モーツァルトはハイドンの作品33の弦楽四重奏曲集、いわゆる「ロシア四重奏曲」に深い感銘を受け、他人からの依頼からではなく自らの意志で作曲したのが6曲からなる「ハイドン・セット」でモーツァルトにしては労作、と解説書にのっています。
この6曲、パスピエにとっては全部が素晴らしい、とはいかず、好みには凹凸があります。
この曲集を聴き始めてから一番好んで聴いていたのは順にト長調K387、ニ短調K421、ハ長調K465となり、他の曲にはどうも手が伸びませんでした。有名な変ロ長調K458「狩り」もイマイチです。
しかしこの2~3年好んで聴くようになったのが変ホ長調K428です。
この曲は第1楽章の冒頭に半音階的なフレーズがあったりと、モーツァルトにしてはスラスラ作曲したという感がなくて愛想が悪い?そこがイマイチ親しみにくかったのですが、何度か聴いていくうちに好きになりました。この曲に限らず苦手な曲がある日好きになる、ということはありますね。
演奏はジュリアード四重奏団。1977年録音の新盤ではなくて1962年録音の旧盤のほうを。
実は最初は新盤のほうを聴いてみたのですが音質が良くないので旧盤のほうにしました。(^_-)-☆


これは第2ヴァイオリンを右手に配置したものと思いますが、そのせいか広がり感もあり、弦楽四重奏曲の録音って中央集中型が多い?そういうこともあってか良く聞こえる。各楽器の質感や分離もよくて60年前の録音ながら弦楽四重奏曲の録音はこうでなくちゃと思わせる音、といったら褒めすぎかもしれませんが、とにかく後年の77年録音よりも良くてジュリアードならこちら、気持ち良く聴ける好録音でした。
演奏はもう少し軽やかさがあってもよい?いわゆる濃い演奏なのですが、録音が前述したように広がりもある好録音。駄耳のパスピエには音が良いのが一番!楽しく聴けました。