イタリア語のテキストを買いに本屋さんに寄って、またしても(だから、テキストコーナーだけにしなさいって)ちょいと覗いちゃった古典コーナーに<それ>はありました(*^▽^*)


本「私が源氏物語を書いたわけー紫式部ひとり語り」 山本淳子 角川学芸出版


著者が<小説のように感じるかもしれないが、小説では無い>と断っているように、歴史資料や研究成果をふまえて書かれた<一人称の評伝>です。

これの前に、朝日選書で「源氏物語の時代 一条天皇と后たちのものがたり」を著して(’07)、

藤原一族を筆頭に権力増大を図る貴族にくらべ、弱体化しつつあった天皇の権勢をなんとか回復しようと努めた一条天皇の時代を、わかり易く説いています。


この本では、式部さんは自分の祖先について、藤原の、それも冬嗣につながる名家の出であることを

強調し、まかり間違っても、清ちゃん(清少納言デス)のような<ホンモノの受領階級=下っ端貴族>

なんぞではないと云って、はからずも没落し文人(実務官僚)とならざるを得なかった父の地位の低さを嘆いています。

この誇り高い意識が「紫式部日記」にあらわれていますが、我こそはインテリとの思いが、痛烈な清ちゃん批判になったのでしょうね。

(受領の娘ごときの清ちゃんの方が私より評判だなんてユルセナイ キッ゛(`ヘ´#)  なぁんてねにひひ

同僚だった和泉式部へはきついこと云っていないのに・・・(あ、和泉さんは、もともと大インテリで名高い大江家の出だから良いのネ)。

こうして読んでみると、かの蛇蔵&凪子コンビがやんわりと著したように、やっぱり、式部さんは自分の出自と役割のギャップに忸怩たるものがあったようです。・・・・ウジウジグジグジ・・・・


もうすこし、式部さんの愚痴をきいてから、ね~ま~しょ星空