要領が悪くて、勉強の仕方が未だに分かっていない幼男子君。
静観していても事態は変わらなさそうなので、今回の定期試験、母は思い切って介入する事にした。
学校からは「自走させろ、介入するな」とは言われていますが、これは我が子の成長度合いを観て担任とも相談済みです
悩ましいけれど目標は「中学2年の最後までに自分でスケジューリング出来る様になること」
とは言え、母には試験範囲も何を勉強しているかも分からない。
結局、本人に聞くしかない。
一緒に見ていくと、もう見落としがボロボロ出て来る![]()
「ここに、何ページの問題をやるように書いてあるよ。やった?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」
「前回のテストを見てみると、君がやらなくていい、と言ったテキストから出題されているぞ。試験範囲に指定されているものは、授業で扱っていなくてもやらなきゃ。
このテキストから出題されているの、気付いていた?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」
嗚呼、頭が痛い。落ち着け、私。
なるべく優しく聞いてみる事にする。
「まだ自分でやるべき事を把握したり、スケジューリングする事は難しそう?」
「‥‥‥‥‥。うん」
悲しそうな顔で、俯く幼男子。
「よし、分かった。じゃあ、中2の最後には自分で出来る事を目標にしよう。
しばらくはママも一緒にスケジュールを作るから、頑張ってみようか」
とは言え、私に出来る事は限られている。
地学と地理のプリントには、覚える箇所にチェックペンを引いた。その上で、毎週授業でやった分を暗記する事にして、進捗状況を把握。
数学は何も教えられないので、間違えた問題に印をつけて、試験前に解き直すよう指示。
そして英語。
やつにだけは、しっかり介入。
あやふやな文法を教え直す。
「最上級だから、theをつけないと。
1つの動詞に、willとcanは続けて使えません。何か気持ち悪くない?
ここは、will be able toにするよ。
助動詞の後ろは、動詞の原形になる事を忘れないで」
同じ事を何度も教えている内に、古い記憶が蘇る。
大学生の時に教えていた、家庭教師先の女の子。
彼女は英語がとても苦手だった。
主語、動詞、述語と言っても分からなくて、日本語の構造から中2の子に教えたんだった。
真面目な子だったけれど、沢山書かせてもなかなかスペルが覚えられなかった。
でも、いつも部屋がとても綺麗で、細やかな気遣いが出来る優しい子だった。私よりもずっと生活力があるなあ、しっかりしているなあ、と思っていた。
絵が上手で、授業が終わってからも
「先生、見て、見て」
と懐いてくれて、なかなか帰してくれなかったあの姉妹。可愛かったなあ。
今頃、優しいママになっているのだろうか。
幼男子は、すぐに三単現のsを忘れるし、国語力のせいか長文は苦手。でも実は、私が中1の時の英語力よりかは、はるかにマシだ。
口惜しいから言わないけれど
考えたらこの子は、診断名もしっかりついていて、保育園の時は果たして小学校に毎日通えるのか、不安だったんだ。
その子が、苦労しながらも中学受験を乗り越えて、学校に楽しく通っている。
充分じゃんか。
他の子より、精神的な成長が少し遅いくらい、なんだって言うんだ。
落ち込みそうになる気持ちを整え、私は自分に苦笑する。
頑張っているよ、私も。
「英語に関しては、出来る事はやったよ。次の目標は、自分で出来ていない箇所をチェックして、試験前にどこをやるべきか把握すること。
明日、試験前にこの長文はじっくり二回読んでおいて。私が先生なら、これを出す」
幾分、表情が明るくなった息子。
そうか、不安だったのね。
やるべき事が多過ぎて、何から始めたら良いか分からなくて、パニックになっていたのね。
「忘れ物をするのが怖くて、何度も何度もリュックを確認してしまう。
やめたいのに、やめられない」
「真面目だからなあ。裏を返せば、良い事なんだけれど。
でも学校で忘れ物をした所で、この世の終わり、みたいな事にはならないよ。二回だけ確認するとか、ルールを決めるのはどうかなあ?
ママは、すぐに忘れるから全部紙に書くの。
そうすれば、確認しやすいよ」
「‥‥‥‥‥。うん、やってみる」
春休みに、児童精神科の予約を入れておいて良かった。最近、相談する事もあまり無かったけれど、やはり「もう来なくていい」と言われるまで、この子には必要だな。
今回の試験では、すぐに結果は出ないかも知れない。二人で落ち込むかも知れない。
でも。君は着実に成長している。
だからきっと大丈夫。