今回の札響定期で「スコットランド幻想曲」のハープを弾いたのは井上麗さんです。
主にバレエ公演の時に劇場で演奏する、シアター・オーケストラ・トーキョーの首席ハープ奏者をつとめています。
井上さんは、広範な地域と、古代から現代までの時代を超えたさまざまな種類のハープを弾かれる研究者でもあります。
中でも私が注目したのは箜篌(くご)という復元された古代のハープ。
3種類あって、
西アジアから中国・百済経由で正倉院にその残欠が残るハープのような
竪箜篌(たてくご)は、百済楽(くだらがく)の楽器のひとつとして伝来
したとのことです。
古代インドの弓形ハープが中国に伝わったとされる鳳首箜篌。
中国で発生し、琴のように寝かせて演奏する臥箜篌(がくご)は、
高麗楽(こまがく)の伝来とともに伝わった楽器です。
日本に伝わったものは、平安時代に絶えたということです。
・・・・・以上byブリタニカ
いずれも、現代のハープのような支柱がありません。
正倉院に残された楽器を復元して演奏している動画がありました。最後の方に映っています。
結んだ絹糸の弦の端が垂れて、往時の姿がしのばれます。
こちらは現代の音楽ですが、音色がはっきりわかるので。笙とのアンサンブル。