「ありがとう」
その言葉を聞いて、心の中がジワッ~と温かくなるのを感じました。
それは、以前勤めていた会社の社長に、ちょっとした雑用を頼まれた時のこと。
それが何だったかも覚えていません。
しかし、雑用を終えて、それを社長に報告に行きました。
その時です。
社長は私の目を見ていいました。
「ありがとう」。
ただ、それだけのこと。
でも、それがとってもうれしくて、心がジワーッと温かくなるのを感じました。
おそらく、この時、アドラー心理学的に考えると、私は「自分は役に立てる」存在であることを自分で感じていたんだと思います。
ちなみに、アドラー心理学的な、育児の目標は、大きく分けて2つあるといいます。
1つは外側の目標(共同体感覚)。
◎人の役に立つこと
2つ目は心理学的目標。
◎私は能力がある
◎人々は仲間だ
このような感覚を持てる子に育てることが育児の目標だというのです。
実際に、そのような感覚を持っている子は、人と仲よくやっていくことができ、幸福感を持って人生の航路を渡ることができることでしょう。
しかし・・・
もしかすると、現代の子どもたちって、上記で述べた感覚のうち、“人の役に立つこと”が大切であることを実感していない子も多いのではないかと思います。
その理由は、戦後教育の問題などもいろいろあるのだろうと思います。
勉強が第一になっている。
そして、その大切さを親御さんご自身が学んでこなかったので伝えられない。
理由は様々だと思います。
でも、人間として、“人の役に立つ”という経験は、とっても大切です。
そしてそれは子どもの自己肯定感を高めることにもつながることでしょう。
だって、人の役にたって、「ありがとう」と言われたら・・・
私もそうでしたが、うれしさを感じ、自己重要感を感じるはずです。
逆に、勉強だけが重視されて、家の手伝いもしないで、お母さんの役に立って「ありがとう」って言われることもないとしたら・・・
そんな人生悲しすぎます。
だって、人の役に立つことがないということは、裏を返せば、人から必要とされないということ。
人から必要とされない人生!
お子さんにそんな人生を歩んで欲しいでしょうか?
それに関連して、ある人の言葉を紹介します。
これをお読みになって何を感じるでしょう?
この世で最大の不幸は、
戦争や貧困などではありません。
人から見放され、
「自分は誰からも必要とされていない」
と感じる事なのです。
この言葉は、マザー・テレサの言葉です。
彼女は、誰からも必要とされていないことを、最大の不幸と述べていますね。
そう考えると、家の手伝いなど、何もしてもらわないで、勉強だけしていればいいという考えは、子どもを不幸な人生に追いやるようなものといえるかもしれません。(おおげさ?)
それで、子どもさんに、心から幸せな人生を送って欲しいと思ったら、人の役に立つことが大切であることを教える必要があると思うのですが。
まずは、家の手伝いから始めることができるかもしれませんね!
お子さんは、家の中でどんな役割を果たせそうですか?
日頃のそんな体験が、「私は人の役に立てる」、そん実感に結び付くのでしょうね。