昨日のNHKBSは「未解決事件」シリーズのひとつ、下山事件を取り上げていました。

内容は3月に放送されたテレビNHKスペシャル・未解決事件file10「下山事件」(第1部ドラマ、第2部ドキュメンタリー)の第2部とほぼ重なっています。

特務機関と児玉誉士夫、キャノン機関(GHQ参謀第2部直轄の情報機関)、米ソ対立時の日本の役割、朝鮮戦争の準備、頻発した鉄道事故、共産主義者の排除、(原爆投下と)ポツダム宣言受諾、サンフランシスコ講和条約の発効=独立・・・・などについて、これまでに様々な憶測や推測を生んでいた未判明の部分について、かなり理論的に追っていたと思います。アメリカが脅威を感じるほど、日本国内ではソ連からの帰還兵などによる影響が浸透していたこと、それを何としてでも打ち砕きたいGHQの手段を選ばない暗闘などが見えました。

結局、講和条約を前にして行われたダレス・吉田会談で「韓国人単独犯人説」に落ち着き幕引きとなりましたが、多少ともかかわりのあった人々が、これほどたくさんの詳細な資料を残していたこと、ひとつひとつなら点でしかない資料を突き合わせて《像を結ぶ過程》に惹きつけられました。