公開初日に見に行きました。
そろそろ書いてもいいかなぁ~?
と思っていたら
息子も見たいとのことで
一緒に見に行って、
おさらいしてきました。
さらに内容を把握したし
そろそろ書いてもいいかなぁ~?
と、思うので
書きますね
まだ読みたくない人はスルーしてね
画像は、ジブリが
常識の範囲内でお使いください
と、SNSでシェアしてくれたものです。
《まずは、あらすじ》
冒頭、入院しているお母さんの病院が火事。
いきなり、母を失うシーンから始まった。
そして
すぐに、父親が再婚する。
それもお母さんの妹と!妊娠までしている!
(おい!っとツッコミたくなるが)
「新しいお母さんよ」って言われても
そんな、すぐに馴染めるわけない。
赤ちゃんのときに会っただけだと
夏子さん(母の妹・新しいお母さん)も言ってるし
なにしろ、マヒト(主人公の名前)は
まだ小学生だし
母を失った悲しみも癒えてないだろう。
そっけない話し方かもしれないけど
当時のお金持ちの家族って
親と敬語で話すだろうし
マヒトは、まだ、平静を保つのが精一杯だろう。
時代は第二次世界大戦中で
父とマヒトは、
夏子(と、亡き母)の実家へ疎開してきたのだった。
夏子の屋敷には、
ポニョで登場したようなおばあちゃんたちがいる。
ずんぐりむっくりしてて
まるで、千と千尋の神隠しに登場する湯ばぁばみたいな体型(二頭身)
ここで、ジブリファンは
ポニョを思い出してしまうね。(トリックです)
マヒトは
転入生として学校へ行くと
都会のおぼっちゃまは、すぐに目をつけられる。
見るからにエエトコのシュッとした坊っちゃん。
学校の帰り道、
戦争中だから子供たちもみんな働いてる。
マヒトは、スルーして通り過ぎようとするが
いちゃもんつけられて喧嘩になる。
たいしたケガではなかったが
学校に行きたくなかったのだろう。
自分で
石を頭にぶつけて
大ケガにしてしまう。
自分でもやりすぎたかと思うほど。
これが一大事になってしまった。
マヒトは、ただ、学校に行きたくないから
自分でケガを作っただけだが
(皆には転んだだけだと説明するが)
父親は『誰にやられたんだ!』と大騒ぎして学校へ怒鳴り込む。
夏子やおばあちゃんたちは心配して
交代でマヒトの看病をしてくれた。
マヒトは
心苦しいのだ。
自分で作った傷で
みんなに迷惑と心配をかけて・・・
熱を出して寝込んでいたマヒトを
おばあちゃんたちが交代で看病し、
やっと熱が下がった頃、
夏子が、つわりで具合が悪いと聞く。
マヒトさんに会いたいと言ってるので
会ってあげてくださいとおばあちゃんに言われ、
お部屋へ会いに行く。
すると、
夏子は「ごめんね。ケガさせちゃって」と
マヒトのケガの場所に手をのばした。
嘘をついてるマヒトはたまらない。
自分のケガで、夏子に心配をかけて
夏子が具合悪くなっているのだ!
バツが悪くて、そっけなく部屋から出て行ってしまう。
屋敷に来てから
うっとおしい青サギがマヒトをつけ狙う。
マヒトにだけ話しかけてくる嫌味な青サギ。
マヒトの心の中を読んでいる不気味な青サギ。
そして、ふしぎな離れの塔。
その離れの塔は
夏子と母の大叔父が建てたらしいが
青サギは、そこを住処にしている。
ムカつく青サギをやっつけようと、
マヒトは、自分で矢を作った。
拾った青サギの羽根を矢にくっつけて。
すると、窓の外から
おばあちゃんたちが夏子を探す声が聞こえた。
マヒトは、少し前に、
夏子があの塔へ向かっていくのを見ていた。
「夏子さんはあの塔へ行ったんだ!」と、
おばあちゃんたちの中のキリコさんを連れて
塔へと向かう。
塔に入ると、青サギが
「お待ちしておりました」とマヒトの前に現れる。
母親の人形でマヒトをだまそうとした青サギ。
マヒトは怒って矢を放つ。
その矢がクチバシに刺さった青サギは、
スッとした青サギの姿に戻れなくなってしまう。
そして、
塔の床が、流砂のように、
みんなを呑み込んでしまう。
(流砂に呑み込まれるのは、ナウシカ。
これもトリック)
落ちた先は、
不思議な世界。
(まるで不思議の国のアリスの穴に落ちたよう)
(まるで、トトロの穴に落ちたよう)
マヒトは、海辺に出た。
そこには不思議な巨石があり、門があった。
門には『ワレヲ学ブモノハ シス』と書かれている。
なんだろう?とぼ~っと見ていると
そこにいた何百羽というペリカンたちに押されて
門を開けてしまい、大騒ぎに。
舟の上からその様子に気づいた女性が
あわてて、事態をおさめにくる。
マヒトが、その人をよく見ると、
それは一緒に床から落ちたキリコさんが
若返った姿だった!
でも、キリコさんはマヒトのことを覚えていないようだ。
キリコさんは
海での仕事を手伝えと、マヒトを舟に乗せていく。
キリコさんは
不思議な世界のことを少しずつ教えてくれる。
夜、キリコさんの住処で、外にあるトイレに入ると、
雲が晴れて明るい月があらわれた。
すると、ワラワラが、ぷくん!と膨らんで
空へと上がっていった。
月夜に、月を目指して昇ってゆくワラワラは、
もののけ姫の木霊を想像させる。(トリックです)
ワラワラは、こうして月夜に上昇して
マヒトが来た世界で赤ちゃんになって産まれる
と、キリコさんが教えてくれた。
ワラワラが、らせんを描いて上昇していく
美しい光景を眺めていた。
ところが
ペリカンたちが飛んできて、ワラワラを食べ始めた!
マヒトとキリコが阻止しようと苦戦していると
炎を操るヒミという少女が現れ、
ペリカンを追い払ってくれた。
青サギも、マヒトを見つけた。
夜が明けて、
マヒトは、夏子を救うために
この世界で夏子を探し始める。
青サギは、この世界の主のもとへマヒトを連れていかねばならないが
夏子探しも手伝うことに。
キリコさんに別れを告げて、二人は出発する。
この世界には、人間のように巨大化したインコが
雑食となっていて、人間も食べてしまうという。
インコたちに捕まらないように進んでいかねばならない。
青サギが、インコたちの気をそらしているうちにと、
マヒトを世界を通り抜けるための『穴』へ向かわせるが
インコたちが待ち構えていた。
捕まってしまったマヒトを
インコたちから救ってくれたのは、ヒミだった。
ヒミは自分の家へマヒトを連れて行った。
現実世界とつながるドアを開ける。
ドアの外では、
マヒトの父親が、マヒトを夏子を探している。
ヒミは、「このまま戻ってもいいのよ」とマヒトに言うが
「夏子さんを連れて帰る!」と
二人とも異世界へ戻る。
なかなか追いつけない。
創造主の世界へときたインコのリーダーは
創造主と交渉を始める。
その姿は、(衣装は)
ナウシカのユパのようでもある。(トリック)
どうやって?
大きな石が浮いている。
テーブルの上では
石の積み木がいまにも崩れそうだった。
インコたちは帰っていく。
それとすれ違いで、マヒトたちがやってくる。
インコのリーダーは、マヒトを尾行する。
大叔父との血縁でなくてはならないという。
完璧に積み上げられるのは
きっぱりと断る。
この頭の傷は、自分でやりました。
美しくなんかない。
積み木なんぞ、私ができる!!
世界が崩れ始めた。
マヒトと一緒に逃げる。
てんやわんや
立派な姿に感動する。
夏子を救いに戻り、
現実世界へのドアの前に立つ。
ヒミと、若いキリコさんは
彼女たちが来た現実世界の時空へのドア。
マヒトと夏子さんは
彼らが来た現実世界の時空へのドア。
会えたことの喜びに満ちて
笑顔でそれぞれの世界へ戻る。
夏子とマヒトがドアを開けると
インコたちも外へと飛び出した。
ペリカンも飛び出した。
鳥たちは、喋らない、ふつうの鳥に戻った。
が
青サギは、そのままだ(笑)
マヒトが若いキリコさんの部屋で
おばあさんの姿のキリコさんの人形を
お守り代わりにポケットに入れていたのだが、
その人形が、現実世界でのキリコさんに戻った。
腰が痛い~と言って
床の下に落ちたことは忘れている。
夏子さんも、異世界のことはすっかり忘れてる。
マヒトは、覚えていた。
覚えていることに青サギが驚く。
どうして覚えてるんだ!?
マヒトは、大叔父の世界で
歩く道すがらにあった
積み木と同じ白い石を
なにげなく拾って持っていたのだった。
なんとなくギクシャクしていた父子関係
夏子さんとの心の距離も
嘘をついていた罪悪感も
すっかり払拭できて
母への思いも喜びに代わり、
マヒトは新しい自分へと成長できたのだった。
《解説》
トリックと書いたところですが
これって
ちょっとイジワルなんだよね。
観る人は、ポニョやもののけ姫などの
イメージを感じることで
そこにとらわれてしまう。
ああ、きっと、そういうストーリーなんだろうな
って、期待してしまう。
同じような感動が待っているんだろうと
期待してしまって
本筋を、見逃してしまうの。
これが
宮崎駿監督がわたしたちにくれたメッセージ
見た目に
とらわれるな
見るべきもの
を見よ
『ゲド戦記』か公開された時
みんなが
ナウシカにそっくり
結局、お父さんのマネ
(駿さんの息子さんが監督した)
と言ってて
そうなんだ〜と、すぐには観なかった。
でも
そんな風評にまどわされないで
ちゃんと観てみよ〜っと!
と思って観たら
素晴らしい作品だった!!!
だから
もしかしたら
駿さんは、あえて!
みんなが惑わされるように
オマージュ的な要素を入れたのではないか?
と、感じてしまいます。
そしてね
レビューを書くなら
ちゃんと!この映画の題名の
『君たちはどう生きるか』の本を読まねば!
と思い、買って読みました。
映画の中でも
母が、成長した息子へ渡そうと
用意していた本の中に
この本があって、
マヒトは読んで涙するシーンがあります。
これは
マヒトがみんなに嘘をついていることに
罪悪感でいっぱいになっていることを表してます。
本では
中学生の主人公が
友達との関わりの中で成長していく様子を
エピソードをかいつまむかんじで書かれてて、
その中に
ごめんなさい
の一言が、言えない自分に
腹を立てて、責めて、後悔して
言い訳をあれこれ考えたりして
心がぐちゃぐちゃになってるストーリーがあった。
そこを読んだマヒトが
自分も同じ状況にあることをヒシヒシと感じて
泣いているんだね
どう生きるか
そのことを
駿さんがみなさんへ
この本を読んで
いまいちど!
考えてほしい!
という願いをこめたのではないだろうか?
異世界は、
いったいなんだったのか?
おばあちゃんが映画の中で
あの塔が建った経緯を話すシーンがあります。
ある日、どこからともなく降ってきた大岩
それに興味をもった大叔父が
保護するために周りを囲むように塔を建てた。
大叔父は日々そこに入り浸っていたが
ある日、忽然といなくなってしまった。
マヒトの母が少女の頃に
大叔父と同じように忽然と消えたことがあった。
一年後、ひょっこりと帰ってきた彼女は
消えた時のまんまの姿だった。
(それが、マヒトと過ごした異世界の時間)
そして
あの塔は危険だからと、入り口を埋めた。
大叔父は
石を調べているうちに
石の意識とつながったのだろう。
そなたの欲しいものはなんだ?
大叔父が
欲しかったものは
豊かで平和で美しい世界
大叔父は
必要なものを
せっせと運び込んだのだろう。
インコもペリカンも
理想の情景を造りだすために
持ち込んだのだろう。
だが、実際に造り出されたのは
自分がいる場所だけはパラダイスかもしれないが
ヒズミが生じていたのだ。
人間は、複雑な生物だ。
美しいだけでは生きられない。
陰陽あわせもち、
バランスを保つことを訓練するかのような
人間の人生。
大叔父の深層心理が反映するので
ヒズミが生じて
インコがおかしなことになり
ペリカンがワラワラを喰ったりし始めたのだ。
ワラワラが、
マヒトの世界で赤ちゃんとして産まれる?
それも、大叔父の妄想。
すべて
大叔父の妄想の世界なのだ。
あの異世界に意味などない。
一人の男の妄想の世界を
現実化?する
不思議な石は
魅惑的ではあるが
触れてはならぬものだった。
欲望を叶えるパワーとは
危険なものなのだ。
たとえそれが
大叔父のように
平和で美しい世界を欲したとしても。
現実世界こそが、大切。
リアルこそが大事。
バーチャルな世界で
独りよがりな妄想を叶えたからといって
なにも、発展はない。
「観た映画が面白いけどよくわからない」
ということで、ユキさんに観てほしい
と言われた映画があったが
その映画を彷彿とさせた。