失敗というと、どんな感覚を持っているでしょう?
人によってそれぞれだと思いますが・・・
20代の頃、燻製作りに凝ったことがあります。
燻製は、ご存じとは思いますが食材を木材のチップでいぶしたもの。
チーズの燻製などにはじまり、鮭やマスの燻製。
そしてサンマの開きの燻製。
また、ベーコンを作ったこともあります。
燻製に関する本を参考にいろいろなものを作ったのですが・・・
大概は美味しく食べられたのですが、何度か失敗をしたことがあります。
例えば・・・
鮭の半身を買ってきてそれを桜のチップでいぶしたのはいいのですが、いくらいぶしても身に色がつきません。
なぜだろう?
理由を考えました。
そしていつもよりもいぶす時間を増やしたのですが・・・
それでもダメ。
結局、その鮭の半身は色がつかずに、うまくいきませんでした。
それまで鮭の燻製を作る時には、鮭の身に直接塩をまぶす方法をとっていました。
でも、その時は、別の手法を試してみました。
まず、飽和食塩水を作って袋にいれ、そこに鮭の切り身を入れるという方法です。
直接、塩でまぶさなくても飽和食塩水に入れることで同じ効果を得ることができるのです。
約半日、食塩水に入れておき、時間がきたら身を取りだして乾かします。
その後、桜のチップでいぶすのです。
数時間いぶしたのですが・・・
いくらいぶしても、色がつかない。
「なぜだろう?」
その理由を考えました。
そして出た結論は?
飽和食塩水を作る時に、塩の量が少なかったのではないか?
つまり身を入れた食塩水が飽和状態になっていなかった可能性に気付きました。
残念ながら、その時の鮭の半身は捨ててしまいました。
しばらくして・・・
そして仮説をもとに、もう一度、鮭の燻製にチャレンジすると、鮭の身にしっかりと色がつき、美味しい燻製ができあがったのです。
それからはもちろん同じ失敗をすることはありませんでした。
さて、私は子どもの頃からいろいろ失敗から学ぶ体験をしてきました。
そのためでしょう。
この燻製の失敗も、理由を追求し工夫すれば次はうまくいくと思っていました。
失敗は次のステップへ向けての大きなチャンスだったりします。
そんなことを数々の失敗体験を通して学びました。
さて、それで何を言いたいかというと・・・
子供たちにはたくさん失敗をしてほしい。
そしてそこから学んでほしい。
失敗したとしても、周りの大人がそれをとがめるのではなく、チャレンジした勇気をたたえ、次にどうしたらうまくいくかを問うてあげることで、子どもは失敗に対して肯定的な見方をすることができるようになることと思います。
最後に本田宗一郎さんの言葉を紹介します。
チャレンジして失敗を恐れるよりも、何もしないことを恐れる。