
私の場合。
聞いたこともないドナーの靭帯手術ではなく自分の腱を移植する方を希望しました。医師から「あなたは日本人で体が小さいから自分のパーツを使うより、他のパーツを入れた方が強くなる」という腑に落ちるような(本当に?)と言いたくなるような(笑)説明を受けました。
「これからオリンピックを目指す10代の選手だったら自分の腱を移植することを勧めるが、あなたにはこの方法がベストだ」と。
実際、この時既に40代だったので、自分の腱などを取ってしまうとそこが治癒するための時間とリハビリもとても大変だったと思います。よく日本でこの手術を受けた人たちが、片方の足が細いままになってしまっているのはこれも原因だと思います。
年齢にもよりますが、あったものがなくなり元に戻すという事の大変さは現実的にあったと思います。
②リハビリ
これは日本にいる時からアメリカの方が絶対に進んでいるからいい、と聞いていました。
そして手術は日帰りというか午前中で終わり。昼にはいい気分で(痛み止めのおかげ)スタバのフラペチーノ飲みながら家に帰っていました。
実際のその日の写真
翌日からリハビリ開始。
1週間後は松葉杖なしの歩行。
1ヶ月後に膝の装具も外していたと思います。
術後6日目のリハビリ写真
松葉杖なしで歩行
8月末に手術して11月に初めて軽く滑りました。
2月から日本で本格的に復帰をし始め(とはいえ全開の滑りではなく)、シーズン途中で装具を外し始め、春はなるべく装具なしで滑りました。
手術から1年4ヶ月後の翌シーズン、本当に以前と同じように思い切り登ったり滑ったりできるようになりました。
③費用
日本では国保で30万円くらいの前十字靭帯再腱手術。私はアメリカで保険を持っていたので日本で受けるよりも安く手術を受ける事ができましたが、保険に入っていなければ約500万円かかりました。ケタ違いです。
保険がないとリハビリの費用も高いです。
アメリカは医療費が高いので、クレジットカード付帯の海外旅行保険では怪我をした時の手術費用が賄えなくて実費で負担する事がたまに起こります。もし保険が200万円、300万円などの補償額だったら2つの保険に入るなどして500万円くらいにしておく事をお勧めします!
年齢にもよるし、保険がなければ費用も恐ろしく違う。
でももしそれがいい方向に働くならば、私はアメリカでの手術は一つの素晴らしい選択肢だと思います。
海外で怪我をしてしまう選手や海外で手術をするという選択肢を考えている人にも参考になれば是非。
手術翌日の松葉杖歩行写真