●子どもの能力を信頼するとは? | ◆「生まれてきてよかった」そんな実感を持てる子に育てるヒント!◆

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子どもの能力を信頼していますか?


ある話を紹介します。


以前、大嶋啓介さんのメルマガで紹介されていたものですが、落語家の桂小金治氏のお話です。

=====


ところで、この頃(10歳頃)、


僕にとって忘れられない出来事があります。


ある日、友達の家に行ったらハーモニカがあって、吹いてみたらすごく上手に演奏できたんです。


無理だと知りつつも、家に帰ってハーモニカを買ってくれと親父にせがんでみた。



すると親父は、


「いい音ならこれで出せ」


と神棚の榊(さかき)の葉を1枚取って、それで「ふるさと」を吹いたんです。



あまりの音色のよさに僕は思わず聞き惚れてしまった。



もちろん、親父は吹き方など教えてはくれません。



「俺にできておまえにできないわけがない」



そう言われて学校の行き帰り、葉っぱをむしっては一人で草笛を練習しました。



だけど、どんなに頑張ってみても一向に音は出ない。


諦めて数日でやめてしまいました。



これを知った親父がある日、



「おまえ悔しくないのか。俺は吹けるがおまえは吹けない。おまえは俺に負けたんだぞ」



と僕を一喝しました。



続けて


「一念発起は誰でもする。実行、努力までならみんなする。そこでやめたらドングリの背比べで終わりなんだ。一歩抜きん出るには努力の上の辛抱という棒を立てるんだよ。この棒に花が咲くんだ」と。



その言葉に触発されて僕は来る日も来る日も練習を続けました。



そうやって何とかメロディーが奏でられるようになったんです。



草笛が吹けるようになった日、さっそく親父の前で披露しました。



得意満面の僕を見て親父は言いました。



「偉そうな顔するなよ。何か一つのことができるようになった時、自分一人の手柄と思うな。 世間の皆様のお力添えと感謝しなさい。 錐(きり)だってそうじゃないか。片手で錐は揉めぬ」


努力することに加えて、人様への感謝の気持ちが生きていく上で、どれだけ大切かということを、この時、親父に気づかせてもらったんです。



翌朝、目を覚ましたら枕元に新聞紙に包んだ細長いものがある。



開けて見たらハーモニカでした。



喜び勇んで親父のところに駆けつけると、



「努力の上の辛抱を立てたんだろう。花が咲くのは当たりめえだよ」



子ども心にこんなに嬉しい言葉はありません。


あまりに嬉しいものだから、お袋にも話したんです。



するとお袋は


「ハーモニカは3日も前に買ってあったんだよ。


お父ちゃんが言っていた。



あの子はきっと草笛が吹けるようになるからってね」



僕の目から大粒の涙が流れ落ちました。



いまでもこの時の心の震えるような感動は、


色あせることなく心に鮮明に焼きついています。



かつての日本にはこのような


親子の心の触れ合いが息づいていたんです。


=====ここまで======


「努力の上の辛抱を立てたんだろう。花が咲くのは当たりめえだよ」


この言葉、しびれました。子供の努力を認める言葉。


しかも草笛ができたとしても思いあがらないようにたしなめる。


こんなお父さん、かっこいいと思いませんか?