映画「マリウポリの20日間」感想 | 鯉太郎&神楽&銀八 3ニャン日和

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カープと漫画とビールをこよなく愛する主婦が、愛する鯉太郎・神楽・銀八の様子等、徒然なるままに綴ります。



今日は午後から出勤だったので、午前中に映画「マリウポリの20日間」を観に行きました。



2022年2月に起きたロシアのウクライナ侵攻。各国メディアがウクライナから脱出する中、AP通信のウクライナ出身の記者が仲間とともに残り、攻撃されるマリウポリを命懸けで取材したドキュメンタリー映画です。
その惨状を世界に発信するため、取材班がマリウポリを脱出するまでの20日間。





ロシア軍の攻撃により、ある日突然街を破壊され、命を奪われる民間人たち。民間人は攻撃しないという約束は、いとも簡単に破られる。




その恐怖を考えると、自分が安易に泣くのは違うと思いながら、もう映画開始5分で身体が震え、涙が出てきて止まりませんでした。



あろうことか病院が攻撃され、負傷した妊婦が運ばれる。胎児の死を悟った妊婦は、自分も殺してくれと言いながら亡くなった。なんて酷い。
一方で、砲撃音が聞こえる病院の中で出産し、無事に生まれてきた赤ちゃんの産声に涙する妊婦を見た時は、嗚咽を我慢するのが大変なぐらい涙が出ました。



子どもが死んでいく場面は本当に辛かった。

何の罪もない子どもが犠牲になる。そんなこと絶対にあってはダメなんよ。





通信も電気も水道も使えない中、自らも命の危険にさらされながら、それでも持ち場を離れず、任務を全うしようとする医療従事者や警察官たちの姿には、心を打たれました。



死体が転がる街。亡くなった人たちは、この状況の中では手厚く葬ることもできず、死体袋に入れられて、穴の中に次々と投げ入れられたり、地下室に無造作に安置されたり。
戦争は、人を殺してなお、尊厳まで奪う。




まるでゲームでもするかのように、集合住宅を砲撃する戦車の恐ろしさ。
そして戦火の中で、商店を襲撃して物品を奪う市民。地獄です。戦争は、人間の中の悪をあぶり出すんですよね。




マリウポリに残った記者が、ロシア軍に見つかると命の危険もある中、ロシア軍の非道と真実を世界に発信するために、決死の覚悟で取材を敢行したことは、本当にすごい。
私たちがニュースで知らされた映像はほんの一部で、本当はそこに至るまでどれだけの苦難があったのかを知りました。




本当に怖く、そして怒りに震えて涙が止まらなかった。映画が終わった時には、汗びっしょりになっていました。私は映画が終われば日常に戻れるけど、ウクライナの人々には日常は戻らない。
今、自分が平和に暮らせていることは奇跡なのだと思う。




戦争で攻撃する側の人間も、誰かの大切な家族なんじゃないの?こんなことさせたくて親は生んでないよ。戦争なら人殺しが許されるのはおかしい。

人が人を殺すことに大義なんてない。




観るのは辛い映画でしたが、観るべき映画でした。



戦争が1日でも早く終わることを願います。