①龍馬精神:意気軒昂、活気に満ちた、元気溌剌、年配者の生き生きした様子を称え   

      るときにも使う

「ライド・オン」のメイキングを見ていたら、馬を選ぶ時に監督が「この馬なら“龍馬精神”の言葉にもあっているし・・」のようなことを云っていました。あ、これは四字熟語なのか!と調べてみたらわかったのが上記の意味です。新年のご挨拶にも使われるらしい。この映画では老いたスタントマン(ひいては出番の少なくなったジャッキー・チェン自身)の心情も表しているように思えます。

 

②パク・ミンギュの小説は一読してやさしい(読むのに易しい&書かれている対象に優しい)けれど手ごわい。中に詰め込まれた情報が多く煩雑で複雑なうえ、饒舌な文体で、哲学的考察なども入り、時に理数系っぽいアイデアもあってSFのようにも読める、という意味で手ごわいと思いました。朝鮮半島の近・現代史の予備知識があると、仄めかされた事柄が何を指しているかが読めてきます。韓流や華流ドラマに嵌って知識を深めたり、その国の言語もわかる方々が増えているのは嬉しい。

  私は、祖父が、日韓併合以前には統監府(後の朝鮮総督府)や漢城府(ハン

  ソンブ=李氏朝鮮の司法・行政の役所)で法整備に関わったり、総督府が置

  かれて(併合後)からは司法庁の役人だったこと、父も総督府に関りがあり、

  朝鮮半島の近・現代史を知らなかったでは済まされないと思っています。

  祖父は40代で野に下りましたが、中国東北部がきな臭くなると関東庁(植民

  地行政機関)の司法官として今度は満州へ赴きました。激動の朝鮮半島・中

  国に関わった者の末裔として、これらの地域へは強い関心を持っています。

 

③作家ジョン・メーソンは実在する?『ピンポン』でモアイのアメリカに住む従兄が愛読している作家がジョン・メーソンです。いくつか紹介されているこの作家の小説、モアイの評価通り三流ですが、三流らしいぶっ飛び具合と云い、三流としての完成度といい、なかなかのものです。探してもヒットしないところを見るとやはり著者の創作なのでしょう。それにしても商売とは言え、一つの長編に収まった別の短編、しかも抜粋ではなく完成品を紛れ込ませるなんて、見上げたプロ根性だわ。パク・ミンギュ恐るべし。