「モーツァルトの青春の涙、その一雫が音楽に結晶したようなK304」
 

故宇野功芳氏がこう表現したモーツァルトのヴァイオリン・ソナタホ短調K304
この曲を最初に耳にしたのはFM放送でした
M.J.ピリスが1969年に初来日した時の塩川悠子との協演
NHKのスタジオでの演奏が放送されました。
一聴してモーツァルトの短調の美しさに惹かれ
以後、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタは大好きなジャンルとなりました
そのホ短調のソナタを聴いてみました
 

好きなので全集と呼ばれるものが手元には8種類ほどありますが
そのなかで唯一のバロック・ヴァイオリンでの演奏
ヒロ・クロサキ(バロック・ヴァイオリン)
ワンダ・ニコルソン(フォルテ・ピアノ)


良い意味でモーツァルトの短調の曲ということを意識させないモーツァルト。内向きではなくて外に向かっていくような、伸びやかで美しいモーツァルトが聴けます。
透明な音場にヴァイオリンとフォルテ・ピアノが定位する録音も文句なしです