子どもの頃、手伝いをしてないと将来、就職できない?
もし、そんなことになるとしたら・・・
ある本の中にこんな例が載っていました。
ある人気の企業で、新人さんを十数人、採用することとなりました。
その会社は人気があるので、倍率も20倍以上あり、人事部の方が面接でよく見極めて優秀な子たちを採用したんだそうです。
採用された新人さんが、それぞれの部署に配属されて働き始めました。
その後、数カ月がたちました。
すると・・・・・
新人さんの配属先の上司の方たちから人事部に対して大クレームが起きたんだそうです。
その新人さんたちは、
「気がきかない」
「段取りが悪い」
「感謝しない」
など、いわゆる使えない子が多かったというのです。(この表現、あまり好ましくないですね)
そのような中、もちろん使える子たちも確かにいた。
そして人事部としては、何がどうなっているのか、いろいろと調べたんだそうです。
その調査で分かったことは、
○子供の頃、家でお手伝いをしていた子は、OK。
×子供の頃、お手伝いをしていなかった子は、使えない。
こんな結果がわかったんだそうです。(一概には言えないと思いますが)
それからというもの、その会社では、どんなに成績が良くても、子どもの頃、お手伝いをしたことなない学生は採用しないということになったんだそうです。
本当の話だそうです。
もしかするといま、子どもは勉強さえしていればOKというような風潮があるかもしれません。
でも、それによって、子どもの生きる力を奪ってしまうとともに、その結果、将来、就職できない子にしてしまうとしたら・・・
それは困りますね。
もちろん、職人の道や自営という道もあります。
しかし、気がきかなくて、段取りも悪く、感謝もしない子は自営も難しい?
だからこそ、いまから「お手伝い」をさせてあげてほしいわけです。
お手伝いは、子どものいろいろな感覚や価値観、そして感謝の心や人間力を培います。
例えば、お手伝いをすると段取り力が磨かれることでしょう。
料理をしようとすると準備や段取りが必要です。
しかし、料理を手伝ったことのない子は、何をどうしたらいいのか、わからないのでは!
また、洗いものをしたことのある子は、冬場にお湯を使うときれいにすすぎができることなど、経験を通して知るはずです。
案外、経験を通して学んだものって、机上の空論よりも使えたりします。
また、いくつかの調査によると、お手伝いをすることと道徳心や正義感を育むのには相関関係があるとか。
お手伝いをする子の方が、道徳心や正義感をもっていることが多いんだそうです。
例えば、お子さんは、お年寄りに席を譲ったり、あいさつしたり、友達が悪いことをしていたら辞めさせるなどの行動がとれるでしょうか?
いつもお手伝いをしているお子さんは、そのようにできる可能性が高いのかも。
それと、お手伝いは、「私は人の役にたてる存在だ」という信念を子どもの中に育ててあげることができると思います。
たとえば、お手伝いをして、お父さん、お母さんに「助かったよ」と言われることによって「自分は人の役に立つ人」という自己認識が培われるのだろうと思います。
いわゆる貢献感ですね。
人はだれかの役に立っていると感じることで幸せを感じるようにできているようです。
マザー・テレサはこんなことを言いました。
この世で最大の不幸は、
戦争や貧困などではありません。
人から見放され、
「自分は誰からも必要とされていない」
と感じる事なのです。
おそらく、今の子たちの不幸は、家族で、学校で、社会で人に役に立つ経験もなく育つことで「自分は必要とされている」と実感できる機会がないことにあるのではないかと思っています。
だからこそ、何でもいいので、敢えて子どもが家族で貢献できる場面をつくってあげる必要があるのかもしれませんね。