フォトレジスト世界1位JSR、日本政府系ファンドにより国策会社化・・日本より韓国で大きな話題に

 

https://sincereleeblog.com/2023/06/30/ganbare-hinomaruhandoutai/

    2023年6月30日 2023年6月30日 尹政権の大冒険 シンシアリーのブログ, 韓国情報 0件

フォトレジスト世界1位のJSRが、産業革新投資機構(JIC)のTOBにより、国策企業となりました。半導体関連のサプライチェーン再編に関する措置です。私の気のせいかもしれませんが、本件、日本より韓国で大きく取り上げられています。本件について、ネットメディア「時事今日、時事ON」、朝鮮日報の記事から関連内容を紹介します。共通するのは、緊張感を持て、という内容です。特に朝鮮日報によると、「サプライチェーンそのものを揺らすこともできる企業を、日本政府が国有化した」、「半導体素材業界において、日本政府の影響力がさらに強くなるという意味だ」、とのことでして。以下、各紙、<<~>>が引用部分となります。

 

 

日、サプライチェーンを振ることができる企業国有化… 半導体覇権の狙い

https://v.daum.net/v/20230626030629098

パク・スンチャン記者入力 2023. 6. 26. 03:06 修正

 

[日半導体の再挑戦]政府の緻密な復興戦略

日本国部ファンドの産業革新投資機構(JIC)が買収に乗り出したJSRは、半導体生産に欠かせないフォトレジスト分野のグローバル1位企業だ。 フォトレジストは半導体ウエハに精密な回路を描く露光工程の素材で、一種の感光液である。<<・・特にJSRは、全世界で5ナノ(nm・1nm=10億分の1m)以下の先端半導体生産に使用される極紫外線(EUV)用フォトレジストを供給できる、数少ない企業だ。さらに、その競合他社も東京応化工業、住友化学、信越化学など、ほとんど日本企業だ。JSRを事実上国有化した日本政府がフォトレジストの輸出で何かの措置を行った場合、グローバル先端半導体サプライチェーンそのものが揺れる可能性もあるということだ。サムスン電子とTSMCも例外ではない。半導体業界の関係者は「JICのJSR買収は、グローバル半導体素材市場で日本政府の影響力がそれだけ強くなるという意味だ」と話す。・・>


フォトレジスト分野グローバル1位企業である日本JSRの「ファイン電子素材研究所」で研究陣がフォトレジストとハードマスク、機能性洗浄溶液など半導体素材関連研究を行っている。 /JSRホームページ

◇緻密な半導体復興戦略

半導体業界では、JICのJSR買収が日本政府の緻密な半導体復興戦略によるものと見ている。 1980~1990年代に世界半導体市場を制覇した日本は米国の牽制を受け、生産基盤が完全に崩れた。 車両用半導体企業ルネサスとNANDフラッシュメーカーキオキシアを除けば明確な半導体生産業者がない。 しかし、半導体素材・装備と後工程(パッケージング)では依然として世界最高の競争力を備えている。 <<・・国内の半導体企業関係者は、「韓国と台湾を中心に生産拠点が再編される中でも、日本の素材・装備業は30年間技術力を高め、着実にサプライチェーンで重要な位置を守ってきた」とし、「装備だけを置いてみると米国とオランダ、 素材の場合にはドイツも強国だが、すべてを備えた国家は日本だけだ」と述べた。

 

野村証券によると日本企業の半導体装備・素材グローバルシェアは塗布装置90%、シリコンウエハ60%、フォトレジスト70%に達する。・・>


グラフィック=キム・ヒョングク

実際、日本は最近半導体素材・装備を戦略物資にするという野心を隠さずにいる。 日本政府は来月23日から露光装備、洗浄・検査装備など23品目に対して輸出時に経済産業上の許可を必ず受けるようにした。 表面的には米国の大衆輸出制裁に参加する模様だが、グローバル半導体市場で確実な存在感を見せようとしているという解釈が出ている。 香港サウスチャイナモーニングポスト(SCMP)は「日本の輸出統制は汎用半導体の製造自体を難しくする破壊的な政策」とした。 半導体生産は3~4年ごとに半導体装備を変えて工程全体を再調整しなければならないが、日本が装備・素材輸出を阻止すれば海外企業はアップグレード自体が不可能になるということだ。 米国の大衆規制に言葉を惜しまなかった中国商務省が「日本の輸出統制は半導体サプライチェーンを不安にさせ、両国企業の利益を深刻に毀損させる措置」と猛非難するほどだった。

 

グラフィック=キム・ヒョングク

◇後工程能力も世界最高

日本政府は自国の後工程(パッケージング)競争力も攻撃的に活用している。 半導体後工程は、サムスン電子とTSMCなどがウエハに撮った半導体に外部端子を接続して包装(パッケージング)する作業だ。 最近、各種半導体を接続して性能を高める先端パッケージング技術が注目され、半導体メーカーの激戦地として急浮上しているが、日本がこの分野で世界最高だ。 日本経済産業省が2021年6月に樹立した「半導体戦略」の文件は「東京大学と東北大学、大阪大学などの優れた後工程研究能力をTSMCなどのグローバル半導体企業誘致に活用しなければならない」とし、これは日本政府 の補助金支給と相乗効果を出しながら現実化した。

TSMCは日本熊本に後工程研究所と工場を建設しており、サムスン電子も300億円(約2971億ウォン)を投資し、神奈川県横浜市に後工程試験ラインと研究施設を建設することにした。 チョン・ウソンフォステック産業経営工学科教授は「素材・装備、後工程など現在の競争力と地政学的利点を前面に出して韓国と台湾を代替する半導体拠点となった後、大企業連合体であるラピダースを前面に出して先端半導体直接生産に乗り出すという が日本のロードマップ」とし「供給網の核心を掌握しているため可能な戦略」とした。

ⓒ朝鮮日報&chosun.com

 
日、半導体覇権のジャンプ… 電気自動車・量子コンピュータで「ゲームチェンジャー」の拡大

https://www.sisaon.co.kr/news/articleView.html?idxno=151546

     編み機記者     承認 2023.06.28 17:59

日本、「半導体」復興のために2021年「国策事業」に選定
「後工程」と「次世代ロジック半導体」でゲームチェンジャーを期待

(時事今日、時事ON、時事オン=編み機記者)

 


日本が半導体産業を国策事業に指定し、国際競争力を高めるために多方面で努力を傾ける姿だ。 ⓒピクサーベイ

日本が自国半導体産業の国際競争力を高めるための基盤を次々と積み重ねている。 半導体国策事業公表をはじめ、海外の半導体企業誘致、技術開発協力など、荒れた歩みが目立つ。

特に来る2030年「電気自動車」と「量子コンピュータ」の実現を念頭に置いた「後工程」と「次世代ロジック半導体」に集中し、日本が再びアジア半導体覇権国に浮上するか帰宅が注目される。

28日、関連業界によると、日本は韓国のホワイトリスト復元を決定した。 輸出規制がなされてから4年ぶりのことだ。 去る3月にはユン・ソクヨル大統領が龍仁半導体クラスタに日本所部長(素材・部品・装備)企業を誘致すると発表するなど半導体産業を中心とした韓日関係改善がなされている。

これは日半導体産業の再復興のための動きの一つだ。 すでに2022年6月には世界1位のファウンドリ企業である台湾のTSMCの研究センターを九州に誘致している。 2番目の工場は熊本県に設立予定だ。 続いて7月には米国と日本の外交・経済省協議で半導体先端生産技術を共同研究開発することにした。

同年8月には先端半導体開発のための△トヨタ自動車△デンソー△ソニー△NTT△NEC△ソフトバンク△キオクシア△UFJ銀行8社が合弁し、「ラピダース」という新会社まで設立するなど半導体技術 開発と協力にスピードアップしている。

日本の積極的な歩みの後に半導体素材産業の国際競争力を完全に失う可能性があるという「危機感」が位置する。

ロイター通信報道によると、日産業革新投資公社(JIC)の子会社JICキャピタル(JICC)は昨年11月、半導体大企業JSR買収のため経営陣と出会いを持っている。

池内翔後JICC社長は「このような状況が続くと半導体素材産業の国際競争力を失うという危機感と、産業改編が必要だという感じが強く伝えられた」とし「これに産業競争力向上と産業改編に対する認識を共有したJICC がJSRの買収を決めた」と当時の出会いを回想した。

 

<・・(※JSRの件で)半導体大企業まで買収して国有化に乗り出した日本は、来る2030年「電気自動車」と「量子コンピュータ」の実装に不可欠な光電融合技術の開発と後工程の投資・支援を強化しつつある。

次世代ロジック半導体開発において、後工程を欠かせない。先端技術の尺度を決めていた前工程が技術的限界にぶつかり、先端パッケージングによる後工程が注目されているからだ。二次電池と太陽電池を融合した光電融合技術も電気自動車・自律走行車の重要要素の一つとして脚光を浴びている。

荻野洋平・経済産業省通常情報政策局デバイス・半導体戦略実装は、5月31日から6月2日まで日本東京で開催された「電子機器トータルソリューション展」で、「TSMCの工場建設やラピダスなど前工程についての話が主に盛り上がっているが、政府が支援するプロジェクト数は後工程の方が多く、支援時期も早かった」と説明した。

荻野室長は「半導体業界でどの国が主導権を握るかというのは、重要な問題だ。 日本が強みを持っている「光電融合技術」と「光チップセット」が今後の半導体産業ゲームチェンジャーになると期待する」と伝えた。・・>

一方、日本は2021年6月、日本経済産業省が国家レベルの半導体戦略を樹立し、「半導体産業国策化」を公表した。
過去半導体市場で日本が50%のシェアを誇った「過去の栄光」再現のための最後の機会という言葉に内部団結の動きが激しい。 これに国内では低迷の沼に陥った韓国半導体市場が危機感を持たなければならないという声にますます力が載っている。

 

(時事今日時事ON)
 

個人的に、記事内容で、「前工程の話が話題になっているが、実は政府が支援するプロジェクト数は後工程の方が多く、支援時期も早かった」というのが印象的でした。確かに、前工程ばかり話題になっていますので。他にも、KBSからハンギョレ新聞まで、同じ趣旨の記事を出しています。朝鮮日報とハンギョレの記事内容がここまで似ているのは、前例が無いかもしれません(笑)。一部のメディアは、日本が半導体素材を戦略物質化するつもりだ・・と報じていますが、それはそうでしょう。経済安保という言葉を知らないのでしょうか。戦略物質化するのはあたりまえの流れでしょう。

 

 

日本、半導体の国際競争力を強化しようとする動き

     トレンド日本名古屋貿易館ミンヒョンジョン2023-06-29出典:KOTRA

        日本産業革新投資機構、JSR買収
     JSR、半導体需要素材であるフォトレジスト生産

     政府系ファンドである産業革新投資機構(JIC)が半導体核心材料企業であるJSRを約1兆円に買収する。 JSRは半導体の主要素材であるフォトレジストを生産する企業で、世界シェアの約30%を占めている。    

     <フォトレジストの世界比重>

     【資料:グローバルマーケットモニター、日経】    

     <JICとJSR>


     【資料:日経】    

     半導体回路形成に必須のフォトレジストは、シリコンウェハにパターンを引火する際に塗布する感光性液状樹脂である。 JSRはフォトレジスト(感光材)素材の世界市場シェア1位の企業で、同素材で約30%の市場シェアを持っている。 高性能フォトレジスト分野ではさらに高い比重を占めている。 同企業は「21年、フォトレジストの開発および製造を担当する米国企業を約450億円に買収した一方、合成ゴム事業はENEOSに売却するなど事業交替時期を経てきた。    

     JSRは東京証券プライム市場に上場しており、株式時価総額は6月23日基準で約6700億円だ。 買収額は総約1兆円に達するのは、JSRの潜在力と上場性を高く評価するためだ。 JICは海外を含む競争当局の審査を経て株式公開買収(TOB)を実施すると発表した。 買取価格は週4350円で、12月下旬を目指してTOBを開始する。 手続きが順調に進めば、JSRは2024年中に上場廃止される見通しだ。

     今回の買収は入札を経ずJICがJSRと相対交渉する異例の買収だ。 経済安全保障レベルでも海外プライベートエクイティファンドよりも国内ファンドによる買収提案を優先したというのが関係者の説明だ。 半導体の国際競争力を強化したい政府も政府系ファンドであるJICの買収を支持したものと見られる。 JICはJSRを買収するために新会社に4000億円ほどを出資する予定だ。   

     今回の買収でJSRは競争が激しくなっている半導体素材市場で安定的なM&A機会確保及び技術開発が可能になると見られる。 また、日本全体としては、半導体コア素材関連サプライチェーンを国家が安定的に管理する効果ももたらすことができる。    

     フォトレジストとは?    

     フォトレジストとは、光によって化学的特性が変化する素材です。 このような形質変化を利用して微細な回路パターンを作る工程(フォトリソグラフィ)に用いられるため、半導体製造に不可欠な素材の一つである。    

     <フォトレジスト関連情報>

     HSコード      内容     37.07   

     写真用化学調製品[ワニス(varnish)·グル(glue)·接着剤とこれと類似の調製品は除く]、写真用単一物品(一定少量に分けたりそのまま使用できる形の小売用に限定する)

 

     3707.90 – その他    

 


     SO 3707.90は、フォトリソグラフィ技術で半導体材料を製造するために使用される感光性プラスチック樹脂溶液(フォトレジスト)を含む。 これは、ポリマー、感光剤、非水溶性溶媒、およびいくつかの異なる化学物質で構成されています。 フォトレジストは、金属酸化物が塗布されたシリコンウェハに使用され、このシリコンウェハは半導体材料完成品に変換される。

     [資料:関税法令情報ポータル]    

     日本のフォトレジスト輸出動向を見ると、世界的には「19年~」20年には減少したが、「20~」22年にわたって輸出額が増加した。 韓国への輸出額も「19年から」22年まで増加し続けた。

 

  

     <日本のフォトレジスト(3707.90-000)全世界輸出規模>

     (単位:(重量)トン、(輸出額)千円)

     年     アイテム     世界中     韓国    

2019年    重量     63,040     2,403    

輸出額     315,609,954     37,483,613

2020年     重量     52,349     3,004
輸出額     307,859,888     46,958,950
2021年     重量     57,297     3,755
輸出額      368,018,439     56,824,832

2022年     重量     56,699     3,413
輸出額       418,478,336     58,102,519
2023年1~5月     重量     15,887        918
輸出額        115,988,647       16,134,554

 

     [資料:日本財務省貿易統計]    

     韓国の場合、HS CODE 3707.90品目の日本依存度が高い方だ。 「21年までは総輸入額と日本の輸入額ともに増加したが、22年になり、どちらも減少傾向になった。 依存度は「19年には85%を超える数値を見せたが、徐々に減少傾向を見せている。   

 


     <我が国の3707.90品目収入比重>
     (単位: US$千, %) 
     2019年        2020年     2021年        2022年     2023年1~5月
総輸入額     428,515     519,049     605,281     547,147     187,330
対日本輸入額     365,338     436,950     480,610     420,007     144,052
比重     85.3     84.2     79.4     76.8     76.9

     [資料:韓国貿易協会K-stat]    

     日本政府の半導体素材サプライチェーン強化努力    

     日本政府は半導体を核心戦略物資として定め、国内で先端製品の大量生産に巨額を支援し始めた。 国際競争力の強い素材分野で成長と投資を継続できる環境を整備し、素材から製品に至る半導体サプライチェーンを強化する予定だ。 5月23日には、日本経済産業省で半導体製造設備など23品目を輸出管理規制対象に追加するという内容の外国為替法改正案を発表するなど、半導体関連品目に対する管理も強化している。   

     政府は6月16日、内閣決定した「新しい資本主義」実行計画改正版でも「先端・産業用半導体、製造装置、部品素材、原料製造基盤の拡大および人材育成を推進する」と明記した。 サプライチェーンの安定性を高めるために重要技術を育成することを重点的に支援する考えを示していた。    

     経済産業省は国内半導体製造拠点整備に2年間2兆円ほどの予算を投入する。 世界最大の半導体受託製造会社である台湾TSMCおよびソニーグループが熊本県に先端半導体工場を新設する計画だと明らかにした。 次世代半導体製造を目指すラピダスも北海道に工場試験製作ラインを建設し、20年代後半からは大量生産を目指す。    

     産業革新投資機構(JIC)とは?    

     産業革新投資機構(JIC)は「18年産業革新機構(INCJ)を改編する形で発足した民官ファンドだ。 民間だけでは大きすぎる投資リスクを官民が共に分担する形で、主な投資目的は新産業を育成することだ。 INCJ時代から経済産業省が所管している。    

     JICの出資金の大半は、政府が財政投融者特別会計(財政投融資特別会計)を通じて出している。 計3700億円が少しにならない数値だ。 企業も一部出資している。 日本政策投資銀行が15億円、トヨタ自動車・ソニーグループ・日立製作所・パナソニックホールディングス・三菱重工業・三菱UFJ銀行・三井住友銀行など24社が5億円ずつ出した。    

     全身であるINCJは「2009年産業と組織の壁を越えて日本を責任を負う次世代産業創出などを目的に政府が設立した。 経済産業省によると、INCJの「21年3月末時点の総支援決定件数は409件、支援決定額は合計1兆3463億円だった。 件数では90%以上を「ベンチャー」が占めるが、金額基準では「事業再編」支援に60%が少しならない数値で最も大きな割合を占めた。

     支援の場合、経営不振に陥った企業を救済するように資金を投入した事例が目立つ。 半導体大企業ルネサスエレクトロニクスと液晶大企業ジャパンディスプレイ(JDI)、有機ELディスプレイパネルを製造するJOLED(ジェイオレッド)などだ。 INCJはルネサスが経営難に陥った2013年1383億円を出資し、同社の持分を69%取得した。 現在、ルネサスは実績が増加しており、INCJは段階的にルネサスの株式を売却して資金を回収している。

     しかし「12年4月、日立製作所、東芝、ソニーの液晶パネル部門を統合し、INCJから2000億円の出資を受けて発足したJDIは、中国と韓国の攻勢により経営状況が良くない。 JDIの「23年3月期連結最終損益は258億円赤字で、第9四半期連続赤字だった。 INCJが支援を続けてきたが、具体的な出口戦略はまだ見えていない。 JOLEDに対する支援も不振な結果を生んだ。 2015年、INCJが主導し、JDI、ソニー、パナソニックの有機ELディスプレイパネル製造事業を統合して設立した所であるJOLEDは、「23年3月に東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請した。    

     このように投資案件の失敗が相次ぐと組織を改編してできたところがJICでINCJの出資案件も受け継がれた。 大きく異なる点は投資方針だ。 現在社長の元水戸証券社長横尾慶介氏は、「19年に「市場から退出すべき企業の命延長にお金を出すことは一切ない」と明確に言及した。 JICは昨年、国際競争力強化を目的に大規模事業再編に投資するファンドの投資規模を2000億円から9000億円に増加させた。    

     JSRはなぜJICの傘下に入ることにしたのか    

     JSRは合成ゴムの国産化を目指した官製会社から始まった。 1957年タイヤ用合成ゴム国策会社「日本合成ゴム」という名で誕生、発足初期には政府が持分40%を所有していた。 今回の買収で約55年ぶりに国策会社に回帰する。 JSRがオイルショックの影響で石油化学合成ゴムが打撃を受けるとフォトレジスト開発に着手、成功し、現在フォトレジスト世界シェア1位企業となった。    

     JIS買収を受け入れるという判断の背景には、半導体競争環境の激変があった。 米中紛争が激化し、世界の主要国は半導体を戦略物資に指定し、開発及び生産拠点の誘致に乗り出すなど、最先端の半導体技術包囲競争が激しくなった。 半導体メーカーの供給網が各地に分散し、素材メーカーへの投資も増えた。 日本の半導体素材産業は世界市場シェアは高いが、プレイヤーが多い状況だ。 さらに、材料メーカーが今後直面することの一つは、微細化への対応だ。 難易度が高い分野であるだけでなく、微細化を実現するためには研究開発資金も必要な状況だ。 フォトレジストは半導体製造に不可欠なだけでなく、微細化技術革新でも重要な分野だ。 フォトレジストは日本シェアが世界で90%に近い。 政府はこの分野の競争力を維持するためにも、JSRの非上場化を通じて集中的な投資と事業再編ができるように裏付ける計画だ。    

     また、JIC傘下に入ると中長期的な観点から改革が可能となる。 JICによるJSRの買収は政府が目標とする半導体産業の強化方針とも一致する。 豊富な資金力をもとに半導体素材分野のM&Aも実行に移すことができ、現在問題点として指摘されている「技術力は世界有数だが、規模が小さい」という問題も解決できる。 実際、JSRの幹部は「現会社規模では生き残れない」と述べた。 顧客である半導体業界の規模が大きくなり、相対的に交渉力が弱まっているからだ。    

 


     <>     (単位:兆円)
     年番     企業名       売上高
     1     SK(韓国)     14.6
     2     住友化学     2.8
     3     富士フィルムホールディングス     2.8
     4     信越化学工業     2.8
     5     DUPONT(アメリカ)     1.7
     6     ドッパン印刷     1.6
     7     ダイニホン印刷     1.3
     8     RESONAC     1.3
     9     HOYA     0.7
     10     SUMCO     0.4
     11     JSR     0.4

     注:注:半導体国際業界団体SEMIがまとめた半導体主要材料「シリコンウェーハ」、「フォトレジスト」など4品目の世界比重上位企業のうち、近年の売上高が大きい企業整理

     【資料:日経】    

     また、限られた資金を株主還元ではなく成長投資に集中しようとする意図もあるものと見られる。 外国人保有率が54%(23年3月末基準)で、20年3月末時点より12%ポイント増加し、経営効率化のための外圧が強くなっていた。 JSRは米国投資ファンドバリューアクトキャピタルから社外取締役も受けていた状況だった。    

     示唆    

     コロナ19、米中紛争などで半導体など核心技術物品に対するサプライチェーン強化のための動きが世界各国で起きており、日本も例外ではない。 日本は「22年5月、経済安全保障推進法を設立し、半導体など戦略重要物資の供給網を強化するという動きを見せ、半導体及び周辺産業に対する設備投資支援などを通じて日本内の半導体供給網強化のために努めてきた。 「23年にも引き続き強化する動きで、関連産業に対する民官協力及び投資を積極的に推進している。 関係者とのインタビューによると、サプライチェーン関連産業に対する保護政策及び投資が行われているが、特に半導体と先端産業分野市場を成長させようとする動きを見せているという。    

     今回上場を廃止するJSRは、韓国でも依存度の高い主要素材の一つであるフォトレジストを生産する主要企業の一つだ。 JSRをJICが買収するということは、日本の半導体産業関連サプライチェーンに対する強化がなされるとも見られる。 また、一方ではフォトレジストに対する保護が強化されるものと解釈されることもある。    

     韓国と日本は、両国のサプライチェーンリスク対比および強化策が共通して半導体および先端技術分野に集中している。 今後、日本素材部品企業の動向と政府の政策を確認し、関連分野での対応策を設けることが重要であると見られる。

     材質:日経、NHK、JSRホームページ、JICホームページ、KOTRA

 

 

 

 

KOTRA(貿易振興公社)によると、今回のJSRの件は「入札を経ずに、JICがJSRと相対交渉する異例の買収だ。経済安全保障のためにも、海外ファンドよりも国内ファンドによる買収提案を優先した」、とのことです。半導体の国際競争力を強化したい日本政府も、政府系ファンドであるJICの買収を支持した、とも。

 

 

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