こちらのCDです
1985年頃に発売されたもので
当時のCD価格は3500円~4000円くらいしていたのですが
2800円という、当時の廉価版でした。
収録されているのはハイドン(偽作)のセレナード、ハイドンの「ひばり」
そしてモーツァルトの「狩り」。
いずれもニックネームのついた、いわゆる弦楽四重奏曲の名曲集で
演奏団体がすべて異なる、寄せ集めのものです
何気にこれを聴いてみたのですが、とても良かったのです。
正確にいうとパスピエ好みの好録音だったのです
特に「セレナード」は各楽器の定位が明確で、その音色が瑞々しい
演奏もいきいきとした生命力に富み、第2楽章の「アンダンテ・カンタービレ」が有名なこの曲が、こんなに楽しい曲だったっけ?と思ってしまったものです
ベルリン四重奏団による「ひばり」も良かった
こういうがっちりした構成感でのハイドンはイタリア四重奏団などの美演とは違った意味で新鮮であり、録音もやや地味ながら、4丁の楽器のやりとりが聴き取れるパスピエ好みのものでした。
パノハ四重奏団のモーツァルト「狩り」
この四重奏団の名前は知っていましたが他の曲は聴いたことはない団体。
モーツァルトの「ハイドン・セット」では好んで聴く曲ではなかったのですが
綺麗で若々しいモーツァルトは思っていた以上に楽しいもので、改めて「狩り」という曲の良さをし知ることになりました。
このCDは寄せ集めのであり、たぶん評判にもならなかったものですが、パスピエの愛聴盤に加わることになりました。
弦楽四重奏曲の録音というと四つの楽器を中央に集中させておいて、そこに広がりを持たせる、そんなものが経験上多いのですが、この3曲は四つの楽器の音像が明確であるのがパスピエの好みに合ったのです。
録音の良し悪しは、プロはともかく、結局のところ自分の好みに合った音、音場で気持ち良く聴けるかどうかが問題なわけで、録音時期に関係なく良いものは良い、ということをこのCDを聴いて改めて感じた次第でした。