このところモーツァルトというとピアノソナタのほうばかり聴いていてヴァイオリンソナタのほうは疎かになっていました。
そこで春の陽光を感じさせてくれる、そんなヴァイオリンソナタを聴いてみました。
モーツァルト:ピアノとヴァイオリンの為のソナタ ハ長調K296
パリ時代に作曲されたものだそうで、全3楽章、明るくて、活気があって、浮き浮きする、そんな曲でこの時期の作曲されたものとしてはK304とともに愛聴するソナタです。
演奏はウェルナー・ヒンクのヴァイオリン、ピアノは遠山慶子です
この演奏、ピアノが特に素敵です
このピアノを耳にして、春の陽光という言葉が浮かんできました。
なんとも温かくて優しく響くピアノは、ベーゼンドルファー・インペリアル
そこにヒンクの決して出しゃばらないヴァイオリンが調和する。
個性のぶつかり合いを期待する向きには物足りない演奏かもしれませんが
こんなに美しく優雅なモーツァルト他で聞けなかった、かな?
例えばパールマンの同曲では、春の陽光ではなくて初夏の日差し?
とにかく聴いていると録音の良さもあって
ホンワカとした気持ちになる、幸せな気持ちにしてくれる
そんなモーツァルトでした。
ブックレットにはかなり詳しい録音データが記載されています
2006年2月 スタジオ・パウムガルテン(ウィーン)
マイク: SCHOEPS CMC-52SU×2(onepoint)
ミキシング・コンソール: STUDER 169
ADコンバーター: WADIA WA-4000
Digital Recording System: SONY PCM-7040(DAT)
Editing and Mastering System: SONIC SOLUTIONS [SONIC STUDIO HD]
Recording Engineer YASUHISA TAKASHIMA
ワンポイント録音のせいか自然な音像と音場。
演奏と録音が美しくマッチした、当分はモーツァルトのヴァイオリン・ソナタというとこの演奏を選ぶことになりそうです。