極道の妻 | マダムちゅうのまったりシニアライフ

マダムちゅうのまったりシニアライフ

3わんこ&13にゃんこをお供に、セカンドステージまっしぐら!!!

お断り
   これはフィクションです。・・・ということにしておきます。


   ちゅう地方は昔から広島と並んで任侠の街です。でした。・・・らしい。


   いわゆる組の前を通る時は何か緊張します。
   
   仕事柄、こういうお方たちと少なからずお付き合いがありました。


   組長、若頭・・・和紙で作った高そうな名刺にはこう書いてあります。


   まっことシンプルな名刺です。


    仮縫いに組長宅にお伺いしたら、防弾チョッキを着ていたとか、


   ホテル催事の会場で敵対する組の姐さん同士が鉢合わせしたとか、
   
   まさしく“極道の妻”の世界です。


   
          よぉっビックリマーク 岩下志麻目



   でも実際は人のいいおじさん、おばさんって感じ


   外で出会っても、絶対に向こうから挨拶をされません。


   人前で、極道がカタギに挨拶すると迷惑をかけるからという理由です。


   お買い上げは現金か商品券。


   財布に万札9枚を1枚で束ねる、独特の入れ方です。


   ご来店の時はノーメークで出来るだけ目立たないようにしてみえるのですが


   ・・・オーラ出過ぎ叫び



   そんな世界の中で忘れられない女性がいました。


   さしづめ“かたせ梨乃”といった役どころかな?


   30代後半、もともとカタギの仕事だったけど、極道の旦那の後妻に入り、


   何を思ったか背中一面彫り物を入れたんです。


   たぶん、極道の妻が嫌で旦那が“塀の中”に居る間に逃げ出した先妻への


   当てつけ・・・らしい。


   “彫り物”を入れる事で“覚悟”を見せた・・・らしい。


        らしい・・・ばっかじゃん



   さてここからが本番です。


   ちゅうさん 出番ですよ。



   アートメークだって痛かったのに入れ墨なんて考えただけでぞぉっとします。


   姐さん、痛み止めと抗生物質を投与しながら約3ヶ月頑張りました。途中何回も


   熱が出て出来上がるころにはげっそり痩せて別人みたいでした。


   あれだけ苦労して彫った入れ墨だから、姐さん見せたくて仕方がない。

 
   でも場所が場所だから“どうぞ”ってなわけにいきません。




   『すいませ~ん。ちょっと背中のファスナー留めてください』




   そう来たか~、事情は分かっていたので、さぁ~どうしょう?


   ここはやっぱり褒めるしかないか?下手な事言えんしなぁ~




   ドキドキ!


   失礼します。


   試着室の中では姐さん素肌の上にワンピースをご試着中、



   『まぁ~なんて可愛いお顔の弁天様でしょうぉ~』



   いやぁ~ マジそう思いました。


   あんな近くで入れ墨見た事ないけど、素人目にも素晴らしい出来でした。


   背中一面、弁天様?天女?どっちか分からんけど惚れ惚れしてしまいました。


   よほど、腕のいい彫り物師の手によるものだったんですね。



   痛みがなく、安ければ、太ももあたりに“蝶々”を入れてもいいなぁ~




   彼女は大きなリスクを抱えて生きねばなりません。


   温泉に入れません。プールで泳げません。夏でも長袖しか着れません。


   立ち襟は必須です。


   病院に行くにも勇気がいるでしょう。


   それまでして・・・潔い生き方?なんでしょうかね?



   あの弁天様?天女?どっちかわからんけど


                      今頃は  でぶ? がり?