本『清冽 茨木のり子の肖像』 後藤正治 中央公論新社 2010年

はじめのうちこそ、おやすみ前の楽しみとばかり寝転がって読んでいました。

そのうち、起き上がって正座して、おまけに手持ちの詩集を全部持ち出して対照しながら読むことになってしまいました。実に贅沢な時間でした。

 

手元にあるのは

『倚りかからず』 筑摩書房 1999年 第6刷

『茨木のり子集 言の葉』1~3 筑摩書房 2002年 初版第1刷(アンソロジー)

『落ちこぼれ』 理論社 2009年 第13刷 (水内喜久雄による選詩集)

『見えない配達夫』 愛蔵版 日本図書センター 2006年 初版第1刷

     (1958年 飯塚書店発行の初版本を底本とする) です。

 

第5章”汲む”に、私の大好きな山根基世アナウンサーが、茨木のり子の詩を番組で朗読したエピソードが出てきます。番組後、山根さんは見送りながら向田邦子の言葉「独りを慎む」を思い浮かべた、といいます。

私も、この本を読んでいてしきりに浮かんできたのが須賀敦子さんと向田邦子さんです。

お三方とも端正で凛々しく、慎ましい生き方を貫きました。

茨木のり子1926年生まれ:帝国女子医学薬学理学専門学校(現東邦大)

須賀敦子1929年生まれ:聖心女子大

向田邦子1929年生まれ:実践女子大

生れた年が近く、小学校・高等女学校卒が多かった当時の女性としては、珍しい高学歴でした。甘ったれない姿勢は私のお手本です。