パスピエがクラッシック音楽に興味を持ったのが中学2年生の時、昭和37年でした。
当時、家にあったのは電蓄というもの。これはピックアプ部が回転式になっていてSPもかけられたのですが、当然ながらステレオレコードには対応していませんでした。
当初はそんなことには無頓着だったのですが友人からステレオの素晴らしさを教えられステレオなるものが欲しくなりオヤジにねだって買ってもらったのがこちらでした。
(画像は借り物です)


価格は5万半ばだったように記憶しています
当時国鉄(今のJR)の初乗りが10円、ラーメンが50円,それ以下で食べられた時代、大雑把な貨幣価値で換算すると50万以上のもをねだってしまった訳です
このステレオはエキスパンダーという今でいうとラウドネスや残響付加機能があったりしてモノラルも(当時は)ステレオみたく聞きことが出来て得した気持ちにさせてくれたし、これまでとは違ってSTEREOという表示のあるレコードを買えるようになったし、良いことずくめ、高校時代は楽しんでいたのですが。。。

音楽に関心を持つと自然と音楽誌、例えば生意気に「レコード芸術」などに目を通すようになると、レコード評などだけではなく自然とオーディオの記事を読むことになります。
それで知ってしまったことは、レコード針が交換できること、そしてカートリッジと呼ぶ針を交換することよって好みの音質に変えることが出来るということでした。
で、早速うちのステレオのプレーヤー部を見ると、どう見ても雑誌で見たアームの形状と違うし、どうもこのステレオでは針(カートリッジ)の交換は出来ないことを知りがっかり。
そうなるとカートリッジの交換ができるステレオが益々欲しくなる、欲しい~。
カートリッジの交換できるステレオのことが頭から離れなかったのですが
受験の時期。暫くはステレオのことはお休みして勉強に励む?
その甲斐あって?運良く希望の大学に合格できたので、そのお祝いに買ってもらったのがこちら
(画像は借り物です)


当時のパンフレットの定番、応接間にでんと置かれたステレオ、それが我が家へ(^^ゞ
これにアルバイトして買ったソニーのデッキを加えて友人にLPを借りてコピーしたりエアチェックも始めたりと、まぁ楽しい音楽ライフを送っていたのですが。。。

それは大学の最終年。
当時凝っていたビリヤードで知り合った音楽好きの後輩、その彼の家に遊びに行った時に聴いた、というより目にしたステレオ、そこには雑誌でしか見たことがなかったオーディオコンポが目の前に現れて、ガァーン!
プレーヤはマイクロだったか忘れてしまいましたがサンスイのアンプとスピーカーのJBLのLE-8Tは今でもハッキリ覚えています。
彼が聴かせたのはオスカー・ピーターソンの「プリーズ・リクエスト」から
ユー・ルック・グッド・トゥ・ミー

 

 

正直、音よりもこれがオーディオというものかというコンポの姿に茫然、すっかり我が家のサンスイが色褪せてきた思いで。。。
パスピエもこういうのが欲しいと。。。
陽水ではありませんが、限りないもの、それが欲望です

ビーワンさんの動画をお借りしました

 

 

で、翌年は就職。安月給で付き合いゴルフも始めたこともあってお金は貯まりませんでしたが冬のボーナスで以下の念願のコンポを購入。
TEAC TN-202、FR24ーMkⅡ、オルトフォンSLー15E ,FRT-3
テクニクス SU-3600
オンキョー E-63A-MKⅡ

このコンポで最初に聴いたのは忘れもしません
クララ・ハスキルのモーツァルトのピアノ協奏曲ニ短調K466
我ながらいい音だな~と悦に入って
お決まりのレコードを取っ替え引っ替え
毎日、会社から帰ってから遅くまでレコードを楽しんだものでした。
しかし。。。この幸せも長くは続かず。。。
この2年後にまたまた全く別次元の音を別の友人宅で聴かされて
オーディオという泥沼に入り込んでしまったのです
ここからが本番なのですが、今考えれば無駄な買い換えばかりしていた無意味な日々が続くことになるのですが、

長くなるので今日はこのへんでおしまいとさせていただきます