いろいろな発見が生まれます。
さて、今日の発見
ユダヤ民謡 イタリア語 精神分析
なんだか三題話めいていますが・・・・
yossyさんのブログにアップされた”マーラーとユダヤ民謡”の動画から、私は”トゥンバラライカ”を
ネットで検索しました。
幾人かの歌い手による動画を見ましたが、中に、エステル・オファリームの歌声による動画を発見。
それは、どうやらイタリア映画であること。画面は精神病院のようです。
で、主人公の若い女性はどこか寒い地方へ向かい、次の場面ではこどもたちと歌を歌っています。
そして、イタリア語のクレジットに
サビーナ・シュピールラインは、1942年ロストフのシナゴーグで娘たちと一緒にナチスに殺された。
ザビーナの幼稚園で育った子供が84歳まで生きて・・・云々とあります。
タイトルは”SPEZZONE PRENDIMI L'ANIMA” 監督:ロベルト・ファエンツァ
”私にくれた魂のかけら”とでも訳すのでしょうか。
ANIMAは、もちろん精神分析用語としてのアニマと、ザビーナの魂を指しているのでしょうね。
裕福な家庭に生まれたザビーナは、思春期に重度のヒステリー症状を示し、スイスでユングの治療を受けます。
回復後医学部に進学し精神分析医となりますが、その間、自分を救ってくれたユングと恋愛関係にありました。
私が見た動画の精神病院のシーンで、ザビーナが踊るのがユングなのでしょう。
ザビーナの手首には包帯が巻かれていました。
ザビーナは医学部に進学してから、分裂病に関する優れた論文も書いているそうです。
イタリア語のクレジットに書かれた彼女のすぐれた仕事とは、この論文も含めロシアに帰ってから
開いた進歩的な幼稚園などのことなのでしょうか。
ザビーナは<症例として>、また、優れた分析医としてユングとフロイトに影響を与えたそうです。
イタリアのフロイト派のアルド・カロテヌートが偶然発見した、ザビーナの手紙や日記をもとにした
「秘密のシンメトリー」という本を映画化したのが、このイタリア映画ではないかと思われます。
キーラ・ナイトレイ主演で映画になった、ユングとフロイトの間でゆれる若いロシア系ユダヤ女性
として少し前にも話題になったようですが、ちょっとキワモノっぽくて私は見ていませんでした。
BUONANOTTE