【英語で学ぶ西洋美術史】8/18(日)開催☆

ドロシア・ラング~押収された日系人収容所写真~ある女性写真家のまなざし

Dorothea Lange “The Japanese Internment” from the view of a woman photographer

 

 

随分昔のことですが、アメリカの大学在籍中、必須科目であった「米国史」のテキストブックに掲載されていた白黒写真に、私は衝撃を受けました。

 

第二次世界大戦のパールハーバー攻撃のくだりに掲載されていたその写真は、カリフォルニア州在住日系人が収容所に連行されていくワンシーンを捉えたショットでした。

 

高齢者から子供まで、一家全員紙の「番号札」を首から下げ、収容所に向かうバス待ちの列に粛々と並ぶ日系人の方々。私には、彼らがまるで家畜のごとく扱われている様に見えたのです。この一枚の写真は、強制的に収容所に入れられた人たちの歴史上の「事実」を、強烈なインパクトを持って私に突きつけてきました。その「事実」は私の心に深く突き刺さり、写真の撮影者への探求心をかき立てました。

 

撮影者は、写真家ドロシア・ラング、女性です。アメリカ人なら誰もが一度は目にしたことのある”Migrant Mother(出稼ぎ労働者の母)”と題された作品の撮影者です。アメリカから始まった世界恐慌の象徴的な写真です。

 

日系人収容所を写した人と同一人物であった事を初めて知った驚きは、私がラングという人物に心酔していくきっかけとなりました。

 

 彼女はどのような想いでこの写真を撮ったのだろう・・・そして、なぜそもそもラングに撮影を依頼した米軍は2006年まで彼女のほとんどの写真を押収し、一般公開されなかったのだろう。

 

写真の舞台の始まりはカリフォルニア州のサンフランシスコ。ラング本人もこの街に住んでいましたし、更に講師の私自身も幼少時代をサンフランシスコで過ごし、多くの日系人の友人もいたことから、このリサーチは必然である、という思いを強固にしたのでした。

 

講座では、ラングの生涯を追いながら、2006年まで未公開だった収容所の写真をメインに扱います。来年はNYMOMAで大々的なラングの回顧展が開催される予定です。今まで日本ではさほど注目を受けて来なかったラングにスポットをあてたいと以前から願っていましたが、今がタイミングだと感じ、また、講座の日程は終戦記念日の月を意識しました。

 

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<日曜日開催>

●日時:2019818日(日) 13101510 (Q&A 1520

■場所: 外苑前Cross Coop 9階小会議室

■地図: http://crosscoop.com/conference/access_aoyama

■定員: 15

■受講費: (会員)7000円 (税込)(事前お振込制)

(ビジター) 8000円 (税込)(事前お振込制)

■キャンセルポリシー:

お振り込み後は払い戻し致しかねます。

 

★ご予約、お問い合わせはこちらまで→ info@artalliance.jp 

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*講座は英語で行われます。

*予習資料はございません。

 

 

■宮本由紀プロフィール:

「英語でアート」(西洋美術史、美術英語)講師、エデュケーター。20194月より女子美術大学・大学院非常勤講師。女子美術大学付属高等学校中学校の“英語でアート”カリキュラム導入コンサルタント。ヒューストン大学美術史学科卒(学士号)、セント・トーマス大学大学院リベラルアーツ(美術史)科卒(修士号)、ヒューストン美術館ヨーロッパ美術部門インターンシップを経て、同美術館リサーチライブラリー勤務。日米アーティストのエージェント/メディエーターも務め、国内外で展覧会を企画。共著に「英語でアート!」(マール社)

 

(Photo 1: Dorothea Lange / Raphael Weill School, San Francisco, 1942)

(Photo 2: Dorothea Lange / Migrant Mother, 1936)

 

 

 

皆様のご参加をお待ちしています。

 

宮本由紀

http://www.artalliance.jp/