昨日の続き

「月の手紙」

  自殺をはかったヨハン、「僕」のまえから姿を消した「彼女」、休学

  「彼女」からの長い手紙。

「風に吹かれて」

  手紙に同封されていたボブ・ディラン、ヨハンの転院

  アピールの仕方を承知している「その子」の登場、「彼女」の居所を探す。

「ある邂逅」

  この章は(読むことに関してはクセ者である)私の予想通り!

  でも、展開した先は・・・・そっちに行くの?う~ん。

「ハッピーエンディング」

  そんな筈は・・・・嘘でしょ!

「Writer's cut 彼と彼女 そしてヨハンのもう一つの物語」

  この章は無くても、とも思いましたがそれでは通俗的。

  「ある邂逅」以降の流れからいうと、余分だけれど・・・・。

 

「月の手紙」まででおさめられていたらとても良かったと思います。けれど、あくまでも私的な告白風の形式になっているので、それは仕方のないことかもしれません。

「亡き王女のためのパヴァーヌ」と「ラス・メニ―ナス」の関りはわかりやすいのですが、著者が「ラス・メニ―ナス」から主題に選んだのが、“何か”あるいは“誰か”、を考えると、この絵の意味するところはなかなか示唆に富んでいると思います。

♪カタログを作りたくなったくらい、多様な音楽が流れていました。

 

後半を読んでいる間中、昨日YouTubeを聴いて気に入った務川慧悟さんの「ラヴェル ピアノ作品全集」を流しっぱなしにしていました。(中の1曲が「亡き王女のためのパヴァーヌ」)

ほぼ読み終わるころに曲のほうも終わって、引き続き聴こえてきたバッハの「ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調」が、(小説には出てきませんが)物語の終りに寄り添うように感じられ、ふさわしい流れとなりました。(「ライターズ・カット」の背景にラジオから聴こえるという設定だったら・・・)

 

務川慧悟「ラヴェル ピアノ作品全集」より 「古風なメヌエット」

 

バッハ「ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調」BWV1041

ヴァイオリン:寺神戸亮 指揮:鈴木雅明 バッハコレギウムジャパン1998年