生贄になった話 | 心に光を呼びます Padme★yuki

心に光を呼びます Padme★yuki

誰の心にも、神様とのホットラインはあります。
いろんなもので隠れてしまってるだけです。
私でよければ、見つけるお手伝いをします。

 


A long tme ago in galaxy 
far, far away...  
遠い昔、遥か彼方の銀河系で・・・




いえ。
銀河系ではなく
日本海の小さな島での
遠い遠い昔のお話です。


ある小さな島に漂着した流浪の民。
大陸での勢力争いの中、
逃げてきた王子と側近、民人たち数十名・・・
島の周囲を一周するのに歩いて数時間の小さな島で、
彼らは新しい生活を始めた。

すべてが一から始めることばかり。
それぞれの家を建て
地を切り開き畑を作り
魚を獲るための舟を造り
王子は王になり
民人たちの間から長を決め
皆が支え合い
一人が皆のために・皆が一人のために
という社会を築いていた。

数年経ち
王となった青年は、
民人の中に
一人の働き者の娘を見つけていた。
自分が海に潜って獲ってきた貝や魚を皆に分け与え
子供たちとよく遊び
老人をいたわる。
王は娘を妻にすると決めた。

「后になってくれないか」と
いきなりプロポーズされてとまどいながらも
王は誰からも愛され敬われていた存在。
断る理由などない。
顔を赤らめ、「慎んでお受けします。」と答える。

結婚式の日までの間、一日の仕事が終わった夕暮れに
二人は海辺を歩いたり
野の道を歩きながら
たくさんたくさんお喋りをした。
この島を、どこの国にも負けない幸福な国にしようと誓った。
話せば話すほどに、二人の愛は大きくなっていった。

結婚式の前に、島の中にある小さな龍神池へ
生贄を捧げる日が近づいていた。

占いで乙女を選ぶ。
龍への畏怖の念を表すために
王は毎年、乙女を生きたまま腹を裂き、臓物を取り出し
龍に捧げていた。
その儀式は残酷きわまりないが
嵐が激しいこの島では、それくらいのことをして龍に敬意を示し、
加護を願わねばと、皆、納得していた。
それでも
選ばれた乙女の家族の心痛は計り知れない。
乙女自身の恐怖たるや・・・

その年、占いで選ばれたのは
王の婚約者である娘だった。
結婚を目前に、生贄に選ばれるとは!
王は、占いのやり直しを命じた。
娘は
「今までも占いで選ばれた娘を生贄にしてきた。
 私が王の婚約者だからと言って、特別は許されない。
 私は龍の生贄になります!」
とキッパリと言った。
王は
「あなたを自分の手で殺すことなどできない」と言い
娘は
「いいえ。私も今まで生贄になった娘たちと同じです」と言う。

そうやって、儀式の当日を迎えた。
白い、花嫁の衣装ではなく、生贄の衣装をまとった娘が
祭壇へ上がる。
王は膝から崩れ落ちる。
「できない!私にはできない!」と拒む。
娘が王の手に剣を握らせ
「やりなさい!王としてやりなさい!」と叱咤する。
民人たちは、固唾を呑んで見守っている。
「嫌だ!あなたを失いたくない!」
「私の心はあなたのものです!失うことなどありません!」
「あなたの身体に剣を刺すなど、できない!」
「いいえ!できます!あなたは王です!やりなさい!」
とうとう、王は、剣を娘の腹に刺し込んだ。
ずぶずぶと奥深く入っていく剣
流れ出す血を皿に受け取る。
今までの乙女たちは、恐怖で失神した状態で生贄になっていたが
娘は気丈に、意識を保っていたうえに
痛みを王に見せないように、笑顔でいる。
王の顔を両手のひらで包み
「それでこそ、私の愛する王です。愛しています。」
王は涙を流し
娘は血を流す・・・
臓物を取り出すと、娘の身体は激しく痙攣するが
それでも笑顔を見せようとする娘。
血だらけの手で、王は号泣しながら娘を抱きしめる。
王の腕の中で
娘はこと切れる。

その後、王は、生贄の儀式を禁止し、王位を捨て
毎日、龍神池のほとりで娘への祈りを捧げた。
生涯独身で、命の限り
娘を弔った。
 
これがその龍神池。



これは、私とMが
生を共にした
数ある前生の中の一つ。
昨年8月に行った、小さな島でのこと。
夢で呼ばれて、そこを訪れた時の記事

Mに、この島の映像を見せたら
「ここを知ってるぞ!」と言い、
儀式を思いだし、
「お前は笑顔で死んでいった!!」
と号泣してました。
(Mは、魂のみの存在です)