前回の続きです。

 

前回の記事はこちら。

 

 

日程が決まった事を弁護士さんへ報告。

 

お話する事は思い出す事。

ツラいかもしれないけど、これだけは

直場さんにしか出来ない事なので

頑張って下さい。ここを乗り越えれば、

少し楽になれるはずです。

その後のことは弁護士である私に

任せてください。

 

この言葉が本当に心強かった。

 

状況を説明出来るのも、

何がどうして起きたのかも、

話せるのは被害者である私でしか無いから

ここは負けん気出して頑張る。

そう決めていました。

 

そして警察へ出向き事情聴取、

現場検証を行う日を迎えました。

自分が悪い事をしたわけでは無いけど、

警察署に行くのは緊張しました😅

普段、免許の更新とかくらいでしか

行く事がないものですから…

 

そして担当刑事さんと対面。

朝8時半から事情聴取が始まりました。

 

話し始めてると、やはり鮮明に

その時の事が思い出され、私は

震えが止まらなくなったり、

涙が流れたり…言葉に詰まることも。

 

こんな調子で大丈夫かな…

この後、学校へ行っての現場検証

待っているのに…

 

事情聴取をしてくれた刑事さんも

話を聞いて呆れてました。

立場上、中立でいなければならない

ポジションの方なのですけど、それでも、

聴取を記録していく中、PCを打ちながらも

お顔に出ておられました…苦笑

 

生活安全課が該当するので、

未成年の起こした案件は数多く

取り扱ってこられてると思います。

 

そして複数の警察官の方を

加害者とその他周りにいた生徒、

記録係とに見立てて所内で再現。

 

お昼を挟み、予定通り学校へ。

 

無理しなくて良いですからね。

しんどくなったりしたら、

すぐ言ってください。

我々がキチンと対応しますから、

直場さんは何処で何があったかを

再現して頂ければ大丈夫ですよ。

 

お2人の刑事さんと学校へ行きました。

 

出迎えたのは教頭でした。

そこで有り得ない事が。

 

なに、普通じゃん。と

思われる方もいるかもしれませんが、

私には信じられない事でした。

 

「あ、直場先生、こんにちは!」

 

刑事さんと一緒に来た私の姿を見て

教頭が発した第一声です。

 

は?

 

普通、返事を返すのが礼儀だと思うのですが、

どうしてもそんな気持ちになれず。

会釈だけしました。

 

コルセットをしてる私を見てもこの反応。

 

謝罪の文言が無かったとしても、

「怪我の具合は…?」

「お身体大丈夫ですか…?」

って気遣う言葉が出るだろう普通。

それすら無かったんです。

 

こんにちは。って何やねん。

 

そして現場の音楽室へ。

場所案内だけかと思ったら、何故かそこに

シレッとずっと居る。

 

なぜ?

 

そこで初めて私は教頭も立ち会う

という事を知りました。

 

吐き気と動悸と震えが止まらなくなりました。

 

私が悪い事をしたわけじゃない、

非があるわけじゃない。

 

だけどもそこに居るだけであっても

私にとってはストレスで、だったんだ…と

今思い返して思います。

 

ずーっと見られている。

じっと見られている。

 

視線が痛い

 

こんな風に感じたのは初めて。

 

人の視線ってこんな強かった?

こんなに痛いもの?

 

私の中の私は居た堪れなくなっていました。

 

あぁ…これか。

こういう目に見えない辛さ

感じたく無い、こういうやり取りが

面倒だ

そうなるから被害届を出さない

という選択肢を取る人が多いのか。

 

私は初めてこの時思いました。

 

暴力を受け怪我をした

被害届を出す事は

1人の人間として当然の権利。

 

そのはずなのに…

 

きっと私だけじゃ無い。

生徒から暴力を受け怪我をした教師

居るはずです。(居ない方がえぇけども)

 

生徒=未成年。所謂、子どもです。

 

でも、暴力は

許されない。

例え、どんな事情があろうとも。

子ども同士の喧嘩でも手を出したら

ダメだと親や大人から教えられた様に。

 

そして、この教頭の立ち会い。

ずっと無言で壁際に立っているとはいえ、

もの凄い圧力とストレスでした。

そして、更にそこに教務主任が来ました。

 

え?2人も立ち会うの?

何も聞いてないんだが。

 

恐らく私の顔色が変わったのを

警察官は気づいたのでしょう。

 

自身の体を壁にし、私の視界から、

教頭と教務主任をシャットダウンする様に

盾になってくれました。

 

そして

 

直場さんは我々の方だけ見て

指示に従って下さいね。

大丈夫ですよ。

 

と、そっと優しく声をかけてくれました。

 

ホントにその一言に私は救われました。

 

警察官、刑事さんって、

もっと怖くて威圧的なイメージが

テレビ番組とか諸々であったけど、

優しいんだな…って。

 

そのお2人の刑事さんには

今も心から感謝しています。

 

そして、何とか現場検証を終え、

音楽室を出て、学校を出ようとした時…

 

私が受け持っていた他のクラスの生徒が

私の姿を見つけました。

 

弁護士を代理人として立てている以上、

関係者との接触は基本的にNG

なので、話すことも本来ダメなんです。

 

が…

 

直場先生!やっと来たの!?

待ってたんだよ!!

身体、大丈夫なの??

 

他のクラスの生徒でも、

私が怪我をした事は知っていた様で。

そりゃそうよね。結構な大事でしたから。

 

その純粋な言葉を、

私はスルーすることが出来ませんでした。

 

おー、久しぶりやね。

元気にしてたか?大丈夫じゃないけど、

大丈夫だよ、ありがとう。

 

生徒とする会話が尊いものだと

この時、初めて解ったと言っても

過言では無いかもしれません。

 

次はいつ来るのー?

基本的に授業は嫌いだし、

面倒だけど直場先生の音楽の授業は

楽しみにしてるんだけど!笑

 

あぁ…もう何て返せば良いのか…

でも私は正直に答えました。

 

ごめんね。いつ来るとは言えないんだわ。

ちゃんと見てやれなくてごめん。

でも、ちゃんと頑張るんだよ?

 

そう言った私の言葉の意味を

深いともろにある意味も理解したのか、

 

そっか…

頑張るよ、ちゃんと。

だから見守っててよね!!

 

そう言って笑顔で返してくれた教え子。

 

それを見計らったのか、

刑事さんが行きましょうか。と。

 

刑事さんと一緒に正面玄関を出た瞬間…

 

あんなに行きたく無いと思った学校が、

行くのが怖いと思った学校

 

離れたく無い…

そう思ってしまった。

それは学校に対してではなく、

教え子達とキチンと別れを言えずに

去ること、離れることが嫌だ

と思ってしまったんですよね。

 

それと同時に私の目からは涙が溢れてました。

 

警察車両に乗り込んでから

我慢していた声が漏れました。

声を上げて泣くなんて考えもしませんでした。

 

更に追い討ちをかけるかの様に

ビックリする事が起きたんです。

 

続きます。

 

 

 

許せない行動

 

 

 

 

 

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