休刊が決まった「レコード藝術」。
過去に刊行されたものから幾つかの号をブログのお友達のネコパパさんが紹介されているのですが

先日1968年5月号が紹介されていました。

 

 


その5月号の表紙にはケルテス指揮、ロンドン交響楽団による「新世界」のLPが使われていました。
それを見て、我が家にもあるはずと思いラックを探したところ・・・ありました



ケルテスの「新世界」というとウィーン・フィルを指揮したものが、この曲の定番中の定番。
ケルテスの覇気に溢れた指揮とウィーン・フィルの美音、それを鮮明のとらえた録音が一つとなった、これがあれば他はいらない、そんな言葉が納得できた一枚でした。
で、ウィーン・フィルとの録音から、たぶん5~6年後。ドヴォルザークの交響曲全曲録音の一環としてロンドン交響楽団と録音されたのがこの「新世界」。
これを聴いた当時は、なんだか大人しい演奏で肩すかしをくった、というのが正直なところで出番はほとんどありませんでした。パスピエが若かった??(^^ゞ
で、超ひさしぶり聴いてみました
ウィーン・フィル盤に比べると、あの生々しいテインパニーも控え目になり若々しさ、迫力等は後退していますが、すべてにバランスが良く、力みのようなものがとれ、、音楽の流れが自然で、美しく、懐が深い大人の演奏、そんな好印象。パスピエも歳をとったのです(。・ω・。)


録音はロンドン盤とはタイプは違いますが優秀なものと思えました
ティンパニーの生々しさや鮮明さは後退しましたが、奥行き、広がりの音場感のバランスがよく、上杉佳郎がよく使っていた「コンサートホールの特等席で聴くような」
そんな言葉が浮かんできた心地よい音
ウィーン・フィルのような華やかさはないけれど
しっとりとしたオーケストラサウンドも心地よく、これを聴くとウィーン・フィル盤はメリハリがつきすぎて、やや作られた音のように聞こえてしまいました。
一言で云うとオーディオ的なウィーン・フィル盤、音楽的なロンドン響盤といったところです

若い時はとにかく「新世界」といえばウィーン・フィル盤でしたが
今のパスピエには録音も含めてウィーン・フィル盤と甲乙つけがたい、もなかなかのものだと思えました
盤の状態がイマイチだったので・・・第1楽章だけをアップしてみました。
(パソコンからのイヤフォン試聴ではこの録音の良さ、特に音場感が聴けないことを確認しております)