幼男子が、最近一番楽しみにしていた事。
それは、今朝旅立った一泊二日の修学旅行です![]()
母子で年に2~3回訪れていた、ばあば家への小旅行(私の実家、関西なので)も今年は行けません![]()
普段学校嫌い、楽しくない、と文句ばかりの息子ですが、修学旅行の一ヶ月前からすごーく、楽しみにしておりました。
「泊まる場所、綺麗なホテルで一日目の夕食は霜降牛のすき焼きなんだあ」
「えっ、凄いわね。最近の公立小学校。ママの時は、雑魚寝で夕食はカレーだったような」
「先生が、毎年卒業まで皆が霜降牛のすき焼きの話をする、って言っていた」
「おお、流石ド庶民のるつぼの公立小学校。霜降牛なんて、滅多に食べられないものねえ」
※公立小学校に点在するセレブの方々、無礼な発言をお許し下さい。
そこで、先祖代々皆ド庶民という、由緒正しきド庶民出身の母、ド庶民ならではの疑問が。
「ねえ、すき焼きのお肉はそれぞれの皿に取り分けられているタイプか、大皿から各々取るタイプかどっち?」
「えっ、どっちだろう。なんで?」
「もし大皿タイプなら、あんた食べるの遅いやん。早くお肉を取らないと、野菜しか食べられへんで」
「そんなの、絶対に嫌だ。うち、先に沢山肉を取ろうかなあ」
「それはダメよ。食べ物の恨みは、恐ろしいのよ。卒業するまで、恨まれるわ。
初めに肉が何枚あるか数えて、一人当たり◯枚だね、と牽制して、平和に食べなさい」
「そう言えば、ばあばが連れて行ってくれた淡路島の旅行でさあ(費用ばあば持ち)
おじさん(私の弟)が、伊勢海老のお刺身を食べようとしたら、残っていた三切れを全部一気に取って食べた。許せないよ
」
「それは、許せないわね。
大体あいつは、小さい頃から私が大切に取っておいたお菓子を探し出しては、全部食べる奴だった。キーッ。
ところでその旅行、もう半年以上前だけれど、まだ恨んでいるの?」
「当たり前だよ。伊勢海老なんて、滅多に食べられないのに、ムカつく
」
「ああ、これぞ正しきド庶民の子の姿。
まあ、気持ちは分かるわ。
ド庶民は、滅多に霜降牛なんて食べられないでしょ。
だから、自分の分を取られずに、尚且つ皆で平和に楽しく食べられる様に、初めに一人◯枚、と決めておきなさい」
「確かに。うちも、ばあばの家でしか霜降牛なんて食べた事ないや。
家だと、豚肉か鶏肉だものねえ」
「そうよ。牛肉なんて、オーストラリアンビーフ(こま切れ、お徳用パック)よ。それかマクドか吉野家か。
これこそ、由緒正しきド庶民。ううっ、何故か涙が」
「(修学旅行のしおりを見て)あっ、ママ大丈夫だよ。この夕食の写真、ちゃんとお肉が一人ずつの皿に盛られているよ」
「おお、流石ド庶民のるつぼの公立小学校。きっと、先生方も大皿盛りで、子供達の血で血を洗う、熾烈な「霜降の争い」を経験して、ホテルに個別盛りをお願いしたに違いないわ」
以上、代々続く由緒正しきド庶民の血筋の母子の間で交わされた会話です。
気を付けて、いってらっしゃい。