アドラー心理学。
その理論は比較的単純なもの。
とはいえ、カウンセリングでは効果的で、親子や夫婦間の人間関係を良くする。
当然、会社などの人間関係も!
そのためでしょう、アドラー自身は、それを全人類が知らなければいけない知識であると考えたとか。
でも、アドラーは、それだけが絶対的な心理というふうには、思っていなかったようです。
自分の学説を絶対的なものと言わないところなど、アドラーさんの人柄ですね。
そして、そんなところもアドラー心理学の魅力だったりするのかもしれません。
私もいままで、いろいろ学んできて、アドラー心理学は、ベストとまでは言わなくても、よりベターな心理学であると思います。(まだ、知らないことばかり!)
さて、そんなに効果的で魅力のある心理学だったら、多くの人に知って欲しいものですね。
私自身も多くの方にぜひとも知って欲しいと思います。
そして、多くの方がそう思って、アドラー心理学を広める努力をしてきました。
ちなみに1986年に、日本である決議がなされたようです。
どのような決議かというと・・・
アドラー心理学を広める上で、
①大学中心に広めるか (←実践者でない)
②実践者中心(非専門家も交えて)に広める
という議論。
つまり、学会に入会される方を専門家に限るか、非専門家もOKとするかという議論が行われたようなのです。
(もし、間違っていたら、教えてください)
そして結論は・・・
非専門家もOKということになったんだそうです。
アドラー自身も、実践者中心で自ら考案した心理学を広めようとしたようです。
普通のおじちゃん、おばちゃん(おねーさん?)OK。
それって、とても素敵なことだと思いませんか?
そして、日本のアドラー心理学も、アドラーに倣って、非専門家を交えて勉強会などが開かれるようになりました。
そのおかげで、大学に行かずとも、私のようなおじちゃんでも、アドラー心理学を学ぶ機会が開かれたわけです。
そして、そんなおじちゃん、おばちゃん(おねーさん?)が、アドラー心理学を広める勤めを担っているわけです。
つまり、トップダウンよりもボトムアップ。
下から上へと浸透させる。
そんな方法でアドラー心理学を浸透させるための決議がなされたというのです。
そして、その方が深く浸透する可能性が!
なぜかというと・・・
学者さんは、膨大な知識があるかもしれませんが、アドラー心理学を実践していない場合があるようです。
いわゆるスポーツのルールや理論には、精通している状態。
でも、スポーツのルールを知っていても、まったくやったことがないというのではあまり意味がありませんね。
でも、細かなルールやその理論は知らなくても、日頃からそのスポーツを楽しみ、向上しようと日々努力している人の方が、着実に影響を及ぼすに違いありません。
特に、子どもに対する影響力は、偉い学者さんよりも、身近なお母さんの方があるのではないかと思います。
お母さんが、アドラー心理学を実践していると、確実にそのスキルは、子どもに伝わります。
するとその子が大人になって結婚をし、子どもができた時に、無意識的にアドラー育児をする可能性は高い。(親にされたように自分の子どもを扱う)
そう考えると、実践者中心でアドラーを広めようとする決断は、確実な影響を及ぼすという点で、とてもよい決断なんじゃないかと思いました。
確かに偉い学者さんではないので、大きな影響力はないかもしれません。
でも、確実に子どもにその思想を遺すことになるはずです。
もしかするとそれは「後世への最大遺産」となりうるのではないかと思います。
ただし、「アドラー心理学だけでは不十分」と、野田先生がおっしゃっていた言葉が、いまでも強烈に印象に残っています。では、ほかに何が必要だというのでしょう? それはまたの機会に!