本『地図と拳』ようやく「第七章 1928年 夏」張作霖爆殺と満州国建国の準備のところまで読み進みました。全体の1/3を超えたところです。

七章に至るまでには、(1904年~)1905年の日露戦争、1909年に結ばれた(1910年の日韓併合を視野に入れた)日清協約、1923年の関東大震災などの歴史を背景にした主人公たちの動向が語られています。

主要な場所が架空の地名のためか、この本には地図がついていません。しかし、登場人物の行動を追う上で、地図が無いと読む方は迷子になります。

歴史×空想小説であったとしても、舞台の範囲ははっきり満州であり、周辺情報として実在の都市名が出てくるので、どうしても地図は必須。

というわけで、該当地域を載せているおんぼろの戦前の地図を引っ張り出しました。

とっておいた古い地図の中で、「日清汽船株式会社航路図」が朝鮮半島・奉天~トンキン湾までを網羅しています。戦前の地名がわかり、小説を読むうえでとてもたすかります。酷使に耐えるよう書籍類補修用のテープで補強、物語を追いつつ二次元の平面から三次元の空間を空想する楽しみが満たされます。

見切れている奉天(瀋陽)~ハバロフスク間は現在の地図をコピーして旧名を書き入れました。新旧二枚の地図が同じ縮尺で良かった!

古い地図の価値を重視して取っておいてくれた父に感謝です。