巷で流行っている「マウンティング」という言葉、(特に女性が)他人より自分の方が優位であることを示すために、自分の能力や境遇などを誇示する時に使われています。
今更言うまでもなく、動物のあの行為を我々人間に当てはめて使っている訳ですが…
(わたしも先日、幼稚園の保護者の方からいわゆるマウンティングというやつをされたんですが、あれは非常に不愉快なもんですね。4月からクラスが変わって会う頻度が少なくなったのでホッとしています。)
そもそもですが、
mountingの動詞、mountは「またがる」という意味。・・・(1)
自転車や馬にまたがると、その自転車や馬を操縦・調教というかコントロールできるようになりますね。
そこから「王位にのぼる」の意味も派生したのではないかと思います。・・・(2)
山や台に「のぼる」のもmountです。
それからもみ合いのケンカを想像して頂くと、だいたい上にまたがっている人の方が優位ですよね。
上から押さえつけた方が力が入りやすいですし。
押さえつけるということは固定するということ。
そこから「顕微鏡の観察対象をスライドに固定する」という意味が出てきたと思われます・・・(3)
辞書を見て頂くと、「標本にする」という意味が載っていると思います。
これは、目からウロコでした。
先日、免疫細胞染色技術に関する文書を読んだんです。
がん治療に使われる技術です。
そこで"mounting medium"という単語が出てきたんです。
ん???マウンティングー??
調べると「封入剤」であると。
上記の通り、顕微鏡で観察する時に試料をスライドに固定する必要があり、それに使われるものです。
日本語の「封入剤」という言葉からmounting mediumはなかなか出てきませんよね。
やはり翻訳には調査が不可欠だな、と実感しました。
話が逸れてしまいましたが…
マウンティングの意味のmountばかりが有名になってしまっていますが、それだけではないmountのことを頭の片隅にでも置いておいて頂けると幸いです。
それでは、今日はこの辺でm(。。)m