映画「再会長江」 監督:竹内亮

 

いかにも私好みだから、という夫の薦めで見てきました。

この映画の発端はNHKで放映された「長江 天と地の大紀行」(2011年)です。

これと、その後編で、今回の劇場版の元になったチベット族の少女の10年後を追ったドキュメンタリーも見ています。

TVで見たチベット族の少女ツー・ムーさんの素朴さ、大都会上海を見ても揺らがなかったしっかりした内面と賢さに惹かれました。それが10年後も失われず、自分のふるさとに根を下ろし生活基盤を築いている頼もしさも加わって、恥ずかしがりやはすっかり影を潜めました。

映画では、なんといっても国土の途方もない広さと自然環境の変化の大きさに圧倒され、人々の懐の深さを感じます。棒棒と呼ばれる労働者を映すときも、彙(イ)族・摩梭(モソ)族など少数民族に対するときも、先入観を持たずに接する竹内さんに好感が持てました。高山病に悩まされながらも、ついに、長江源流である氷河からのひとしずくを映像におさめることができました。

私は久しぶりに旅心を刺激され、『三国志演義』史跡巡りなどのような点を結ぶ旅ではなく、クルーズ船でゆったりと《長江の時空間》を遡ってみたくなりました。

3つの大河(サルウィン川:ミャンマー・メコン川:タイ・長江)が並行して流れる維西(ウェイシー)のあたりを彷徨ってみたいなぁ(並行といっても互いの距離は100㎞くらい)。

 

日本向け予告編

 

中国大使館で開かれた試写会に登場したツー・ムーさん

どのような場面でもたじろがず堂々としています