「ダメ」
「早くしなさい」
「がんばりなさい」
これらは親が子供に言ってはいけない3大禁句だそうです。
なぜ、これらを言ってはいけないかというと・・・
これらはすべて命令形である、ということに気がついたでしょうか?
いつも子供に対して命令口調で指示・命令していると子供は、親に依存し、指示がないと何もできない子になってしまう可能性があります。
指示がないと何もできない、指示されたこと以外は気がまわらない、不測に事態が生じると行動できないなど、そんな指示待ち人間になったら困りますよね。
だからこそ、日頃からお母さんがどんな言葉を使うかを意識する必要がありそうです。
もし、上記のような指示・命令の言葉を使うことが多いとしたら、少し言葉を変えてみるように意識するといいかもしれません。
ちなみに、アドラー心理学では、親子の関係であっても上と下の関係ではなく、ヨコの関係をもつように勧めています。
しかし、「子供は親に従うべき」という考えがあると、親が子供に指示をして、「早くしなさい」「がんばりなさい」と命令口調になってしまうこともあるでしょう。
それはタテの関係です。
それだと上記でも述べたように、子供が親に依存したり、指示がないと動けないなどの問題を生みかねません。
でも、もし、親子の関係においてヨコの関係が支配しているならばお母さんが命令口調になる事はないでしょう。
ヨコの関係とは、民主的な対等な関係です。
アドラー心理学では親と子も民主的で対等な関係をもつことを勧めているわけです。
それはなぜでしょう?
もし、親しい友人に「あなたは私の言うことに従うべき」というスタンスでいつも「あれして、これしなさい」と指示・命令したらどうなるでしょう?
きっとその友人は「私はあなたの奴隷じゃない」と去っていく可能性が大きいのではないかと思います。
でも、対等な関係を保ちつつ、それが信頼関係で結ばれていれば、お互い友人に命令をすることはないでしょうし、そのような関係の間柄なら友人関係も長く続くのではないでしょうか?
実は親子の関係も同じなのかもしれません。
対等な関係を保ち、それによってお互いの中に信頼関係があれば、親子の関係は親しいものとなり、子供もそこに居心地の良さを感じるはず。
では、もし、子供に何かしてほしいと思うことがあった時にどうしたらいいでしょうか?
親しい友人に対して「~しなさい」と言うことはないですね。
きっと「~してもらえませんか?」と依頼するのではないでしょうか?
子供に対しても同じように依頼することができるはず。
それは、確かにお母さんが子供との関係は対等であると思っていることを示すことになるでしょう。
そして子供もそれを敏感に感じ取るはずです。
それは幼児も同じようです。
「続アドラー心理学トーキングセミナー」の著者、野田俊作先生はこんなことを述べています。
乳幼児の子供はどうやって勇気づければよいか。まず叱るのはいけない。どんな場合にも叱るということはいけない。・・・・子供がオギャーと泣くと、お父さんが「コラッ、泣くな!」と言うから子供はよけい泣く。こんなバカな話はない。お願すればいいのです。
怒りの感情の目的は、この子が泣きやんで欲しいということですね。だったら「すみませんが、真夜中なので、泣きやんでいただけませんか」と言えばいいんです。一度やってみてください。面白いですから。
野田さんは、乳幼児も言葉がわかること、そしてお願い口調で言うと案外、子供のそれに答えてくれることを別の部分で述べています。
乳幼児でもそうなのですから、しっかり意思をもった子にはなおさらお願することが必要ですね。
ただ、もし、お願いしても子供が聞いてくれないこともある事でしょう。
そんな時は「なんで聞いてくれないの~」と怒りを爆発させないように気持ちを抑える必要がありそうです。
難しいと思うかもしれませんが、子供と対等の関係を意識するときっと子供も答えてくれるに違いありません。