●決してしあわせになることのない生き方!? | ◆「生まれてきてよかった」そんな実感を持てる子に育てるヒント!◆

◆「生まれてきてよかった」そんな実感を持てる子に育てるヒント!◆

勉強だけできても意味はない!

学習のコツや勉強する意味を一緒に考えると共に

勇気づけでお子さんの健全な心も育ててあげませんか?

現在、「おしん」をBSで放映しているのをご存知ですか?



わが家では、毎週日曜日に一週間分放送される番組を録画して見ています。



ちなみに、今週は、「おしん」の息子である「ゆう」が、中学卒業後の進路を決定するというシーンが放送されていました。



時は、昭和14年。



日本は中国と戦争をしていて、国の雰囲気がどんどん軍国主義に向かっていくという背景でゆうは、ある決断をします。



その決断とは?



陸軍士官学校を受験するというのです。



当時の若者にとって、お国のためにお役にたちたいという思いは相当なものだったようです。(教育ですね)



そのため、ゆうは士官学校を受験する決意を述べるのですが・・・



おしんは、子どもの頃に脱走兵の「しゅんさく」とい人物と関わりがあり、勉強を教えてもらったり、戦争がいかに意味のないものかを直に話しを聞いていました。



そのため息子の士官学校受験に対して賛成する気持ちにはなれなかったのです。



そして、それに強く反対する。



結果として、息子のゆうは、お母さんの意向を汲んで京都の三高を受験することにして、見事合格するという場面が映し出されていました。



それで、ゆうは一人、京都で下宿をすることになります。



今週の放送はそこで終わったのですが、結局、ゆうは戦争に巻き込まれていくようです。



そして結局は戦死するらしい!



さて、なぜ、このような話しをしたかというと・・・



昨日の記事で、諸富さんの著書から「幸福のパラドックス」についてお話ししました。



幸福を求めすぎると、結局は幸福になれないという法則です。



昨日、久々にその本をじっくりと眺め直していて、現代の若い人たちに思いをはせる機会となりました。



そして思いました。



いまの若い人たちって、とてもかわいそうなんじゃないかって!



なぜなら・・・



諸富さんは、こんなことを述べています。



自分の幸福や自己実現に執着し始めた人間は、決してそれを得ることができないのですが、いまの日本の教育は、どうやらこのような構えを子供たちに身につけさせてしまっているように思えてなりません。建前としては、みんなで協力することを説きながらも、本音の部分では、少しでも高い点数、少しでも偏差値の高い学校を目指して勉強することを期待しているかのような風潮があるからです。

これでは、本音をいえば、誰でも結局「自分の幸福」が大事なんだという個人主義的な、いや利己主義的な価値観を暗に「隠れたカリキュラムとして」子供たちに伝えてしまっていると思うのです。

・・・・こうして子どもたちの多くが、決して幸せになることのない生き方を身につけてしまいます。



「いまの若い人たちは」と書きましたが、それは大人も同じかもしれませんね。



戦後の教育を受けてきた私たちは、おそらく自分の幸福や自己実現に執着して生きている事を教えられ、結果として「幸せになることのない生き方を身につけて」いる可能性があると思われます。



そしてますます、その傾向は強くなっているような気も・・・



もしかすると子どもたちの問題の根っこには、このような問題が横たわっているような気がします。



そのため諸富さんは、解決策についてこう述べます。



子どもたちに、真に心の平和と安定をもたらすには、個々の問題を解決するにとどまらず、彼ら彼女らを「自分にこだわる生き方」から解放しなくてはいけません。「自分」に執着し、他人との比較によって自分の幸福や自己実現の度合いを測る個人主義的で利己的な生き方から解き放つ必要があるのです。



ところで、冒頭で述べたおしんの息子ゆうの話に戻りますが、彼の生きた時代は、個人主義というよりも集団主義、つまり個人の幸せよりも集団の利益が優先された時代。



それでも、「世のため、人のため」という使命感に燃えて生きることができた当時の若者たちは、心の平和や安定を得ているという面では幸せだったのかもしれません。



ただ、それが時代の波にもまれて個人の利益が極端に制限されるようになっていったのは問題だと思いますし、今後、絶対に同じような状況は作ってはいけないと思います。



でも、いまの子たちに必要なのは、そのような部分ではないかと思いました。



諸富さんも、子どもの使命感に訴えかけることの必要性を本の中で説いていました。



ちなみに具体的な事例や学校での取り組みなどについも著書の中で詳しく書かれています。


●「学校現場で使えるカウンセリング・テクニック〈上〉育てるカウンセリング編・11の法則