昨日の記事に対してコメントをいただいたので、今日はミラクルクエスチョンの使い方について簡単に説明したいと思います。
ちなみにミラクルクエスチョンは、ブリーフセラピーという心理療法の流派で良く使われます。
しかし、去年、野田先生のアドラー心理学講座に参加した時、ミラクルクエスチョンは、もともとアドラー派のカウンセリングで使われていたということをお聞きしました。
そんなこともあって、その質問にとても愛着を感じています。
それはいいとして・・・
「指導援助に役立つスクールカウンセリングワークブック」という本には、例えば、水に対する恐怖感がある子に対して、著者がミラクルクエスチョンをしたことが書かれていました。
具体的にどのように行われたかは書かれていませんが、きっと次のように使われたと推測されます。
カウンセラー(以下、カ):水が怖くて、プールに入れないんだってね!
子ども:そう! だからプールなんて大っきらい!
カ:嫌いなんだね! 確かに、水が怖いとプールなんて入りたくないよね。でもね、話し合いが終わって、この部屋を出るときに、「ここにきて良かった」って思えるとしたら、どんなことが話せればいいかな?
子ども:水が怖いと思わなくなるといいけど・・・
カ:そうか、水が怖くなくなるといいんだね。わかった。それじゃ、ちょっと想像してもらいたいんだけどいいかな?
子ども:うん
カ:○○ちゃんが、今晩寝るでしょ! そして眠っている間に、神様がやってきて、○○ちゃんの困ったことをすべて解決してくれたとします。○○ちゃんは、朝起きて、奇跡が起こって、その問題がすべて解決してしまったことを、まず、何で知るかしら?
子ども:学校に行って、プールの時間が来るのが嫌じゃない。
カ:そして?
子ども:体育の時間になって、プールに行くんですが、水を見てもなんか怖くない。そして水の中に思いきって足を入れてみると、とっても気持ちいい。
カ:水が怖くないんだね。
子ども:そうそう、足だけでなく、思い切って顔も水につけてみたけど、全然怖くない。
カ:それは良かったね。
さて、このやりとりは、あくまで私の創作ですが、ミラクルクエスチョンは、このように使われます。
ちなみに、この例のクライアントとなったのは、小学3年生の男の子だそうですが、彼は、次の日から実際にプールに入れるようになったそうです。
そのようにミラクルクエスチョンは、さまざまな問題に対して効果が期待できるようでご紹介した本にも、このように書かれています。
子どもたちに、ミラクルQをすることで、子どもたち自身が、一気に解決の状態まで到達してしまった事例は、著者だけでなく、現場の先生方からも、数限りなく報告されています。
では、なぜ、ミラクルクエスチョンが、そんなに効果的なんでしょう?
この質問を使うことによって、子どもに問題の原因ではなく、問題が解決してしまった状態をありありと描く助けを与えます。
その際に、「ビデオトーク」と言って、想像した状態を、まるでビデオを見ているかのように語ってもらいます。
そして、解決像を鮮明にイメージしているので、そこから解決策もどんどん浮かんでくるというわけです。
本当に、そんなことでうまくいくの?
そう思われたかもしれません。
それで、ぜひとも実際に試してみてください。
あなたは、現在、抱えている問題があるかもしれません。
それはどんな問題ですか?
ここでミラクルクエスチョンです。
あなたが今晩、眠りについて、寝ている間に、奇跡が起こります。
そしていま抱えている問題が解決してしまいます。
とはいえ、寝ているので奇跡が起こったことは、まだ、わかりません。
朝起きて、どんなことから奇跡が起こって問題が解決してしまったことを知るでしょう。
起きることを、ビデオを見ているように説明してみてください。
できれば、誰かとペアーになって、お互いにやってみるとおもしろいと思います。
参考図書「スクールカウンセリングワークブック」