セルフ経済制裁?韓国が日本人向け入国ビザ免除停止へ

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SelfEconomicSanctionEntryVisaExemptionForJapane

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セルフ経済制裁?韓国が日本人向け入国ビザ免除停止へ

 

日本に対するビザ免除9日から停止 韓国が対抗措置(20/03/06)

 

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日本政府がコロナウィルスや武漢肺炎で中国韓国両国からの入国に制限をかけるのですが、予想どおり、韓国がその「対抗措置」に出ました。

ただ、韓国政府側はこれを単なる「対抗措置」と位置付けているようです

が、下手をするとこれがそのまま韓国に対する「セルフ経済制裁」(日本から韓国に対するヒトの流れの制限)になりかねない状況です。

 

入国管理の現状

入国ビザ免除措置の条件、対象

 

現在、中国人に対しては沖縄県訪問などを条件に数次ビザが出されており、また、韓国人に対しては2005年の愛知万博開催を契機に導入した観光ビザ免除措置を2006年3月に恒久措置化しています。

 

このうちとくに興味深いのは、韓国人に対する観光ビザ免除制度です。

 

現在、韓国人に対しては、条件を満たせば、無条件に日本に入国することができます。

 

訪問目的が商用、会議、観光、親族・知人訪問等であること

在留期間が90日以内であること

 

ちなみに、日本政府観光局(JNTO)のデータによれば、2003年を通じた韓国人入国者数は146万人に過ぎませんでしたが、これが2006年には200万人の大台を突破。

 

リーマン・ショック翌年の2009年や東日本大震災の2011年にはそれぞれ200万人台を割り込みましたが、2012年に200万人を再び突破し、2015年には400万人、2018年には754万へと、一気に増えた背景には、この観光ビザ免除措置があったことは間違いないでしょう。

 

2003年…146万人

2006年…212万人

2009年…159万人

2011年…166万人

2012年…204万人

2015年…400万人

2018年…754万人

2019年…558万人

 

外務省のウェブサイトを見たところ、上記以外に特段の入国条件はありませんので、たとえば極端な話、韓国人が高速船などで日本にやってきて、「観光目的です」と申告すれば、無制限に日本に入国できます。

極端な話、こっそりとアルバイトをすることだって可能です(※当たり前ですが、違法です)。

 

そして、90日の滞在可能期限が切れる直前に高速船で日本を出国し、数日だけおいて再び日本に入国すれば、再び日本でアルバイトする、ということもできてしまうのです(※どの業態でそのような不法就労が行われているかについては、あえて申し上げませんが…)。

 

もちろん、このようにして入国して来た韓国人のうち、圧倒的多数は善良な観光客・ビジネスマンであると信じたいと思いますが…。

 

日本政府のビザ免除措置の影響

 

つまり、2005年以来、韓国国民は観光・商用などの目的であれば、滞在期間が90日以内という条件はあれど、基本的には無制限に入国できるようになったのですが、逆に言えば、2005年以前だと、たとえ観光目的であっても、韓国人は日本に入国したければ、いちいちビザを取得する必要があったのです。

 

これは、大変に面倒臭い手続です。

いちいち、大使館や領事館などに赴いて、パスポートを提出し、面接を受けて入国許可を得ないといけないわけですから、日本に入国できる韓国人は、そのような面倒臭い手続にきちんと耐えられる人に限られていたのです。

 

ということは、この2006年3月以降恒久措置化された「観光ビザ免除制度」は、韓国人にとっては一種の既得権益のようなものだったといえるでしょう。

 

こうしたなか、日本政府は3月5日、次のような措置を打ち出しました。

 

感染が拡大している韓国の慶尚北道の一部地域及びイランのコム州等における滞在歴がある外国人については、入管法に基づき、新たに入国拒否の対象とする(3月7日~)

 

中国韓国からの入国者に対する検疫を強化し、検疫所長が指定する場所で2週間待機し、国内において公共交通機関を使用しないことを要請する(3月9日~31日)

 

中国韓国からの入国者総数を抑制するため、両国に関して航空機の到着空港を成田、関空に限定し、船舶での旅客運送を停止し、発行済みの一次・数次ビザの効力を停止する(3月9日~31日)

 

この安倍総理の発表を巡って、いくつかのメディアは、「ビザの効力の停止には、この中国国民に対する数次ビザ、韓国国民に対する観光ビザ免除措置が含まれる」と報じています。

(ただし、これについては外務省などの政府機関ウェブサイトに公式発表を見つけることはできませんでしたが…)

 

つまり、中国人が数次ビザを携えて日本にやってきた場合や、韓国人がビザなしで日本にやって来た場合でも、いままでであれば日本への入国許可が出ていたのですが、3月9日から31日の期間、この許可が出なくなる、ということです。

 

日本の措置の目的

日本政府の目的は、純粋に防疫を目的としたもの

 

参考までに、韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)が報じた、「韓国人へのノービザ制の一時停止」という記事のリンクを紹介しておきましょう。

 

日本政府の韓国人へのノービザ制 一時停止へ=外交消息筋

2020.03.0522:46付 聯合ニュース日本語版より)

 

もちろん、上記の措置は、あくまでも一時的な防疫を目的としたものであり、恒久措置ではありません。

 

また、日本政府が打ち出したのは、韓国人だけを狙い撃ちにした措置ではありません。

 

森雅子法相の木曜日のツイートによれば、今回、入国ビザ免除措置が停止される対象は韓国だけでなく、香港、マカオ等も含まれており、このことから、日本政府の狙いは【朝鮮半島出身応募労働者】問題などに対する報復などではなく、純粋に防疫を目的としたものであることは明らかと言えるでしょう。

 

新型コロナウイルス対策を抜本的に強化します。

政府として韓国、イラン両国の一部地域からの更なる入国拒否を決定しました。加えて中国及び韓国全土で発行した日本への入国ビザの効力を停止。

香港、マカオ等のビザ免除措置も停止します。

水際対策に関して日本中国韓国をはじめ国際協力を強化して参ります。

―――2020年3月5日 19:19付 ツイッターより

 

 

 

一時措置に「対抗措置」もないだろうに

 

いずれにせよ、これは一時的な措置であり、自然に考えたら、防疫の必要性がなくなった場合には速やかに入国ビザ免除措置は復活すると考えて良いでしょう。

 

ところが、この日本政府の措置に対する韓国政府の対応が、やはり常軌を逸しているようです。聯合ニュースは昨日、こんな記事も配信しています。

日本からのビザなし訪問中止 9日から対抗措置実施=韓国

韓国(2020.03.0620:08付 聯合ニュース日本語版より)

 

記事の内容について、日本語表現を整えて箇条書きにすると、次のような内容です。

 

韓国政府は9日午前0時以降、日本からのビザなし訪問を中止し、発行済みのビザの効力を停止するとともに、日本から入国するすべての外国人に対し、特別入国手続を実施する

 

韓国政府外交部は日本政府が5日に発表した韓国からの入国者に対するビザ免除制度の一時停止や2週間の待機要請を「事実上の韓国人への入国拒否」と位置付け、対抗措置を打ち出したもの

 

日本の措置は純粋な防疫上のものであるにも関わらず、これに「対抗措置」とは、本当に驚きます。

 

ちなみに同じ聯合ニュースの記事によれば、現在、韓国からの入国制限措置をとる国は世界102ヵ国・地域に達しているのだそうですが(下記記事参照)、調べてみると、韓国政府が日本以外に対して何らかの対抗措置を講じたという情報は見当たりません。

韓国からの入国制限102カ国・地域に 国連加盟国の半数超

2020.03.0613:43付 聯合ニュース日本語版より)

 

なぜ韓国は、日本に対して「だけ」このような対抗措置を講じたのか。

 

こんな下らないことをやっているより前に、武漢ウイルス(コロナ19,SARS-CoV-2)の蔓延を食い止めるために政府のリソースを使わないのか。

 

いくらでも疑問が浮かんできますね。

やりたければ勝手にどうぞ、だが…

 

もちろん、ビザ免除措置を含めた入国管理は、各国が自身の裁量で決定する話であり、韓国政府が「日本国民からの入国ビザ免除措置を撤廃する」と決めたのであれば、「やりたければ勝手にどうぞ」としか言い様がありません。

 

ただし、あくまでも一般論で申し上げるなら、入国ビザの取扱いは「相互主義」に基づくことが多いようです。

つまり、今回、韓国が日本からの入国ビザ免除制度を停止したことで、日本としては韓国人に対する入国ビザ免除制度を再開し辛くなってしまった、ということです。

 

日本政府は「20204000万人」というインバウンド観光客目標を掲げているという事情もありますが、3月末が過ぎ、武漢ウイルス(コロナ19,SARS-CoV-2)騒動に一定の落ち着きが見られれば、日本政府としてはビザ免除措置を復活させるつもりだったのだと思います。

 

(※余談ですが、「20204000万人」の達成はほぼ絶望的と考えて良いと思いますが、偶然でしょうか、当ウェブサイトではコロナ騒動の直前の時点で、『訪日外国人は過去最大だが、観光目標は立て直すべき』のなかで「数値目標ありきの観光立国論」を撤回すべきと主張しています。)

 

この点、仮に韓国側の今回の措置は、日本にとっては「韓国からのビザ免除措置を取りやめる」という、ちょうど良い口実になり得ます。

 

セルフ経済制裁

 

つまり、韓国政府の今回の「対抗措置」は、実際には「対抗措置」ではなく「自爆措置」(?)のようなものであり、下手をすれば「セルフ経済制裁」のようなものになってしまうのかもしれません。

これについて、できれば本日中、別稿で議論する予定なのが、「ヒト・モノ・カネ・情報」の流れの制限、という論点です。

 

これは、一般に経済制裁が

 

①自国から相手国へのヒトの流れの制限

②自国から相手国へのモノの流れの制限

③自国から相手国へのカネの流れの制限

④相手国から自国へのヒトの流れの制限

⑤相手国から自国へのモノの流れの制限

⑥相手国から自国へのカネの流れの制限

⑦情報の流れの制限

 

という形で行われることが多いものの、わが国日本は法制度の限界から、①と⑦についてはみずから積極的に仕掛けることができない、という議論です。

 

しかし、韓国が日本人に対する入国ビザ免除制度を停止したことで、結果的に①については日本政府の意思と無関係に、勝手に実現してしまいかねなくなりました。

もし日本韓国双方が入国ビザ免除措置の相互停止で膠着状況に陥ってしまえば、それはまさに「セルフ経済制裁」そのものでしょう。

 

もっとも、韓国政府が賢明であれば、日本がビザ免除措置の一時停止措置を終了した際に、日本人に対する入国ビザ免除措置をあらためて復活させるはずですが、なにせ相手はあの文在寅(Moon Jae-in,문재인)政権です。

 

このまま日本韓国双方のヒトの流れが滞り、そこからモノの流れ、カネの流れがそれぞれ滞ることになれば、短期的には日本のサプライチェーンにも大きな打撃は生じますが、中・長期的には韓国経済が日本の産業のサプライチェーンから切り離されるという展開になり得るでしょうね。

 

※本文は以上です。That's it for the text.