映画「おろかもの」感想(ネタバレ無し)〜みんな愚かで愛おしい | 鯉太郎&神楽&銀八 3ニャン日和

鯉太郎&神楽&銀八 3ニャン日和

カープと漫画とビールをこよなく愛する主婦が、愛する鯉太郎・神楽・銀八の様子等、徒然なるままに綴ります。

テーマ:



アマプラで、たまたまお勧めに出てきたので観てみた映画「おろかもの」。
2018年製作の日本映画です。



【ストーリー】



高校生の洋子は、もうすぐ結婚する兄の浮気現場を見てしまう。両親が亡くなったあと、支え合って生きてきた兄の愚かな行為に怒りを覚える洋子。



洋子は好奇心から相手の女性の美沙と対面。兄と別れるよう説得するつもりが、美沙の雰囲気と人柄を見て感じるものがあり、自分でも思いがけない提案をしてしまう。「結婚式、止めてみます?」と・・・。





【感想】


若手監督の登竜門である、田辺・弁慶映画祭2019でグランプリを獲得した本作品。
他にも多数の映画祭で高い評価を受けているそうです。



洋子を演じる笠松七海さんがとてもいい。安藤サクラさんみたいな雰囲気。感情の揺れをわずかな表情で見せるし、台詞回しも上手でした。



兄の浮気相手の美沙役の村田唯さんも、ふわっとしてて色気があって、ちょっと脆い感じがとても素敵でした。結婚相手が決まっててもこんな女性が現れたら、ふらっといっちゃうのがわかる感じ。



兄の婚約者(猫目はちさん)は、美沙とは正反対の、堅実などっしりしたタイプの女性。妻というより、既にお母さんなんですよね。
洋子が、両親亡き後に兄と2人で生きていたところに「家族」として入ってくる婚約者に、なんとなく複雑な気持ちを抱くのがよくわかる。



一番クズなのがもちろん兄なんだけど、この兄も憎めない。ちゃんと働いて妹の面倒を見て、だけど女に対してはだらしない。頑張ってきた反動なのかなとも思うけど、頑張ってても浮気しない人もいるので、やっぱりクズなのだ笑。でもちょうどいい感じの優しいクズで、この手のタイプの男は結構いるんじゃないかと思わせちゃうんだよね。




洋子と美沙は、友達のような、共犯者のような、本人たちにも不可解だけど居心地の良い関係になっていく。
兄の浮気相手と妹が仲良くなるなんて普通はあり得ないけど、すごくリアルな感じでした。
洋子の行動を面白がって応援しちゃう高校の友達も可愛い狂気があって良かったです。





両親のお墓の前の場面ではホロリ。ほんまにバカ兄。ちゃんと全部言えなくても、なんとなくそれで
伝わっちゃうのがやっぱり家族なんだよね。




最後、結婚式の場面はハラハラしたし(兄の先輩の謎の号泣には爆笑)、これどうやってラストに持っていくの?と思わせてからの、そうくるか!!やられた〜!!婚約者の腰パアン!!カッコよかった。洋子と美沙の笑顔の美しいこと。3人の女性のこれからの人生を心から応援したくなる爽やかなラストでした。




邦画のお勧めは?と聞かれたら、これを一番に紹介したいぐらい好きな作品になりました。これ、劇場で観たかったなぁ。




人間はみんなおろかもの。だけどいつでも女はしなやかで強い!!




観てない人は、ぜひぜひお勧めですニャ〜!!