2025年10月4日、突然日本が大きく動いた。


どうせ自民党は変わらない、年老いた政治家の重鎮達が、女性を総理になんてする訳ない。


どこか醒めた目でテレビ画面を見つめていた私。


そんな醒めた思いは見事裏切られ、初の女性総裁は誕生した。


目も覚めるような鮮やかなブルーのスーツを身に纏い、画面の向こうからでも射抜く鋭い眼光に、彼女の放つエネルギーに私は痺れた。



「全員に馬車馬のように働いてもらう。

私自身もワークライフバランスという言葉を捨てる。働いて、働いて、働いていく」


ここまで来るのに、どれ程の苦労があったのだろう。

私よりもずっと年上の女性は、エネルギーに満ち溢れ、彼女の言葉は「24時間働けますか」という、今なら炎上しかねないキャッチコピーを彷彿とさせた。



「この人は、でもだって、が無い人なんだ」

そう思ったら、自然と涙が零れた。



私の頭の中には、いつだって「でもだって」が溢れている。

「でも、大変だったもん」「だって、仕方がないよ」この台詞で、どれだけ自分を慰撫し、甘やかして来た事か。


変わる事は難しい。動く事は勇気がいる。


憧れのサッチャー首相を彷彿とさせる、鮮やかなマリンブルー。

「火中の栗だろうが何だろうが、拾ってやる」

そう言い放った新総裁が、彼女の強さがとてもとても眩しくて、私は思わず目を瞑る。


漸く歴史が動いたのだ。

いい加減「でもだって」から、彼女よりもずっと若い筈の私は卒業するべきだ。


目も醒めるような鮮やかなマリンブルー。

彼女の白い肌には、鮮やかな青がよく映える。