「前の談話を継承」の意味はどういうものなのか・・「継承しない」と言ったことは一度も無いが
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    2023年3月5日 尹政権の大冒険 シンシアリーのブログ, 韓国情報 0件

「ついに、最終案が発表される」と、多くの記事が出ています。中には、パッケージ解決、いわばグランドセールについて日本側も考えているとか、そんな記事まで出ています。ただ、韓国側の複数の大手メディアが「共通して」出している内容は、そう多くありません。以下、それら共通している話を三つにまとめて、私見を書いてみたいと思います。まず1つ目ですが、「来週に『最終案』が、政府から発表される」ということ。中央日報の場合は「早ければ6日(明日)」としていますが、KBSなどは「早ければ来週」としています。

 


韓国政府、強制徴用「開門発車」解決策 早ければ6日発表

https://japanese.joins.com/JArticle/301638

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2023.03.04 09:18
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韓国政府が来週初め、強制徴用解決法を公式発表する計画だ。早ければ6日に発表することを検討している。解決策には、日帝強制徴用被害者が訴訟を起こした日本企業(三菱重工業・日本製鉄)の参加はなく、ポスコなど1965年の韓日請求権協定で恩恵を受けた企業の出捐金を集め、2018年の大法院(最高裁)確定判決で勝訴した強制徴用被害者15人に賠償金を支払う内容が入る予定だ。日本との関係改善のためには徴用問題を急いで終えるべきという尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の強い意志が反映された結果だ。

大統領室は強制徴用解決策の発表後、早ければ今月中旬に尹大統領が日本を訪問し、韓日首脳会談を開く案を推進している。両国の最大懸案である強制徴用問題を解決し、シャトル外交も復元し、今年上半期中に韓日関係の正常化に終止符を打つという計画だ。政府筋は「今まで両国が合意に至った内容をまず発表し、これを迅速に履行し、日本側の被告企業の自発的寄付参加などまだ解消されていない争点は引き続き協議を続ける計画」と述べた。

政府が発表する強制徴用解決策は「開門発車(扉が開いた状態で車が出発)」という言葉に要約できる。まず韓国側が単独で財源を用意し、第三者弁済を進めた後、解決策発表後にいつでも日本側被告企業が参加できるようにする方式だ。もう一つの争点である謝罪問題の場合、韓国政府の発表に合わせて、日本側が1998年の金大中(キム・デジュン)-小渕宣言を継承するという立場を明らかにする方式で合意した。

交渉の過程に詳しい関係者は「日本被告企業の参加が担保されていない解決策を『半分の解決策』『交渉失敗』と見る視線があるだろうが、むしろ韓国が先に解決策を発表することで被告企業が寄付に参加できる環境を主導的につくるという意味もある」と話した。

尹錫悦政権は昨年の大統領職業務引継ぎ委員会当時から韓日関係改善の意志を表し、先決条件として強制徴用問題の解決を強調してきた。昨年7月に強制徴用問題に関連して各界の意見をまとめるために官民協議会を発足させたのに続き、1月には公開討論会を開き、先月28日には確定判決被害者の遺族と集団面談をした。その過程で韓日局長級協議など実務ラインでも意見交換を続けた。2月には両国の外交長官と次官が相次いで対面会談をし、争点の解消を図った。

問題は政府が韓日関係改善という目標に没頭し、交渉の主導権を日本側に奪われた点だ。政府は交渉初期から2018年の大法院判決をう回し、日本企業が支払うべき賠償金を第三者が弁済する案を事実上公式化した。その後は韓日請求権協定の恩恵を受けたポスコが2012年に約束した寄付金100億ウォン(約10億円)のうち残余金40億ウォンを財源カードとして取り出した。謝罪問題も朴振(パク・ジン)外交長官が先月15日に国会に出席し、「(日本政府が)金大中-小渕宣言を包括的に継承する場合、その内容を受け入れる形で考えることができる」と述べるなど、敷居を自ら低めた。

外交筋は「政府の強い韓日関係改善の意志が交渉局面では問題解決に対する焦りにつながり、日本の呼応を得るよりも韓国が多くの負担を抱え込む形で議論が進展した」と話した。続いて「半面、日本側は韓国が被告企業の『自発的参加』を要求すること自体が自発性という大原則を崩すものであり、大法院の判決を履行すべきというメッセージだとし、拒否感を表した」と伝えた。

実際、政府が「開門発車」方式の解決策を実行に移す場合、早期賠償を希望する一部の徴用被害者の要求事項は解決される。しかし梁錦徳(ヤン・クムドク)さんら日本被告企業の賠償参加を必須条件とする被害者の立場では「半分の解決策」となるしかない。

交渉過程が韓国側に不利に展開し、この1、2カ月間は政府と大統領室の内部でも懸念の声が高まっている。岸田文雄首相が3月の予算審議と4月の地方選挙を終えて政治的な負担を減らした状況で交渉を再開しようという提言も相次いだ。特に最近は韓日関係を担当する高官級が尹大統領に「速度調節論」を強調する手紙を直接送ったりもした。しかし尹大統領が改めて韓日関係改善の意志を強調し、高官級と大統領室参謀の声は水面下に沈んだという。

一部では尹大統領の解決策発表の意志を3-5月予定で進めている首脳外交日程と結びつける分析もある。尹大統領が今月中の訪日と来月の訪米、5月の主要7カ国(G7)首脳会議出席など外交成果を最大化するため、強制徴用問題をいかなる形であれ解決しようとしているということだ。

 


前にも討論会で最終案が発表されるという話がありましたが、実際は大まかな案が発表されただけなので(直前に外交部から『最終案を発表する場ではない』と話しました)、今回は本当に最終案なのかどうか、それまでは分かりません。ただ、『両方が合意し、一緒に発表する』形ではなく、片方が発表する形を取っただけでも、尹政権としては『形』があまりよくない、とも言えるでしょう。『合意』というのは、何かのギブアンドテイクがあったという意味になります。だから、いままでは、つい2~3ヶ月前までも、「首脳会談で合意案を発表する」のがあたりまえのようになっていました。いままで「誠意のある呼応を」と話してきたのも、そのためでしょう。しかし、結果的に、本当に片方だけの発表になるなら、ここは尹政権としては微妙です。

2つ目は、該当日本企業の参加を前提にしない(参加するならいいけど、前提としない)という点です。韓国企業など「民間」部門の出捐でなんとかする、と。国内でもっとも問題として指摘されているのが、この部分です。特にKBSの場合は、「大きな反発が予想される」としています。以下、いつも読みづらくて申し訳ございませんが、以下「◯」は「イ」です。日本からすると条約としての側面がもっとも重要とされる本件ですが、韓国としては、やはりシャザ◯とバ◯ショウです。ここでいうバ◯ショウの部分となります。日本側としては、最高裁判決が残るわけだから問題ですが、韓国側としては、「なんでそれを私たちが払うのか」ということで、問題になっています。

つい数日前、東亜日報に「いままで尹政権が日本側に提示した案には、該当日本企業の参加が最低限の前提になっていた」という記事が載りました。ほぼ同じタイミングで、朝鮮日報には「日本側は、その案には乗らないと言いきった」という記事も載っていました。2つの記事を合わせて考えてみると、両方にとって問題にしかならない案でも、尹政権としては、もうこれ以外は出来ることがなかった、といったところでしょうか。

 


韓日政府、元徴用工問題で昨年末「日本企業の基金参加」に共感
https://www.donga.com/jp/Search/article/all/20230114/3893134/1
Posted January. 14, 2023 08:31,   Updated January. 14, 2023 08:31

韓国と日本の政府が昨年末、元徴用工訴訟問題で賠償を肩代わりするための基金の設立に日本企業が参加する方向で共感を形成したことが分かった。政府が12日、行政安全部傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」を通じて賠償を肩代わりするという考えを公式化したのも、日本企業が寄付金の形式で賠償の支給に参加できるという判断によるものとみられる。政府はまず、1965年の韓日請求権協定の恩恵を受けた韓国企業の寄付金で基金を設立し、日本企業の参加方式などをめぐって日本政府と交渉を続けるものとみられる。

政府筋は13日、東亜(トンア)日報の電話取材に対して、韓日両国政府がこのような方向で共感したとし、「被害者の要求を少しでも満足させるには、日本企業の参加がなければならないのではないか。日本企業が参加するとみられる」と話した。ただ、同消息筋は、この共感は政府間の最終合意ではないため、日本内の政治的状況など変数によって変わる可能性もあると述べた。日本政府は、韓国政府が解決策を公表した後、元徴用工の反発など韓国内の世論の動向を注視しているという。

韓国政府は、ひとまず元徴用工に対する賠償責任がある三菱重工業や日本製鉄などの企業が賠償のための基金設立に参加することを優先順位に置いている。これらの企業が寄付金形式であっても参加してこそ、誠意ある謝罪の意味を生かし、被害者を説得できるという理由からだ。ただ政府は、これらの企業が参加しなくても、両国の友好増進に共感する日本の大企業など他の企業が基金助成に参加するのが望ましいとする立場だという。どのような日本企業がどのような方式で基金の設立に参加するかは、韓日政府間の協議過程で最終的に決定されるものとみられる。

日本企業が基金の設立にどれだけ貢献するかも重要だ。政府は、できる限り大きく貢献することを望むが、まだその金額などをめぐって韓日間の協議が必要な状況だ。賠償責任がある企業が参加しなかったり、賠償レベルが元徴用工側の期待に及ばなかったりする場合、元徴用工側が受け入れを拒否する可能性がある。

朴振(パク・ジン)外交部長官と林芳正外相は、政府が解決策を公表した翌日の13日、電話で会談し、元徴用工訴訟問題の解決策について話し合った。日本の共同通信は、「日本企業の賠償支払いを韓国財団が肩代わりする解決案に関し、朴氏から説明を受けたもようだ」と報じた。韓日議員連盟会長の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)与党「国民の力」非常対策委員長は同日、日本を訪れ、「元徴用工訴訟問題をはじめ、日本の輸出管理の強化、条件付延長状態にある韓日秘密軍事情報保護協定(GSOMIA)なども少しずつ解決するだろう」と話した。

シン・ジンウ記者 コ・ドイェ記者 niceshin@donga.com · yea@donga.com
 
 
【3月3日付社説】韓国政府は大きな負担を甘受しつつ大局的な姿勢を表明、次は日本政府が応える番だ
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/03/03/2023030380051.html
3/3(金) 16:36配信 朝鮮日報日本語版

 徴用賠償問題について日本の被告企業はいかなる形であれ補償に関与しないとの方針を日本政府が定めたという。従来の立場を改めて確認したものだ。日本は個人への賠償を含む徴用問題は1965年の韓日請求権協定で解決したとの立場だ。当時韓国が国としてはもちろん、国民の請求権まで「最終解決した」との協定に同意したのは事実だ。その見返りとして日本から経済発展に必要な資金を受け取り、その資金でポスコなどを設立した。

 そのため日本は韓国の裁判所による賠償判決をこの協定に違反したものと考え、韓国政府からの補償要求を二重請求と見なすことも考えられる。日本は文在寅(ムン・ジェイン)前政権による韓日慰安婦合意破棄を経験したこともあり、今後韓国で政権が変わればまた新たな要求が出てくると疑っている。

 しかし今の両国関係は双方のいずれにとっても政治的な決断が求められる時期に来ている。韓国は金がなくて日本の被告企業による補償参加を求めているわけではない。この事実を日本政府も理解している。韓国政府は賠償の義務を負う日本の被告企業に代わり韓国が判決金を弁済する方策を正式に発表した。高齢となった被害者をこれ以上待たせるわけにはいかない上に、韓日関係正常化という外交的な理由もある。北朝鮮の核問題、中国の覇権主義、半導体やエネルギー問題など経済安全保障において韓日両国は利害が一致している。これ以上関係正常化を先送りすることはできない。

 韓国政府による代理弁済に対し韓国国内では反対世論が根強い。加害者である日本の責任をなぜ韓国が代わって負うのかという疑問が出るのは自然なことだ。韓国政府による政治的な負担がそれだけ大きいということだ。このような状況で日本の謝罪と共に被告企業による補償参加は韓国国内の反対世論を克服し、韓日関係を未来につなげることに大きなプラスになるだろう。日本政府が自国の民間企業による自発的な補償参加にまで方針を決めるのは生き過ぎだ。日本政府が補償への参加を企業独自の判断に任せると表明するだけで韓日関係は進展するだろう。

 尹大統領は1日、日本に対し「普遍的価値を共有し協力するパートナー」と述べた。韓国の大統領が三・一節演説で日本を加害者として批判せず、反省も謝罪も求めず協力を訴えるのは韓国では簡単なことではない。いわば大局的な姿勢を表明したものだ。次は日本政府がこれに応える番だ。このチャンスを逃してはならない。

 


3つ目は、シャザ◯関連です。ここは、共通して「尹政権が最終案を発表すると、岸田総理が、新しい談話ではなく、前の政権の談話を『継承する』と話す」となっています。読売新聞にも似たような内容の記事があり、佐藤正久議員がこの記事を引用ツイートし、「以前の談話は、総理が読み上げることはしない、継承だけ」「韓国側は、いかに日本側がやった感を出したかの演出に苦労するだろう」という趣旨を話したことがあります。その通りなら、読み上げたりするのではなく、単に継承していると話すだけ、のようです。

 

 

 日本の対韓輸出厳格化「解除」と韓国のWTO提訴取り下げ、「あわせて実現」を検討

https://www.yomiuri.co.jp/politics/20230304-OYT1T50306/

2023/03/05 09:09

 日本政府は、韓国向け半導体材料などの輸出管理の厳格化措置について、韓国政府が対抗して行った世界貿易機関(WTO)への提訴を取り下げれば、解除する方向で調整に入った。元徴用工訴訟問題の決着を見据えた対応で、日韓両政府は解除と提訴取り下げをあわせて実現させることを検討している。

 複数の日本政府関係者が明らかにした。日本政府は2019年7月、韓国に対し、半導体関連の3品目の輸出管理を厳格化した。同8月には、輸出手続きで優遇する「ホワイト国」からも韓国を除外した。当時は「安全保障上の対応」と説明していたが、元徴用工問題を巡る韓国側への「報復措置」との見方が出ていた。

 日本政府は、元徴用工問題で受け入れ可能な解決策を韓国が発表すれば、解除に向けた環境が整うとみている。一方、19年9月の韓国による提訴以降、WTOでの係争は続いており、日本は解除前の提訴取り下げを求めている。韓国側は解除と取り下げがほぼ同時であれば、受け入れ可能だとの考えに傾いているという。

 


本当にそれだけなら、日本側としては何も変わりません。これは、「『既存の談話』の内容についての評価とは別」ですので、間違っても私がその談話のシャザ◯関連内容に賛成しているとは思わないでください。いままで各政権が「前政権の談話は継承しない」としたことなど、一度もありません。安倍政権以降、一部の談話の内容に問題があったと指摘されるようになってからも、さすがに継承しないという話が出たことはありません。そして、その談話を出した時点でも、各政権は「案件そのものは、すでに解決済みである」というスタンスでした。だから、日本側としてはこれといって変わることはないのでは、と思われます。

これ以外なら、『最終案を発表すると、次は首脳会談になる(G7招待などで)』というところです。いろいろ記事が出ていて、詳しく両国の間にどんな話し合いがあったのかは分かりません。ただ、「いまのままで、何か困ることでもあるのか」としか思っていない私としては、本エントリーに書いた三つの点も含めて、これといって賛成出来る部分はありません。なぜなら、なにをどうやっても、それは解決ではありません。すでに解決済みの件を掘り返すだけであり、どうせまた同じ流れが繰り返されるでしょうか。どんな展開になるか、来週以降になればわかるでしょうけど、記者からの質問に答える形でもいいので、岸田総理には「すでに解決済みの件である」と、ハッキリ言ってほしいところであります。