相変わらず米中二股外交を主張する韓国保守派
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韓国大統領の二股外交

2017/11/27

 

韓国とイランの外交問題

2020/01/29

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韓国メディア『中央日報 (JoongAng Ilbo)』に、韓国政府外交部の前次官で

「リセットコリア外交安保分科委員」申珏秀(Sin Gagsu,신각수,シン・ガクス)氏

執筆したコラム記事が掲載されていました。

端的に言えば、米国が主導する「自由で開かれたインド太平洋戦略」に参加しつつ、

中国との関係も是々非々で構築しようとする、

いかにもご都合主義的な「食い逃げ外交」の極致のような主張です。

 

「用日(Yong-il용일)」対「反日本」

 

当ウェブサイトを通じて以前から提示している仮説のひとつが、

日本韓国関係を巡り、

韓国国内には「用日(Yong-il용일)派」と「反日本派」が存在する、というものです。

 

ここで「用日(Yong-il용일)」とは、

「基本的に歴史問題などでは日本を糾弾しつつ、

都合が良い局面では日本を利用すべきだ」、などとする主張のことであり、

「過去と未来のツートラック」、

 

すなわち

「歴史問題で日本は正しい歴史認識を持ち、韓国に対して真の反省と謝罪が必要

だが、その一方で経済や安全保障などの分野では、

韓国日本両国は緊密に協力し合わなければならない」

とする考え方のことです。

 

このツートラック、少し勘の良い方であれば気付くと思いますが、

もっと簡単に

「義務を果たさずに権利を行使すること」

と言い換えても良いでしょう。

あるいは、もっとわかりやすい日常生活の用語に置き換えれば、

「おカネを払わずにサービスを受け取るモンスタークレーマー」

のようなものでしょうか。

 

そういえば、韓国の主張をもっと噛み砕けば

「日本は過去に韓国に対して悪いことをしたんだから、日本はもっと韓国に尽くせ」

という意味ですが、これはまさに「モンスタークレーマー」の

「お宅の店は私に対してミスをしたんだから、ただでサービスをすべきだ」

という要求にそっくりです。

 

もっとも、こうした「用日(Yong-il용일)派」をのさばらせてきたのが、

日本韓国議員連盟所属議員や外務省職員、あるいは一部の経団連企業経営者

など、日本側の対韓国配慮論者(あるいは外交事なかれ主義者)たちだったのであり、

その意味で、韓国を「モンスタークレーマー」に育てた

責任の一端は、戦後日本にもあるのでしょう。

 

反日派の伸張が結果的に日本国益に!?

 

その一方で、「反日本派」とは、純粋に日本に対して攻撃的な人たちのことであり、

用日(Yong-il용일)派」とは一線を画します。

そして、現在の文在寅(Moon Jae-in,문재인)大統領自身も、

結果的には反日本派のようなものだという言い方もできるかもしれません。

 

文在寅(Moon Jae-in,문재인)政権下の韓国では、主なものに絞っても、

次のとおり、日本韓国友好に反する非合理な動きが次々と生じています。

 

①旭日旗(Rising Sun flag)騒動(2018年9月頃~)

②『朝鮮半島出身応募労働者』判決問題(20181030日、1129日)

③レーダー照射事件(20181220日)

④天皇陛下侮辱事件(昨年2月頃)

⑤日本による韓国向けの輸出管理適正化措置(昨年7月1日発表)

⑥慰安婦(Comfort woman=SexSlaves=Prostitute)財団解散問題(昨年7月頃)

⑦日本韓国請求権協定無視(昨年7月19日)

⑧日本韓国GSOMIA破棄通告(昨年8月22日)

⑨対日本WTO提訴(昨年9月11日)

 

(※もっとも、文在寅(Moon Jae-in,문재인)氏の本質は、

「反日本」というよりは「反米国」「親北(Pro-North Korean)」)

 

文在寅(Moon Jae-in,문재인)氏が「親日本派」である理由

 

もっとも、こうした動きが相次ぐこと自体、

日本にとって必ずしも悪いことばかりとは言い切れません。

なぜなら、こうした動きは、韓国国内の用日(Yong-il용일)派が日本国内の

「外交事なかれ主義者」たちと共同して一生懸命作り上げてきた、

非常に不健全な「日本とのツートラック関係」を破壊することにつながるからです。

 

わが国では保守派の論客などを中心に、

「日本韓国断交(break off relations)」を公然と口にする人が増えて来ました

が、これも結局のところは、韓国で常軌を逸した動きが相次いでいるため、

「日本韓国断交(break off relations)論」

に違和感を持たない日本国民が増えているからでしょう。

 

当ウェブサイトとしては現段階で軽々しく、

「今すぐ日本韓国断交(break off relations)を推進すべきだ」、

などと申し上げるつもりはありません

が、それでも韓国国内の用日(Yong-il용일)

(や日本国内の外交事なかれ主義者たち)

主張するような、「過去と未来のツートラック外交」については、

国益の観点からは明確に否定すべきと考えています。

 

この点、文在寅(Moon Jae-in,문재인)政権下の韓国は、

「過去と未来のツートラック外交」という構造を積極的に破壊してくれている

という言い方をしても良く、その意味では、

じつは文在寅(Moon Jae-in,문재인)氏自身が最大の「親日本派」なのではないか

と当ウェブサイトとしては考えているのも事実なのです。

 

皮肉なことですが、文在寅(Moon Jae-in,문재인)政権下の

反日的なさまざまな行動が続けば、自然と日本国内でも

「韓国と距離を置くべきだ」とする認識が広まっていく効果が期待できるでしょう。

 

保守派と親北(Pro-North Korean)

「反中国」と「親日本」が存在しない

 

ただし、韓国国内の政治勢力を眺めるときには、

「日本」を軸に、

用日(Yong-il용일)日派」「反日本派」と分けるのは、若干不正確です。

むしろ、中国、米国、北朝鮮に対するスタンスと合わせて、

 

保守派…親米国、恐中国、反北朝鮮、用日(Yong-il용일)

親北朝鮮派…反米国、親中国、親北朝鮮、反日本

 

と理解するのが良いと思います。

そのうえで、現在の韓国国内で発生しているのは、

「保守派」と「親北朝鮮派」のせめぎ合いだと考えれば、

かなり正確な現状認識ができると思います。

このように定義づける理由は、韓国国内の政治的な主張には、

明確な次の2つの特徴があるからです。

 

韓国国内の主要な政治勢力、論客などのなかには「親日本派」は存在しない。

韓国国内の主要な政治勢力、論客などのなかには「反中国派」は存在しない。

 

つまり、現在の韓国国内では、どこまで行っても

「隣国である日本と未来志向で仲良くしましょう」

という主張が出て来ることはありませんし、それと同時に

「共産党一党独裁体制を維持する異形の大国・中国に敢然と立ち向かおう」

とする主張も出てこないのです。

 

日本にとっては、「海洋勢力」として、日本米国同盟をガッチリと維持しつつ、

基本的な価値を共有しない中国に対しては、

中国の軍事的な暴発を防ぎつつも協力できる分野では協力するという具合に、

「是々非々」の姿勢で付き合っていくしかありません。

 

こうしたときに、表面上は中国と仲良くしながらも、

テーブルの下で中国の足を蹴っ飛ばすような行動を続ける必要があるのです

が、もし韓国が日本とともに中国に立ち向かってくれるならば、

日本にとってこれ以上心強いことはないでしょう。

 

しかし、当ウェブサイトなりの現在までの所見に基づけば、

韓国に「中国に敢然と立ち向かう」だけの意思も能力もありませんし、

むしろ韓国と組むと「用日派のツートラック外交」という罠にはまり、

肝心の中国と対峙するうえでの

外交リソースを割かれてしまうのが

関の山(No matter how hard I try, I could only)です。

 

だからこそ、いっそのこと韓国を「中国側」とみなしたうえで、

中国とともに仮想敵国に位置付けるのが、

国益にかなっているのではないかと思う次第です。

 

具体的な証拠があった

 

さて、昨今のコロナショックへの文在寅(Moon Jae-in,문재인)政権の対応が

「トリアージ」などの観点から盛大な失敗となり、

『「トリアージ」の重要性 医療崩壊進む韓国が反面教師』や

『感染者数は「半万人」 予想どおりに医療崩壊する韓国』

などでも触れたとおりです。

 

しかも、4月15日には総選挙を控えているというタイミング

ですので、「保守派」と「親北朝鮮派」の

内紛が今以上に激しくなるであろうことは、大きな懸念材料でもあります。

というのも、韓国(あるいは李氏朝鮮)は、

国内の争いに外国勢力を引き込もうとするからです。

 

ところで、申珏秀(Sin Gagsu,신각수,シン・ガクス)氏といえば、

用日(Yong-il용일)」の代表格であり、同氏の議論を眺めていると、

「日本は韓国から距離を置くべきである」

という当ウェブサイトの持論の正しさが間接的に説明されます。

 

こうしたなか、韓国メディア『中央日報(JoongAng Ilbo)』に、

申珏秀(Sin Gagsu,신각수)氏の論考が掲載されていました。

 

3000文字弱と、論考としては読みやすい長さであるはずなの

ですが、残念ながら非常に読み辛い文章です。

というのも、主語をわざと曖昧にしつつ、

さまざまな難しい言葉をちりばめるなどしているからです

が、論旨がぼやけるのも当然のことです。

 

ただ、この文章を(敢えてやや乱暴に)要約し、箇条書きにしてみましょう。

 

1.リーマン・ショック以降、中国が経済発展し、

米国が停滞したことで、東アジアの秩序に変化が生じている

 

2.米国によるインド太平洋戦略参加要請に対し、韓国は部分的参加で応じて来た

が、東アジアの秩序を形成するうえでより能動的な役割を模索すべきだ

 

3.米国中国との関係も「どちらを選択するか」という単純なものではなく、

我々の国益などに基づき、事案に応じて是々非々で判断すべきだ

 

4.インド太平洋戦略は韓国の価値や国家戦略と合致しており、

中国に対する韓国外交の独自戦略空間を確保することにもつながるため、

これに積極的に参加する必要がある

 

5.中国は地理的に隣国であり、韓国の平和と繁栄に重要な存在

だが、韓国とは政治・経済体制が異なるし、

THAAD事態のように隣接国に対する恫喝外交を仕掛けてくる国

だから、その意味でもインド太平洋戦略に参加することは重要だ

…。

 

つまり、

米国中国が対立するなかで、韓国は引き続きどっちつかずの立場を維持し、

良いところ取りをしよう

と主張しているようにしか見えません。

 

というよりも、リンク先の文章を貫くのは、

韓国人特有の、中国に対する「恐怖」でしょう。

だからこそ、中国をできるだけ怒らせないようにしつつ、

米国と中国に対してどっちつかずの態度を取りましょう、

という主張に結実するのです。

 

食い逃げ外交の極致

 

ここで思い出したいのが、「用日(Yong-il용일)派」の「ツートラック外交」です。

 

その目的は、「コストを負担せずに便益を享受すること」、

「おカネを払わずにサービスを得ること」、

「義務を果たさずに権利だけ行使すること」、

などと言えますが、要するに「食い逃げ外交 bilk diplomacy」のことです。

 

申珏秀(Sin Gagsu,신각수)氏の非常に読み辛い文章を眺めていると、

この「食い逃げ外交 bilk diplomacy」を米国に対しても適用せよ、

と主張しているようにしか見えないのです。

 

いうまでもなく、韓国は軍事的には米国の、経済的には日本の協力を得ることで、

ここまで経済発展を遂げてきたという側面があります。

しかし、日本米国から多大な恩を受けておきながら、

その対価を一切払ってこなかったばかりでなく、

米国中国二股外交を公然と展開するというのは、ま

さに食い逃げ外交の極致でしょう。

 

「コロナショック」のためでしょうか、

4月の総選挙で保守派が一定の勝利を収める可能性が出て来ました。

 

しかし、保守派が勝利すれば日本韓国関係や米国韓国関係が好転する、

という単純なものではないことは間違いありません。

なぜなら、こうした「米国中国二股外交」の勧めを主張している勢力は、

むしろ「保守派」と呼ばれる人たちが中心だからです。

 

その意味では、4月の選挙はどちらが勝っても負けても、

悩ましいといえるのかもしれません。

 

※本文は以上です。