運動習慣として継続する運動は、安全且つ有効というだけではダメで、楽しさや効果などのメリットを実感できないと長期継続はできません。そして安全限界も、有効な頻度強度も、さらに楽しさも、全くひとぞれぞれに千差万別なので、そもそも単一の推奨メニューというものはあり得ず、自分にあったものを探してゆくトライアンドエラーのプロセスは不可欠です(ちなみにSTECはさまさまな運動衆目のトライアンドエラー的体験の機会を低負担で提供する事が一つの目的です)。
そして何が面白いと感ずるかは、本人でもやってみないとわからないものです。興味あるなしにかかわらず、是非前向きにいろいろ試してみてください。ただしどんな種目も「徐々にだんだんと様子を見ながら」という安全対策は不可欠です。特に強強度の運動(6メッツ以上:ジョギングやテニス、登山など)を準備段階なしにいきなり行うのは、高齢者や有病者では御法度です。
そのように前置きをした上で、下記の興味深い記事を紹介します:40歳前後で健康だが不活発な肥満者に、トレッドミル(ルームランナー)で週3回、1回4分の最大運動強度の90%(結構きつい)の速歩からランニングを10週間おこなうったら、体力(最大酸素摂取能力)が1割向上し、血圧も下がったという内容です(無論、その前に10分のウオーミングアップと後では5分のクールダウンがあるので、実質は準備を含めてなんだかんだで毎回30分、週90分はつかうことになるでしょうが)。
このような研究成果を実際に役立てるには、このまままねをするというよりも、「普段無理なくやれている運動の途中で、意識して3割くらい強度(早さや上り坂を入れるなど)を上げると効果がアップする」という風に考えておくのが良いかと思います:「トレーニングの3原理(※)」の中の:「過負荷の原理」ですね。
いつも「無理のない」同じ強度のトレーニングをずっと続けていると、体はそれに順応してしまい、それ以上の体力アップは期待できなくなるということです。
例えば日頃のウオーキングが息を切らせる事なく、汗をかくことなく行えているようであれば、ウオーミングアップが終わったところで、大股で歩くとか坂道を登るなどして、胸がどきどき、息がハアハア、脚が疲れて、タオルで拭くほどの汗がでる、といった運動強度を少しずつ取り入れてゆくとよいでしょう。
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※トレーニングの3原理:
1.過負荷の原理
トレーニングの効果を得るためには、オーバーロードが必要。
つまり楽な負荷でやっても意味はなく、ある程度きつい負荷でないと効果は表れない。
2.特異性の原理
トレーニングはその種類によって鍛えられる機能が異なる。
持久走では筋力向上は期待できないし、スクワットは上半身のトレーニングにはならない。
目的に応じてトレーニングの種類を選ぶ必要がある。
3.可逆性の原理
トレーニング継続で効果が得られても、トレーニングを止めればもとに戻ってしまう。
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ちょっとだけ思いっきりの健康改善
2013.5.30 , EurekAlert より:
身体的な健全性を高めるためには長い時間の運動が必要だという思い込みが強いけれども、たった4分間の運動を週3回行うだけという、計12分間の短時間高強度運動によってフィットネスレベルが有意に改善したというノルウェー工科大学の研究者による報告。
定期的な身体活動は、身体的フィットネスの指標となる最大酸素摂取量を向上させる事ができるといわれており、実際その通りなのだが、一体どの程度やれば十分に効果的な作用がもたらされるのかという課題については、未だ明らかにされていない。
今 回、研究者らが報告しているのは、週当たり3回の短時間高強度運動によって、不活動状態にある男性でも、最大酸素摂取量の増加という効果を得るのに十分な 運動量を確保できるようだという事である。このような短時間の運動であるならば、日常生活に取り入れることも簡単であり、折を見て行いやすいという特徴が ある。
研究者らは、最大酸素摂取量と心血管系リスクファクターを、見たところは健康な過体重男性24人に対して検査し、10週間のトレーニングセッションをおこなって比較検討した。
第 一群には、以前から有効性が知られている、最大心拍数比90%の高強度運動を4分間、間に最大心拍数比70%の運動を3分間行って積極的休養を取りながら 4回行う、いわゆる、4×4パタンのトレーニング。第二群は4分間の最大心拍数比90%の運動を行うという本研究の対象となるトレーニングを行わせた。
結果、第一群では13%の最大酸素摂取量増加が、第二群では10%の最大酸素摂取量増加が見られたのだ。両群ともに血圧の減少が見られたが、とりわけ第二群での血圧降下作用はより大きかった。
本 研究は全く不活動状態にあった男性を対象にしたトレーニングであっただけに、そのトレーナビリティが大きかったことを考慮に入れる必要があると研究者は指 摘する。それ故、多くの健常成人に対して週三回程度の高強度運動で同様の効果が期待できるか否かはよく分からないが、現状ますます多くの人が不活動状態や 過体重になりつつあることは事実であって、これらの傾向をもった「肥満予備軍」に少しでも身体運動増進の機会を設けることは良いことであると研究者は述べ る。
身体を動かすことに大きな動機付けをもたない人々に対しても、週三回程度ということであればやって見ようと感じる程度にハードルも下げられているわけであって、そういった意味では希望のもてる研究成果であるといえるだろう、と研究者はまとめた。
出典は『科学公共図書館報:ワン』。 (論文要旨:http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0065382 )
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そして何が面白いと感ずるかは、本人でもやってみないとわからないものです。興味あるなしにかかわらず、是非前向きにいろいろ試してみてください。ただしどんな種目も「徐々にだんだんと様子を見ながら」という安全対策は不可欠です。特に強強度の運動(6メッツ以上:ジョギングやテニス、登山など)を準備段階なしにいきなり行うのは、高齢者や有病者では御法度です。
そのように前置きをした上で、下記の興味深い記事を紹介します:40歳前後で健康だが不活発な肥満者に、トレッドミル(ルームランナー)で週3回、1回4分の最大運動強度の90%(結構きつい)の速歩からランニングを10週間おこなうったら、体力(最大酸素摂取能力)が1割向上し、血圧も下がったという内容です(無論、その前に10分のウオーミングアップと後では5分のクールダウンがあるので、実質は準備を含めてなんだかんだで毎回30分、週90分はつかうことになるでしょうが)。
このような研究成果を実際に役立てるには、このまままねをするというよりも、「普段無理なくやれている運動の途中で、意識して3割くらい強度(早さや上り坂を入れるなど)を上げると効果がアップする」という風に考えておくのが良いかと思います:「トレーニングの3原理(※)」の中の:「過負荷の原理」ですね。
いつも「無理のない」同じ強度のトレーニングをずっと続けていると、体はそれに順応してしまい、それ以上の体力アップは期待できなくなるということです。
例えば日頃のウオーキングが息を切らせる事なく、汗をかくことなく行えているようであれば、ウオーミングアップが終わったところで、大股で歩くとか坂道を登るなどして、胸がどきどき、息がハアハア、脚が疲れて、タオルで拭くほどの汗がでる、といった運動強度を少しずつ取り入れてゆくとよいでしょう。
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※トレーニングの3原理:
1.過負荷の原理
トレーニングの効果を得るためには、オーバーロードが必要。
つまり楽な負荷でやっても意味はなく、ある程度きつい負荷でないと効果は表れない。
2.特異性の原理
トレーニングはその種類によって鍛えられる機能が異なる。
持久走では筋力向上は期待できないし、スクワットは上半身のトレーニングにはならない。
目的に応じてトレーニングの種類を選ぶ必要がある。
3.可逆性の原理
トレーニング継続で効果が得られても、トレーニングを止めればもとに戻ってしまう。
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ちょっとだけ思いっきりの健康改善
2013.5.30 , EurekAlert より:
身体的な健全性を高めるためには長い時間の運動が必要だという思い込みが強いけれども、たった4分間の運動を週3回行うだけという、計12分間の短時間高強度運動によってフィットネスレベルが有意に改善したというノルウェー工科大学の研究者による報告。
定期的な身体活動は、身体的フィットネスの指標となる最大酸素摂取量を向上させる事ができるといわれており、実際その通りなのだが、一体どの程度やれば十分に効果的な作用がもたらされるのかという課題については、未だ明らかにされていない。
今 回、研究者らが報告しているのは、週当たり3回の短時間高強度運動によって、不活動状態にある男性でも、最大酸素摂取量の増加という効果を得るのに十分な 運動量を確保できるようだという事である。このような短時間の運動であるならば、日常生活に取り入れることも簡単であり、折を見て行いやすいという特徴が ある。
研究者らは、最大酸素摂取量と心血管系リスクファクターを、見たところは健康な過体重男性24人に対して検査し、10週間のトレーニングセッションをおこなって比較検討した。
第 一群には、以前から有効性が知られている、最大心拍数比90%の高強度運動を4分間、間に最大心拍数比70%の運動を3分間行って積極的休養を取りながら 4回行う、いわゆる、4×4パタンのトレーニング。第二群は4分間の最大心拍数比90%の運動を行うという本研究の対象となるトレーニングを行わせた。
結果、第一群では13%の最大酸素摂取量増加が、第二群では10%の最大酸素摂取量増加が見られたのだ。両群ともに血圧の減少が見られたが、とりわけ第二群での血圧降下作用はより大きかった。
本 研究は全く不活動状態にあった男性を対象にしたトレーニングであっただけに、そのトレーナビリティが大きかったことを考慮に入れる必要があると研究者は指 摘する。それ故、多くの健常成人に対して週三回程度の高強度運動で同様の効果が期待できるか否かはよく分からないが、現状ますます多くの人が不活動状態や 過体重になりつつあることは事実であって、これらの傾向をもった「肥満予備軍」に少しでも身体運動増進の機会を設けることは良いことであると研究者は述べ る。
身体を動かすことに大きな動機付けをもたない人々に対しても、週三回程度ということであればやって見ようと感じる程度にハードルも下げられているわけであって、そういった意味では希望のもてる研究成果であるといえるだろう、と研究者はまとめた。
出典は『科学公共図書館報:ワン』。 (論文要旨:http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0065382 )
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